黒髪ロングの千雪さんと黒髪ポニーテールの色葉にフェラしてもらえる。
それは俺の決意を鈍らせ、そしてその欲望を高める結果になった。
「どう、私も舐めてあげるわよ?」
「うっ!?」
千雪さんの止めを刺すような言葉にグラリと天秤が傾く。
色葉じゃなくて、あの千雪さんにまで舐めてもらえるなんて。
グラグラ揺れる思考。美人姉妹二人からちんぽを舐めてもらえるなんて恐らく一生もうないだろう。
このチャンスを不意にしていいのか?
俺は悩む。
だが、色葉が咎めるように千雪さんに言った。
「姉さん、これは私とこいつの勝負よ。邪魔しないで」
「あら、そうだったわね。じゃあ、勝負の後に舐めてあげる」
「うぅ……」
俺はこの魅力的提案に謝ることを再び迷う。
ズボンを脱ぐという一時の恥を我慢すれば、俺は男として最高の快楽を得ることになるのだ。
俺は大きく息を吸って、気を落ち着ける。
落ち着け、これは罠だ。
千雪さんはなんとかして俺と色葉にえっちなことをさせようとしている。
これに乗ったら俺は……。
脳裏にダブルフェラされることが浮かび、俺の思考が殺される。
後から考えてみたら千雪さんが俺とえっちする理由なんてないのに、それが分からない。
今はそれが思いつかない。
色欲に脳が支配される。
俺の決意は固まった。
色葉は俺の事が好きだって話だ。なら最終的にはやることは一緒だと、覚悟を決める。
どうせ見られるのは、ここにいる5人だ。
(ええい、ままよっ!)
俺は脳内のリミッターが振り切れ、皆の顔を見ないようにしながら、一気にパンツごと制服のズボンをおろした。
「きゃあ!」
俺がズボンを下におろすと同時に、美羽ちゃんは悲鳴をあげ、両手で顔を塞ぐ。
だけど興味あるのか、指の隙間が少し開いている。美羽ちゃん、バレてるよ……。
「ほ、ほんとに出したのね。あ、あんた勇気あるじゃない」
色葉が動揺した声で顔を真っ赤にする。
ホントに出すとは思っていなかったみたいだ。
俺の勃起したちんぽをチラチラ見ては顔を逸らし、を繰り返している。
花梨は「わぉ」と少し驚いた声を出し、千雪さんは特に動揺した様子を見せず、ニコニコしている。
仲山は僕は何も知らないと言った風を装い、俺はもうこれからどう進めて行ったらいいか分からなくなる。
このまま何も起こらなかったら俺はただの変態だぞ。
「じゃあ、色葉ちゃん、そろそろ始めようか。勝負なんだから仕方ないよね」
うっ、とした顔で色葉はますます顔を赤くする。
だけど千雪に促されて、しぶしぶ俺の前に跪いた。
「か、感謝しなさいよね。そしてさっさとイきなさい」
「わ、わかった。早く舐めてくれ。俺もさっさと終わらせたい」
みんなに見られて恥ずかしい。
多分美羽ちゃんに一番みられるのが恥ずかしい。
他の奴ならもう少し堂々と出来たかもしれない。
色葉の鼻先にピンクの亀頭を突きつけ、色葉も覚悟を決めたように俺のちんぽを握る。
傍では花梨が美羽ちゃんに「知ってる? おちんちんをいじめると白い液を先っちょからぴゅぴゅって出すんだよ」と小さな声で説明している。
ほんとこいつはロクなことを言わない。
みんなの視線が集中するなか、色葉は亀頭を舐めようとしてためらう。
俺と一緒で視線が気になるんだろう。
だけど色葉もすぐ終わらせたいのか、ゆっくり目を瞑ると、頬を染めたままソフトクリームを舐めるようにペロリと亀頭を舐めた。
「うっ!!」
ぬるりとした感触と舌のザラザラがあたり、俺は思わず声をあげる。
だけど俺もすぐに他の連中の視線が気になり、目を瞑って耐えた。
ぺろ…ぺろ…ぺろ……。
暗い世界の中、下半身から恐ろしいほど気持ちいい信号が送られてくる。
これほどの快楽を味わったことなどない。童貞なんだから仕方ないだろう。
そして色葉もこんなことをするなんて初めてのはずだ。
「どう、お兄さん気持ちいい?」
花梨が俺や色葉の集中を乱すような言葉を投げかけてくる。
俺は目を瞑ったまま、それを無視する。
変に答えたら、色葉まで意識させてしまう。
「色葉ちゃん、おちんちんってどんな味するの?」
今度は色葉に対して質問する。
色葉もやはり無視する。
