千早ちゃんが元気になってまたいつもの日常が戻ってきた。
僕たちはなんだかんだと忙しい毎日を送り、それから一週間が過ぎた。
遊園地に行くという約束があったのだが、僕もまりなちゃんも休日に部活の練習ということで、とりあえず先延ばしになっている。
今日も部活の時間になり、話くらいする仲になった美奈と隣り合った。
「ねぇねぇ健太ってさ、先輩に長距離走を勧められて分かりましたって言ったのほんと?」
「……そうだけど」
「えーなんでー。前は私と一緒の短距離走志望って言ってなかった?」
「それはこっちにも色々あって……」
美奈の問いに僕は腕を伸ばして体操しながら言葉を濁す。
実は短距離走志望って先輩に言ったのだが、長距離走で一番走れるのは僕だったので、そっちにまわされたのだ。
僕は内心嫌だったが、先輩に肩を叩かれていいわねって言われれば、逆らえるはずもない。
だからしょうがなくこのような結果になったのである。
「ふーん。健太って意志弱そうだからそっちにまわされちゃったと思ったんだけど」
「うるさいな、ほっといてよ」
僕はそっぽを向いてストレッチをする。
この美奈という子は初日からずけずけと物を言って時々カチンとくる。
場合によってはスカっとするようなことを言うのだが、ほとんどの場合がこういうカチンとする歯に着せぬ物言いだ。
付き合い方が分かってきたんだけど、あんまり深い仲にはなりたくない子である。
「ねぇねぇ、おちんちんを見せてくれる約束だけど」
「なんか言った?」
僕は聞こえないふりをする。
「そういう態度とると、健太後悔するよ」
「どう後悔するって言うのさ」
興味がないふりをしながら聞く。
「先輩に健太が先輩の悪口言ってたって言っちゃう」
「それはやめろ、僕、そんなこと言ってないし!」
強く否定する。
美奈なら言いそう。そういうキャラだ。
僕はどうしようか悩む。そして一つ考えが浮かんだ。
「僕と競争して勝ったらいいよ。それでいいでしょ?」
◇
今日、体育館で練習している私のチアガール部に隼人が取材しにきていた。
部長が少し緊張気味に隼人と取材の打ち合わせをしている。
隼人一人だけ取材に来ているのだが、部長が緊張しているのは、聞いたところによると新聞部が大きな力を持ってるらしかった。
なんでも真実のみを読者に伝えるが売りで、かなり過激なことを書いてるみたいだった。
そのため恨まれることもあるみたいだったが、新聞部の支持はかなりすごくてそのスタイルをかえるつもりないらしい。
「ウチは真実のみを伝える部ですから、よろしくお願いします」
「分かってるわ。きちんと演技が出来たら、チアガール部の事をいい風に書いてね」
「それはもちろん」
隼人と部長の打ち合わせが終わり、部長が青の服に黄色のミニスカートを履いて整列する私たちの元に戻ってくる。
「みんないいわね。失敗は許されないわよ。成功したらチアガール部の評判はうなぎのぼりだから頑張って」
「「はい!」」
私たちは元気よく返事すると、部長の指示で準備にかかる。
そして準備が終わると、部長の合図で演技が始まった。
一般的にチアガールというのは、どこかの部の応援に来てポンポンを振っているイメージが強い。
だが、チアガールはチアダンスを踊ったり組体操みたいなことをするので結構ハードなのだ。
ポンポンを振りながら音楽に合わせてダンスを踊る。
部に入って一か月くらいだが、基本的なことは出来る。
隼人は前からカメラで私たち撮っている。新聞に載せる写真かな。
くるりと一回転すると、私は手をまっすぐ水平に伸ばしてポンポンを軽く揺らし、演技をこなしていく。
そして締めの演技のピラミッドに入ったところで問題が起こった。
ここまでほぼ完璧に済ませていたせいで気が緩んだのか、土台になっていた1年生の子の体勢が崩れ、ピラミッドが崩壊したのだ。
「きゃあっ!!」
悲鳴と共に床に倒れ込む私たち。
こともあろうに新聞部の隼人の前で大失敗だ。
当然、隼人はこの様子も写真におさめ、メモになにやら書き込む。
「まって、今のはたまたま失敗しただけだから!」
「そうは言ってもうちの新聞部は真実を載せるのを信条としてますので」
