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34 まくら投げ大会

朝になった。
俺は宿泊所の布団の上で目を覚ます。
なぜここにいるかは、ぼんやりしてて分からない。
昨日のことがまるで夢みたいで、現実ではないようだ。

俺はカーテンから漏れる朝の光がうざったく感じて、腕を額に当てて昨日の事を思い出してみる。

あれからなぜか桜が森の中に飛び込んできた。
茜もいた記憶があるのだが、どたばたしててあんまりはっきり覚えていない。
ただ俺は、桜に話しかけられるまで呆然としてて、立ち尽くしていた。

桜は、俺たちの様子を見ると、すぐに奈々の介抱に向かった。
そしてぐったりしている奈々の身体をハンカチやティッシュで拭きながら、茜にあれやこれやと指示を出すと、
すぐに服を着せ、俺に奈々を背負って帰るように言った。

桜は俺に何も聞かなかったが、事情は全て分かっているようだった。
途中、桜は茜と色々話していたが、記憶にない。
俺はただ、アスファルトを踏みしめて奈々を背負って帰ってきただけだ。
そして気が付いたらこの布団の上で横になっていたというわけである。

……ああ、いや一つ思い出した……。

俺は泣き疲れて眠ってしまったのだ。
部屋に帰って着替えをしているとき、ポケットから奈々のパンツが出てきて、現実を思い知らされ泣き崩れたのだ。

仲山だけでなく牛坂にも無理やり種付けされてしまった奈々。
ここに来た当初にあった奈々との関係はもうない。
一緒に登下校し、いつも一緒に笑いあった奈々は、もう汚されて男どもの玩具にされてしまったのだ。

俺は再びこみ上げるものがあり、涙を流してしまいそうになる。
だけど俺はそれを必死に我慢し、立ちあがってジャージに着替えはじめる。
奈々の方が辛いのだ。
そもそも俺が奈々を守れなかったからこうなったのだ。
奈々に会って謝らなければならない。

俺は着替えを済ませると、朝食のために大広間に向かった。
そこでクラス全員で朝ごはんを食べるからだ。

大広間に着くと、畳の上にいくつもお膳が並んでいた。
クラスの女子はほとんどが来ているようだった。思い思いの場所に座っている。
俺は広間を見渡し、奈々を探す。
奈々は、いつも一緒にいる友人たちと固まって座っていた。

俺が謝りに行こうとすると、気まずそうに目を逸らしたので、俺も気まずくなる。

俺はこの雰囲気の中、謝りに行く気になれず、空いている席に座り俯く。
昨日の事はクラスのみんなは知らないようで、和気あいあいとお喋りしたり御膳の和食に視線を落としてご飯の合図を待っている。
こんなときにやはり謝りにはいけない。
もし他の子に知られれば、朝食は最悪の雰囲気で食べることになるだろう。

後からやってきた桜が俺の隣に座り、担任の夏美が御飯の合図をするのを待つ。

「はいはい。みんな揃ってるかなぁ。ご飯の時間ですよ~」

担任の夏美がジャージ姿で現れ、食事の前の挨拶を始める。

「昨日の肝試しは面白かったかな~。今日もイベントがあるから楽しみにしておいてね~。
それから勇太くん。あとでアルバム渡すから4人選んでおいてね~」
「……はい」

よりによってこんな時に言わなくても……。
と顔を顰めたが、すぐにハッとして気づく。

今、夏美は4人と言った。
牛坂は奈々を犯したので没収は2人のはずだ。
4人と言うことは、もう1人誰かが犯されたことになる。

(こんなこと言い間違えるわけないし、他にも誰か犯されたのかな……)

俺は広間にいる女子を見渡すが、奈々を除いて特に変わった様子の女の子はいなかった。

俺は隣で澄まし顔のまま和食を食べる桜に聞こうと思ったが、食事時にこういう話をするべきじゃないと自分も箸を持って料理に手をつけるのだった。


朝食が終わった──。
俺は牛坂と海森のクラスから二人ずつ指名し、4人の所有物を手に入れた。
所有物とポイントは増やせたが複雑な気持ちだ。
事実上、交流がなくなっていた海森が、俺の所有物に手を出したのもそうだが、
他の子まで犯されていたなんて。
仲山の件で俺は男連中を信用しなくなったので、裏切られたことに大して怒りはないが、やはりショックはある。
そもそも誰が犯されたのだろうか?
胸に重苦しい何かが圧し掛かり、俺は食事を終え大広間を出ようとしていた桜を呼び止める。