ただ、一心不乱に目を瞑って、俺の亀頭をぺろぺろ掬い上げるように舐めている。
花梨は無視されたのに懲りないのか、さらに言葉を続ける。
「答えないってことは、色葉ちゃんはそんなにおちんちん夢中なのかな。きっとすごく美味しいんだろうね」
色葉の舌の動きがゆっくりになり、舌先だけで亀頭の先っちょを戸惑うように舐めるようになった。
かなり意識している。こんな舌遣いされたら長く持たない。
他のみんながどんな目で俺たちを見ているのか気になるが、もう目は開けられない。
我慢するのが精一杯だ。
初めてのフェラで我慢するのはキツイ。ただでさえ色葉は美人なのだ。
脳裏に色葉の顔が浮かんだだけで、射精してしまいそうになる。
「うっ、くっ……」
尿道に舌先が触れ、声を漏らす。
そこをチロチロされるとやばい。
俺は少し前に出て、逃れるようにする。
するとプニッとした感触に当たった。どうやら唇に当たったらしい。
(俺のちんぽが色葉の唇をノックするなんて……)
ゾクゾクしたものが俺の背筋から這い上がり、ついに我慢の限界を迎えた。
「くっ!!」
俺は目を開けると、未だ目を瞑って亀頭をぺろぺろしていた色葉に、ぶっかけ射精を開始する。
もっとも色葉は俺のチンポを握りながらフェラしていたので、顔全体には掛からず、口元中心にぶっかけだ。
どぴゅっどぴゅっ、どぴゅうぅうううううううううううううう──!!
「えっ? えっ? きゃああ──!!」
自分の口元に何かが掛かったのを感じとり目を開けた色葉は、勢いよくちんぽの先っちょから白い液体が飛び出してきたのを見て悲鳴をあげる。
だが避ける間もなく、俺の精液は色葉の唇や顎、そして頬にかかって色葉を汚した。
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
「………」
色葉の沈黙が怖い。
出し終えた俺は気持ち良くて満足したが、色葉は自分の顔を汚されて機嫌を悪そうにしている。
花梨だけが「射精するとこ初めて見た。あんなに勢いあるんだ」とか言っていたが、
色葉の表情を見て慌てて口を噤んだ。
「色葉ちゃん、はいテイッシュ」
「………」
千雪さんが色葉にテイッシュを差し出し、色葉は無言でそれを受け取る。
そしてそのままテイッシュで汚れたところを拭きはじめた。
誰も何も言わない。
俺もいたたまれなくなって慌ててズボンを履く。
もう勝負とかどうでもいい気分だ。どっちが勝ったとか勝負を続けるとかの雰囲気じゃない。
「この勝負、おまえの勝ちだ」
俺は色葉の機嫌をとるようにいう。
3回勝負とか言ってたが、もう俺の負けでいい。
冷静になってわかったが、俺は欲望に流されてとんでもないことをしてしまった。今の状態なら真実を話せたのに。
今更言っても手遅れか。
テイッシュで拭き終わった色葉が立ち上がる。
そして無言のまま机にあった自分の鞄を持ってさっさと教室を出て行く。
俺たちはどうしようかと顔を見合わせていたが、千雪さんが俺に言った。
「芝山くん、色葉を送ってあげて。あの子もどうしたらいいか分かってないだけだから」
はいと頷き、俺も自分の机に置いてあった鞄を掴み、色葉の後を追う。
最後は雰囲気がちょっと悪くなってしまったが、俺は仲良くなる選択肢を選んで勝負をやったはずだ。
このままだと当初の目的と結果が違ったものになる。だから走って追いかけて行った。
「……どうしてこんな変態なんかと一緒に帰らないといけないの。神社に帰る頃には妊娠してそうだわ……」
「おい、聞こえてるぞ」
誰もいないどこまでも続く道で色葉は、俺の隣でぶつぶつ言う。
なんとか呼び止めることに成功した俺だったが、さっきから結構な罵声を浴びせられて、まいっていた。
俺が悪いんだから仕方ないんだけど。
それにしても変態とはひどい言い草だ。自分だってみんなの前で俺のちんぽを舐めたくせに。
「うっさい。都会で常識だって言ってもこっちでは非常識なの。私だってショックだったんだから」
「だからって変態はないだろ。変態は」
「うっさい変態」
言いかえしてくる色葉。
また少しムカっとしてくる。
「やっぱかわいくねーな。おまえは」
「悪かったわね。可愛くなくて。この変態」
こいつ!
