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16 初めてのセックス

「奈々、身体は大丈夫か?」
「うん、心配かけてごめんね。ちょっと頭が痛いのと眩暈がしたから休んだの。
  私は行こうとしたんだけど、渚ちゃんが休んだ方がいいからって無理やり」
「そっか。まあ風邪じゃなくてよかったよ。」
「うん、勇太ありがとう」

寮に帰ると俺はおかゆを作って奈々の部屋に行った。
奈々は起きていたらしく、すぐにパタパタとスリッパの音が聞こえピンクのパジャマ姿の奈々が、俺を笑顔で招き入れてくれた。

「……なんか少しお酒臭いな」
「あっ、それは玉子酒のせいかも。渚ちゃんが作ってくれたんだ。」
「そうなのか」

テーブルを見る。
そこにはお粥を食べた後と思われる茶碗とコップが置いてあった。
うーん、俺。お粥を作ってきたけどこれだったら無駄だったかな。確かめずお粥を作ってきて失敗だった。それにしても玉子酒か。俺はそんなの誰にも作ってもらったことないな。

上下お揃いのピンクのパジャマ姿の奈々を見る。

昨日の夜、呼びかけても部屋から出てこなかったのは、頭が痛くて寝ていたとは思わなかった。
出てこれないほどしんどかったなんて……。

俺は少し疑問を持ちながらも、持ってきたお粥にじっと視線を送る奈々にベッドで横になるように促す。

「奈々、まだ本調子じゃないんだろ。少し休んでろ」
「でもお粥持って来てくれたんでしょ。私、それ食べたいな~」

にっこり笑って奈々が甘えるように俺の腕に絡みつく。

そういえば昔から病気になった時は俺にここぞとばかり甘えてたな、と苦笑いすると、
俺は奈々と一緒にテーブルの前に座り、無理して言ってる可能性も考慮して少しだけお椀によそってやる。

「んー、もっと入れて」
「本当に大丈夫なのか? 俺に気を遣わなくていいんだぞ。昨日も俺の呼びかけに気付かないほどしんどかったみたいだし」

奈々の言う通り、もう少しだけお粥をよそってやりながら奈々の顔を見る。

「勇太、部屋に来てくれたんだ。ごめんね。私、昨日のこと覚えてないの。とにかく頭が痛くってずっと寝てたから。
   目が覚めるまで渚ちゃんにずっと傍にいてもらってたみたいだし。」
「そんなに悪かったのか。医者に診てもらったか?」

俺は心配気な声を出す。

「それはまだかな。とにかく渚ちゃんが様子を見たほうがいいって言うし熱とかもないみたいだしね。でも明日、見てもらうようにするよ。
  勇太も心配してくれたみたいだし……」

もじもじとする奈々。顔が少し赤い。

「そ、そうか。それなら安心だな」

俺も明日えっちすることを思いだし、意識してしまう。
以前ならこんなことで意識することなんて有り得なかったんだが、
やっぱり女として見ると駄目なんだなと奈々の顔から視線を逸らす。
だが、どうしても気になってしまう。
奈々の顔もそうだが、身体つき。特に胸に視線が行くのが止められない。

奈々は知っての通り巨乳だ。
パジャマ越しとはいえ、そのボリュームは服の上からでもはっきり分かってしまい、思わず唾を呑みこんでしまいそうだ。

「勇太くん?」

スプーンを片手に持った奈々が不思議そうに俺の顔を見る。
いつもと違う俺の視線に気付いたのだろうか。
少し首を傾げている。

「いや、なんでもないんだ。決して奈々の胸なんて見てないぞ!」
「むー、勇太くんのえっち!」

慌てて奈々が自分の胸を両手で隠す。でもどこか嬉しそうだ。顔が前より赤くなっている。
もしかしたら奈々も俺とえっちすることを想像したのかもしれない。
急に俺も恥ずかしくなってきた。

黙ってたらなんか変な空気になりそうなので話題を変える。

「でも昨日の事を覚えてないってことは、ひょっとして記憶とかも飛んじゃってるのか?」
「う~ん…、朝のことは憶えてるんだけど、昼以降に何があったのか覚えてないの。気づいたらベッドで寝てて、渚ちゃんが傍にいたって感じだったから」
「渚には何か知ってないか聞いてみたのか?」
「うん、渚ちゃんは昼に私が気分が悪くなって、ずっと寝てたって言ってたから、そうなのかなって。変な夢も見てた気がするんだけど」
「変な夢?」