「なにかしら?」
「ああ、いや……。そのさっき所有物を牛坂だけでなく、海森からも手に入れたんだが、誰が襲われたとか知らないか?」
「……知らないわね。ただ、同じ肝試しに参加していた女子が襲われた可能性なら十分あるわ」
「そ、そうか……」

桜が知らないのなら茜や渚も知らないだろうから、聞いても無駄だなと思い、
俺は桜から離れて、今度は奈々の元へ向かう。

奈々は体操服にブルマ姿でいつも一緒にいる友人二人と喋っていたが、俺が近づくと会話をやめた。

「………」
「………」

言葉が出ない。
どんなに罵声を浴びせられて嫌われようとも謝るつもりだったのに、本人を目の前にしてごめんの一言も出ない。
変な空気が漂い、互いに向き合ったまま、気まずい時が流れる。
俺は口を開きかけては閉じるを繰り返し、奈々は俺を前にして俯いたままだ。

俺はなんとかしなきゃと焦っていると、奈々は少し離れた場所で見守っている友人たちの視線が気になったのか、俺の手をとって人気のない廊下へ連れて行った。

「大丈夫だよ」

「えっ……」
「だから大丈夫だよ。芝山くん」

奈々が笑顔で言う。
その笑顔を見て、何も言う事ができず固まる。

奈々は、そんな俺をよそに言葉を続けていく。

「昨日の事なら気にしなくて大丈夫。わたし気にしてないから」
「あ、いや、でも……俺は……」
「いいからいいから、本人が大丈夫って言ってるんだからホントに気にしないで」

暗い雰囲気などなかったように奈々は、ロリフェイス全開で微笑む。
そして謝ることすらできずに立ち尽くす俺を残して、奈々は「じゃあ」と言って友達の元へ戻っていった。


それから俺は暗い気持ちのまま夏合宿二日目のプログラムを消化していった。
食事後、体操をした後、海沿いを軽くマラソンし、朝風呂に入る。
そしてそれが終わると、2時間の勉強、昼食。
まるで本当の合宿をしている気分になり、俺の気分は少し紛れていく。
牛坂に仕返しに行こうかという気持ちもあったが、それよりも自分が情けなくてとてもそんな気はおきなかった。
そう、全ては自分の責任。仲山の時は仕方がなかったが、牛坂の時は自分が油断してて弱かったからあんな事になったのだ。
責められるなら自分だろう。

そうして、警戒していた他のクラスと共に行動することもなく、
また、イベントも行われず、俺は桜と一緒に行動を共にして静かに過ごした。


そして夕食とお風呂を終え、夜9時になろうとしたとき、突如館内放送が俺の部屋に響き渡り緊張が走った。

ピンポンパンポ~ポン。

「あーあー、これよりクラス対抗まくら投げ大会を行います。生徒の皆さんは下着を脱いだあと部屋に備え付けられた浴衣に着替え、至急、東館1階の大広間に来てください。
繰り返します。生徒の皆さんは~」

丁度桜と一緒に自分の部屋でお茶を飲んでいた俺は、一度だけゆっくり瞼を閉じ、ついに来たかと立ち上がる。
そして桜が自分の部屋に浴衣に着替えに行くのを見届けた後、俺も浴衣に着替え部屋を出た。


大広間はすでに人でごったがえしていた。
全員が浴衣を着ているので、なんだか新鮮な気分だ。
これだけの人数が浴衣を着ているのを見るのは初めてだからかもしれない。

それぞれのクラスの担任が自分たちの生徒を体育館の集会のように一列に並べさせ、私語を慎むようにいう。
俺は列の一番前に並べさせられて他のクラス同様、イベントの開始を待った。

「全クラス揃ったようですね。ではこれよりまくら投げ大会を行います。男子は前へ。抽選を行います」

俺は隣の仲山と牛坂に憎々しげな視線を浴びせながら、進行役である学年主任の前に立つ。
牛坂は昨日のことなど知らないようにケロっとしている。仲山もこちらを無視するような態度だ。本当にイライラする。