さすがにイラっとしてくる。
だから俺は変態らしい行動をとった。俗にいうセクハラ攻撃だ。
サッ!
「きゃあ!」
隣にいる色葉の尻を撫でる。
色葉は顔を真っ赤にして俺を睨みつけた。
「何するのよ。この変態っ!」
俺はさらに変態と言われたことで、再び尻を撫でる。
色葉はスカートを押さえて、無言で涙目になった。
「おまえが変態変態いうからだ。変態って言わなきゃ触らない」
「……変態」
俺はサっと手を伸ばし、今度は色葉の胸を触ろうとする。
だけど色葉はそれを鮮やかに躱し、
そしていきなりダッシュで神社に向かって駆け出した。
「変態変態変態っ!」
大声で叫びながら走る。
俺は近くに誰もいないことに安堵しながら、それでもやめさせようと走る。
夕日の中を駆ける少年と少女。
いったい俺は何をやってるんだと思ったが、足は止まらない。
俺はただ、色葉の背中と左右に揺れるポニーテールを見て走り続ける。
そして走り出して2分ほど、ようやく色葉の腕を捕まえ、足を止めることに成功した。
だが、色葉は捕まってから暴れる。
「離して変態っ!」
「いいかげんにしろ、これ以上連呼したらキスして口を塞ぐぞ!」
俺が脅すように言うと、色葉はようやく暴れるのをやめ俺の顔をじっと見た。
「な、なんだよ?」
「知ってる? キスしたら添い遂げるって意味なんだよ。あんたそれを知ってて言ってるの?」
真剣な眼差し。
何言ってるんだ、こいつは。さっきまでおれのちんぽを舐めていただろうが。意味が分からん。この村ではキスは特別な意味をもつのか?
俺は色葉を直視できずに、顔を逸らすと
色葉は、溜息をついて口を開いた。
「やっぱり変態は変態ね。知ってるのかどうか知らないけど、ちゃんと答えれないなんて変態だわ」
馬鹿にされる。
何回変態を繰り返すんだ、こいつは。
「じゃあ、神社はそこだから私は帰るね。変態さん」
俺の手を振りほどき、背を向けて色葉は帰ろうとする。
俺は色葉の肩を捕まえると、サッとこちらに向けてキスをした。
「……っ!?」
目を見開く色葉。
突然唇を塞がれて、俺の胸を押して距離をとろうとする。
だけど、俺が色葉の背中を抱きしめるように抱いたので、色葉は抵抗をやめ目を瞑って俺を受け入れた。
「もう変態言うなよ。色葉」
「ん、変態のくせに……」
俺の腕の中で頬を染めた色葉。
俺は再び色葉のあごをもちあげ、口づけをする。
キスをしたのには深い意味はない。
ただ、無性に変態と言われ続けるのに腹を立ててたことと、このままあいつを帰らせたら負けた気分になるのが嫌だっただけだ。
それにもう俺のちんぽを舐めたんだし、いいだろ。賽も投げられたことだし……。
俺は色葉の唇からそっと唇を離す。
「そういえば浩介って最初から私の名前を呼び捨てだったわよね」
「おまえも呼び捨てで今言ってるじゃねぇか」
俺の顔を見上げる色葉。目が少しうるんでいる。
「責任とってくれるんだよね?」
「……仲良くなってから考える」
「最低ね」
「おまえが仲良くしてくれなきゃ責任取りようがないからな」
「………」
クルリと背を向けた色葉。
俺が無言で見つめると、色葉は少し俯いたような姿勢をみせ、そして次の瞬間決意したように言った。
「浩介、また明日ね」
振り向いた横顔はとても可愛らしい笑顔だった。
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- 2013/11/17(日) 00:00:01|
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