奈々に聞き返す。

「なんて言ったらいいかな。頭がぽや~として気持ちがよくなった夢かな。内容は思い出せないんだけどね」

少し照れた様子で奈々は微笑む。
まあ思い出せないのなら仕方がない。それに夢の内容を朝起きたら忘れてるなんてよくあることだしな。

俺は奈々がお粥を食べるのを黙って見守るのだった。





次の日。
俺は奈々と一緒に手を繋いで学園に向かう。今日は奈々の大事な初体験の日だ。
今日ばかりは少し緊張しているのか奈々も少しぎこちない。
経験豊富になった俺も今日はかなり緊張している。
やはり奈々は俺にとって特別のようだ。
というか、今までの作業セックスが異常なんだし、なんだかある意味初めて心が通じ合ったセックスになりそうだ。

ちなみに桜は同行していない。俺が強く桜に言って2人だけですることを決めたからだ。
あいつがいたらセックス中、余計な茶々を入れてきそうだし、何よりもこのセックスは2人だけの思い出にしたい。邪魔されたくなかったのだ。

春の陽気に誘われて、モンシロチョウが白い羽をひらひらさせて飛んでいる。
彼らにとって春は恋の季節であり、発情まっさかりなのだ。
気に入った相手に出会えれば、交尾をし、子孫を残していくのだろう。

(なんかもう三か月くらい過ぎた感じだよな……)

この島に来てからまだ9日程度。
色々あって1日1日を中学時代よりかなり濃密に過ごした気がする。
隣の奈々にとっても毎日はかなり大変だったんじゃないだろうか。
家事全般を自分でしなければならないし、もう怒ったり笑ったりで忙しかったはずだ。

ふと、隣を見ると、少し背の低い奈々が俺を見上げてニッコリ微笑む。
やっぱり奈々は癒されるな。昨日の俺の悩みが薄らと消えていくようだ。
なんていうか、元気になって困難な出来事に立ち向かっていけるような活力が湧いてくる。
後ろでチアガールの格好をして黄色いポンポンを振って応援してくれてるようなものだ。
やはり奈々は俺の隣にいてほしいと強く思う。かけがえのない存在だ。


俺は奈々とまるで恋人のように登校し、東校舎の無人の教室に入る。
ここは3階の端にある教室なので誰もやってこない。

「奈々……」

俺は奈々と向き合い、ゆっくりと抱き寄せてキスをする。
唇がそっと触れ合うような甘い甘いキスだ。

「勇太くん……」

頬を赤らめトロンとした表情で奈々が俺の胸に身体を預ける。
こんな奈々を見るのは初めてだ。否応なく俺の鼓動がどんどん高まっていく。
俺は奈々の両肩に手を置くと、ゆっくりと制服を脱がせていく。

セーラ服、そしてスカートへと。

奈々の白い下着に包まれた魅惑的な身体が露わになり俺は頭が真っ白になりそうになる。

もう言葉を発せられない。
互いに魅入られ、俺はゆっくりと白いブラジャーに手をかけホックを外す。

「んっ……」

ついに姿を現した奈々の巨乳。
その美しさをなんと表現していいものだろうか。
白い大きなメロンが、ドン!と俺の前にふたつ並べられたようなものだ。
形のいい柔らかそうなそれは、真ん中に薄いピンクの突起物を見せて俺の心を奪い、動きまでも狂わしていく。

むにゅっ。

思わず鷲掴みしてしまった。
奈々が、恥ずかしそうに顔を俯ける。
でも嫌がっていない。
俺はそのままゆっくり揉む。

むにゅむにゅっ。

信じられないくらいの柔らかさだ。
こうやって揉んでみると、見た目以上に柔らかいので頬が緩みそうになる。
柔肌が俺の指を押し返し、素晴らしい弾力を伝えてくる。
このおっぱいは俺が最初に揉んだ男なのだ。

「んぅ……勇太のえっち」

胸を揉み続ける俺に奈々が少し怒った風に見つめてくる。
でも照れているだけみたいだ。可愛らしい。

俺は経験だけは豊富だったので、てんばらずに上着を脱いで床に自分の制服を敷く。

「奈々、俺の制服の上に寝転んで」
「うん」

奈々が胸を片手で隠しながら少し緊張した様子でゆっくりと仰向けに寝転んだ。
俺はズボンとパンツを脱いで勃起したちんぽを奈々の前に晒す。奈々は俺のアレを見て少し目を大きくしたが、それでもすぐに微笑んだ。
ここがやっぱり他の女の子と違うなと俺は安堵し、ゆっくりと奈々のパンツを脱がせていく。

ドキドキする。
奈々の幼いアソコが露わになり、俺の緊張はピークに達する。
奈々のアソコはほとんど無毛だった。でもアソコはすでに淫らな液を出している。
それはすでに経験済みのようで、俺はそのありえない想像を慌てて打ち消す。