学年主任の横にいる夏美が、抽選箱を持って来て男子たちにクジを引かせていく。
俺も箱に手を突っ込んだ。

「3番か……」

俺は箱の中から折りたたまれた紙を取り出し、それを開いて確認する。
そしてその紙を夏美に渡すと、列に戻った。
色々と桜と相談したいが、私語は厳禁だ。他の連中もシーンとしているので話しかけにくい。

学年主任は、全員の抽選が終わると、マイクを持ってルール説明に入る。

「では、これよりクラス対抗まくら投げ大会の説明をします。
一度しか言わないのでよく聞いておいてください」

俺は意識を集中する。
暗い気持ちのままだと負けると、大きく息を吸って気合を入れなおす。

「まず、まくら投げ大会はトーナメント制とします。一クラス20名ずつ選抜し、大広間の半分を自陣とし、枕を投げ合ってもらいます。
枕以外の物を投げるのは反則。枕が体に当たり下に落ちた時点で自陣から出ていってもらいます。
外野のいないドッジボールといえば分かりやすいでしょう。
勝者の判定は、陣から人がいなくなるか、30分の制限時間で人数が多い方の勝ちになります。ここまではよろしいですね?」

誰も何も言わない。ここまではいいだろう。

「ではここからは特別にルールとなります。
勝者は敗者のクラスの女の子とセックスする権利を得ます。ただし、セックスしただけでは所有物の権利が移動することはありません。妊娠させた場合のみ所有物は勝者の物になります。
また、セックスできる女の子はまくら投げで枕が当たった者だけです。枕が当たってなければ、セックスはできません。
それから、ここが重要なのですが、必ず選抜メンバーには男子に入ってもらいます。そして男子が枕に当たってしまった場合、勝者になったとしても枕が当たった子とはセックスできないので覚えておいてください。ここまでで質問は?」

学年主任が問うと、海森が手をあげた。

「敗者のクラスの子を抱けるということですが、人数制限はないのですか。例えば20名全員を脱落させれば、20人全員とセックスできるということですか?」
「ええ、その通りです。まくら投げ大会が終わり、明日、学園に帰るまでがセックスをする時間になります。
女の子によっては何回も男の子とセックスしないといけないでしょう。大変ですが子作りに頑張ってください」

これを聞いてザワザワと大広間の女の子が動揺し始める。
とんでもないことになったと思っているのだろう。それらしい会話が聞こえてくる。

「分かっていると思いますが、勝ち抜けば勝ち抜くほどセックスできる人数が増えて行き、一回戦目で負ければ誰ともセックスできなくなります。
男子諸君はそこを肝に銘じて試合に臨んでください。勿論優勝者と準優勝者にはご褒美がありますので頑張ってください。では、トーナメントの組み合わせを発表します」

再びシーンとなる大広間。

「一回戦一組目は、2組芝山勇太対3組牛坂浩二。そして二組目は5組秋川慎矢対1組仲山楓太。4組の海森くんは残念ながらシードとなります。あなたは二組目の勝者と試合をしてもらいます。わかりましたか?」
「ええ、わかりました」

浴衣姿の海森が眼鏡をクイっとあげると、学年主任は隣の大広間を開けて2組の俺たちと3組の牛坂たちを誘導した。

「ではこれより10分間、作戦タイムとします。選抜メンバーを選び、作戦を考えるなら時間内に考えてください」






「なぁ、まずは誰を試合に出すかって相談なんだけど……」

作戦タイムになり大広間の隅に集まった俺たちは、メンバーを誰にするか話し合いを始める。
しかし、そこまで言いかけて、クラスの女子たちは一応に俺から目を逸らした。
無理はない。最初は牛坂のクラスが相手だ。
女の子が嫌がるのも仕方ないだろう。
負ければ牛坂に犯されるのだ。これは20人、いや俺を除けば19人、選ぶのが大変そうだ。

どうしようかと考えていると、意外なところから声があがった。

「いいよ。私が立候補する」
「奈々!?」

奈々が暗い雰囲気を微塵も感じさせず自らが立候補する。
いつもの兎の髪留めはしてなくて少し感じが違うが、その態度に迷いはない。
俺は昨日あんなことがあったのに、と戸惑うが、奈々がこちらを見て頷いたので、俺は何も言えなくなってしまった。

「なら、あとは私と茜と渚が取りあえず決まりね。他に誰か立候補してくれないかしら?」

青のラインが入った白の浴衣姿の桜がみんなを見渡しながら言うと、フェラチオ大会と同じように川村が立候補してくれて
他にも川村の友人数人といつかのマゾの子が3人参加すると言ってくれた。