部長が慌てて隼人に駆け寄って訴えるが、隼人は冷たく答える。
部長はそれを聞いてうろたえると、今度は辺りをキョロキョロと見渡し、思いついたように私たちに向き直った。
「ま、まって、あ、そうだ。 一年!!マットの上で四つん這いになってこっちにお尻を向けなさい!」
「は、はい!」
先輩の焦った指示に、私を含む1年生3人が慌てて安全用に敷かれたマットの上で四つん這いになりお尻を向ける。
そうすると、部長は急いで私たち3人のアンスコをズルっと膝までおろし、ぷりんとした形のいいお尻を丸出しにさせると、隼人に言った。
「おちんちんをおまんこに入れると気持ちいいのよね! うちの1年の3人のおまんこにおちんぽみるくたっぷり出していいから、さっきのは見なかったことにして!」
部長の意図を悟ったチアガール部の先輩たちは、私たちのピンク色のおまんこを手でくぱぁ~と左右に拡げて見せつけるように援護する。
四つん這いになっている私たちにはもう何がなんやら分からず、お尻を後ろに突き出すだけである。
開かれた膣口がやけにスースーして、
中を見られてると思うとなんかアソコからお汁が出てきた。
「う~ん、こっちのおまんこは93点。なかなかいい締りしてますねチアガール部の部員。まりなに至っては100点だ」
「気に入ってくれた? うちの一年は可愛いことで有名なんだから」
部長は、取引に応じて四つん這いになった私たちを後ろからパンパンしながら恍惚な顔をしている隼人に言った。
正直言って、隼人と部長の会話は雲の上のような会話で私たち新人部員には話に入って行けない。
私たちはただ、チアガール部のために隼人のおちんちんを満足させる道具になっている。
「じゃんじゃんおちんぽみるく出してチアガール部のいいこと書いて」
もはや演技ではなくおまんこの具合でチアガール部をいい風に書いてもらおうとする部長。
私たちが練習してきた意味って……。
あんあん喘ぐ1年部員を犠牲にして部長は必死に隼人のご機嫌とりをする。
隼人は私を含む1年生3人のおまんこに順番におちんちんを入れながら口元を歪めて言った。
「それは先輩方のおまんこも試してからです。じゃないとチアガール部を知った事になりませんから」
「そ、それはもちろんよ。み、みんな用意して」
隼人のために四つん這いになりお尻を突き出す部長以下チアガール部の先輩部員。
隼人は至福の表情を浮かべながら、1人ずつしっかり中出しし、88点、90点~と点数をつけていく。
おちんぽみるくを注入し、白濁に塗れた美少女のおまんこは資料として写真に撮られ、中出しされた子は頬を赤く染めながら荒い息をついて上半身をマットに突っ伏す。
隼人のおちんぽみるくは尽きることなく、チアガール部10人全員の中にたっぷりおさまってしまった。
湯気が出そうなほど熱くて濃いおちんぽみるくを受け止めた私たち10人のおまんこは圧巻で、
隼人にピラミッドの代わりにお尻を後ろに突き出した屈辱の全体写真を撮られて、この日の取材を終えたのだった。
もちろん、隼人は帰り道にまりなにやりすぎと言われて、頭を叩かれたのはいうまでもない。
ちなみにまりなを除いた全員の膜が隼人のおちんちんに破られたそうだ。
◇
僕はなぜか美奈と陸上とは関係ない懸垂勝負をすることになった。
僕は短距離走とかいいんじゃないと提案をしたのだが、なぜか美奈は懸垂勝負でと言い出す。
よっぽど自信があるんだろうか。
鉄棒の前で腰に手をあてた美奈が言う。
「何回できるかで勝負ね。私が勝ったらおちんちんを見せること」
「わかってるよ。僕が負けたらね。
でも僕が勝ったら何をしてくれるのさ?」
「じゃあ、勝負いってみよ~」
「おい!」
思ったことを口にするだけでなく、我儘だと知った美奈。
ひどい奴だと思いつつ、美奈が最初に鉄棒を握って懸垂をしだす。
「1……2……3……」
僕はそれを冷たい目で見ながら、このまま帰ろうかと考える。
この勝負、なんのメリットもない
付き合うだけ無駄なのだ。
僕が背を向けようとすると、懸垂している美奈が顔を真っ赤にして言った。
「逃げたら絶対許さないからね! 先輩にあることないこと言うから!」
「………」