「勇太も入れて11人ね。あとは……」

桜がもう一度促すように皆を見ると、他のクラスメイトはみんな俯いてしまった。

(仕方ない……)

俺は、そこで桜だけに任せられないと、いきなり畳の上で土下座をする。

「たのむ。参加してくれ。俺は勝ちたいんだ。頼む……」

静かになるクラスメイトたち。
迷っているようだ。
顔を見合わせてどうしようといってる雰囲気がある。
だが、暫くしてクラスメイトの何人かが「後で何かおごってね」と言って笑顔で承諾してくれた。

俺は礼を言いながら立ち上がり、桜の顔を見ると、
桜は俺から言葉を引き継ぐように口を開いた。

「20人そろったわね。じゃあ、作戦なんだけど、まずは広間全体を見て」

俺たちが桜の顔から広間に移すと、30畳ほどの大広間には枕がそれぞれの陣地に10ずつ置いてあった。

「いい、最初はまくらを投げないで様子を見て。さっき学年主任も言ってたけど、これは外野のないドッチボールよ。一度投げたら相手が枕を投げ返してくるまで何もできないわ。だから相手が枕を投げ切ったところで攻撃するの。全員で一斉にね」
「なるほど。そういう狙いか。わかった」

つまり枕を一度に10投げるより、相手が投げ切るのを待ってから、全部枕を集めて一気に投げるのがいいと言ってるわけである。10より20を一気に投げたほうが防御は難しいだろう。いい考えだ。
そして桜が本当に言いたいことを悟る。

ようするに、人数が優位になった時点で枕を投げないでいいのである。
そうすれば相手は攻撃できないので、時間切れを待てばいいというわけだ。
そう、例えば相手が8人、こちらが10人となった時点で枕が全部こちらにあれば、それで時間切れを待てば勝ちなのだ。
もっとも当たりすぎないということと、相手の人数をこちらより減らさないといけないという事が前提になるわけだが。

「それから牛坂にあっさり勝てるかもしれない方法があるわ」
「えっ、本当か?」
「ええ、ゲームが開始したら私が仕掛けるから、みんなは私の話に合わせてね」

わかったと皆が頷き、ゲームの開始を待つ。

そしていよいよ作戦タイムが終わり、ゲームの始まりの時間がやってきた。


「両チーム前へ」

審判役を務めるらしい学年主任が、ホイッスルを首にかけて俺たちと牛坂率いる3組を呼び、コートの真ん中で対面になるよう横一列に並ばせる。
他のクラスは隣の大広間でこちらを見物している。この大広間にいるのは審判役の学年主任と2組、3組だけだ。

「ウシシシ! メンバーを選ぶのに惨めに土下座したみたいだな。こっちはすぐにメンバーが決まったぜ。希望者が多くて選ぶのに困ったくらいだ!
ホントおまえは地面に這いつくばってるのがお似合いな奴だぜ!」

牛坂が俺の前でにやにやする。
俺は怒りの感情を押し殺しながら、冷静に言った。

「さっさとゲームを始めようか。勝つと分かってる試合をダラダラするつもりないからな」
「ウシ───!! 生意気な奴め!!」

あっというまに頭が沸騰した牛坂が、怒り狂って俺に掴みかかろうとするが、学年主任に止められて喚き散らす。



俺はクラス全員と、陣地の後ろに下がって枕を持つと、さりげなく奈々を守るため隣に行った。















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  1. 2013/10/09(水) 00:00:01|
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コメント

ノクタンも見てますがどちらも更新して欲しいです宜しくお願い致します
  1. 2017/05/18(木) 00:07:59 |
  2. URL |
  3. スクレッツァ #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> ノクタンも見てますがどちらも更新して欲しいです宜しくお願い致します

こんにちは。
ノクターンの方をなかなか更新できなくてすいません。
なんとかそっちも更新できるよう頑張ろうと思います。
期待せずにお待ちください><
  1. 2017/05/27(土) 12:20:18 |
  2. URL |
  3. モブGR #-
  4. [ 編集 ]

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
  1. 2022/06/16(木) 21:53:12 |
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  3. #
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ntr属性なのに超純愛ゲーをやって自己嫌悪になった男。リハビリのために小説を書いてます。
ほぼ賢者モードで書いてるので期待しないでください。

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