なんでここまで必死なの?と言いたいが、逃げるという選択肢は消えた気がする。
もうとっととこの勝負を終わらせた方があとくされなくていいだろう。
僕は溜息をつくと、美奈に向き直った。
「わかったよ。逃げないから早く終わらせて」
「んっ……」
そう言うと、美奈は再び懸垂の続きをする。
そして7回ほど済ませると、ぴょんと地面に降り、手の平をふーふーさせた。
「私8回ね。次は健太の番!」
一回ほど誤魔化してる気がするが、僕は気にせずに場所を替わってもらって鉄棒を握る。
早く終わらせたいが、負ける気はない。
以外に僕は負けず嫌いなのだ。
「1、2、3、4、5……」
一気に懸垂を繰り返す僕。
鉄棒から離れた美奈は驚きで目を丸くし、すぐに思い出したかのように僕の妨害に入る。
「健太~、足元に100円落ちてるよ。早く拾わないと私が拾っちゃうよ~」
あまりにもくだらなくてかえって笑ってしまいそうになる。
だけど僕はすぐに集中力を取り戻し懸垂を続ける。
「6、7、8……」
「あーーー!! あそこにUFO飛んでるー!」
「9、10! はい終わりっ!」
鉄棒から手を離し地面に降りる。
手を見ると真っ赤になっていた。
「……………」
黙ったまま少し涙目で僕を睨む美奈。
しかし勝負は勝負。
僕はおちんちんを見せる気はない。
というか美奈が素直ないい子なら見せたんだけど、どちらかと言うと生意気だから見せたくないしね。
「僕の勝ちだね」
「………」
「じゃあ、そういことでおちんちんを見せるのはなし。先に戻るね」
僕が反転して背中を向けたところで、美奈がポツリと言った。
「……ずるい」
「えっ?」
僕は顔だけ振り返る。
「ずるいって言ったの!! 今のはナシ! もう一回!!」
まるで子供のように駄々をこね、再選を要求する美奈。
まさに幼女をそのまま大きくしたような駄々っ子プリに、なるほどと、妙に彼女の性格を理解してしまった。
この子は生意気というより、精神が子供なのだ。
ぎゃあぎゃあと大騒ぎする彼女に困っていると、
遠くから陸上部の部長、平崎千夏さんがやってきた。
「こら、あなたたち何やってるの。練習さぼって」
体操服にブルマという格好で現れた千夏部長。
この人は普段黒髪をたらんと背中まで伸ばした美人さんだけど、部活中は邪魔になるのか後ろを髪ゴムで縛ったポニーテールにしている
とってもグラマーな人だ。
「すいません……」
しゅんとなる僕。
美奈はというと、自分はまったく悪くないという顔をしているのが憎たらしい。
「何してたの?」
「えっと、そのー、ちょっと懸垂の練習してて……」
僕は嘘をつく。
「そうなの? その割にはずいぶん騒いでたようだけど」
千夏部長が艶やかなポニーテールを揺らしながら、美奈を見る。
「わたし、しらなーい」
美奈は知らんぷりすると、そのまま駆け出そうとする。
「あっ、こら美奈待ちなさい!」
部長が手を伸ばして捕まえようとするも、スルリと抜けて、
美奈は僕を残して一足先に駆けていった。
「もぅ……、しょうがないわね、あの子は」
溜息をつく部長。僕はその態度で美奈と部長になんらかの関係があるのかもと察する。
「ひょっとして部長は美奈と前から知り合いなんですか?」
「ええ、私の幼馴染で妹みたいなものなの」
苦笑いしながら、答える部長。
僕はへーと言いながら、部長を見る。
すごい美人だ。こんなに間近で見るとドキドキしておちんちんがおっきくなってきちゃう。
おちんぽみるくを出させてくださいって言ったら怒られるかなあ……。
隼人が新聞部で先輩相手におちんぽみるくを出したって話を思い出し、口にしようか迷う僕。
僕の挙動がおかしいと思ったのか、部長が僕の顔を覗き込みながら、
「どうしたの?」
と心配を含んだ声で言ったので、僕は慌てて「なんでもありません」って言ってしまった。
やっぱり僕には隼人のように勇気を出して言えないや。
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- 2014/05/07(水) 00:00:01|
- 小説
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