「身体から力を抜いて。入れるから……」

奈々が足から力を抜き俺は左右に開くと、小さいながらも勃起したちんぽを挿入していく。
痛みを覚えないようにいつもより時間を掛けて入れていく。

「痛くないか……?」
気遣いながら言う。
「うん…、大丈夫。全然痛くないよ」
笑顔で言う奈々。
「そ、そうか」

痛みを感じないことに若干違和感を覚えたが、俺のチンポは人より小さいらしいし、他の女の子も痛がってなかったことを思い出す。
俺はゆっくりと腰を動かし始めた。

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・

「はぁはぁ、痛くないか?」
「うん、痛くないからもっと激しくしてもいいよ」

腰を振り続ける俺。
奈々の中は気持ちいい。
気持ちが通じ合ってるというか、ちゃんとしたセックスがこんなに気持ちいいものだと知らなかった。
俺は初めての奈々を気持ちよくさせようと頑張るのだが、経験はあってもテクニックはない俺ではなかなか気持ちよくなってくれないようだ。なんか奈々の方が余裕がある。
焦れば焦るほど無駄に腰の動きだけ速くなり俺の我慢は限界一杯になった。

「もうそろそろ出そう? 出したいときにいっぱい出してね」
「あ、ああ。」

身体の下の奈々が逆に俺をリードし、俺を絶頂に導こうとしている。
心なしか俺の腰にリズムを合わせてくれてる気がする。
なんだが少し複雑な気持ちになったが、こみあがってくる快楽には抗えない。

俺は腰の振りを激しくすると、奈々にしがみついて短く言った。

「奈々出すぞっ!」
「うん。きて……」

どびゅっ、びゅっ、びゅうぅうううううううううぅぅ──!

奈々の中に腰を震わせて精液を注ぎ込む。
ついに完全に一線を越えた。
ずっと一緒だった家族みたいな奈々の中にゲームとはいえ精液を出したのだ。
これからの関係はどうなるか分からないけど悪いことになることはないだろう。きっとよりよい関係になるはず。

俺は出し終えると、射精に驚いているのか少し呆然とした奈々に微笑みかけるのだった。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


目覚めたときは午前10時くらいだった。
ベッドの脇に渚ちゃんがいて、私が目を開けると、そのまま寝てるようにいう。
頭がすごくガンガンして昨日のことをよく思い出せない。起き上がろうとすると、ズキンと頭が痛んだ。

「ねぇ渚ちゃん。なんで私の部屋にいるの?」

今日は授業があるはずだ。渚ちゃんが私の部屋にいるってことは何かあったに違いない。
そもそも私はいつから寝てたんだろう。学校に行かないと。

「えっと奈々ちゃんは、昨日の事を覚えてないんですか?」
「うん、ちょっと頭が痛くて……どうしてだろう。全然覚えてないよ……」
「そうなんですか。」

恐る恐る言った渚ちゃんが、私の答えを聞いてホッとしたように顔を緩ませた。

何か隠してる?

なんだかそんな風に感じる。
私の記憶がないことといい、それが関係しているんだろうか?
私が、渚ちゃんの顔を見ると、渚ちゃんはすぐに質問に答えてくれた。

「奈々ちゃんは昨日、登校中に眩暈を起こして倒れたんですよ。私と桜さんですぐに部屋に運び込んで看病してたんです。
  夜も目を覚まさないし、多分色々あったから奈々ちゃんも疲れてたんだと思います。」
「そうなんだ……。心配かけてごめんね。」

上半身を起こしてペコリと頭を下げる。いつのまにかパジャマにも着替えさせられている。

「お腹減ってるでしょう。すぐにお粥を持ってきますね。」
「えっ、大丈夫だよ。もう元気だし」

ベッドから出ようとすると、渚ちゃんはすぐに私を止めた。

「いいから休んでいてください。桜さんにも今日は奈々ちゃんを休ませるように言われてます。
  昨日の今日で無理しちゃいけませんからね」

渚ちゃんはそう強く言うと、すぐに台所へお粥を取りに行った。

私は、ズキンズキン痛む頭を休めるため、素直にベッドに身体を横たえる。

いくら考えても昨日の事を思い出せない。
今まで眩暈を起こして倒れたことなんてなかったのに、やっぱり疲れてたんだろうか。
慣れない寮暮らしの上に、勇太くんのことで……。

そこまで考えて、私は考えるのを中断する。
渚ちゃんがお盆の上にお粥と、玉子酒を持って来てくれたからだ。
どうして玉子酒と思ったけど、もしかしたら私が風邪を引いてると疑ってるのかもしれないと、感謝して全部飲んだ。
風邪が他の人に移ったら迷惑だもんね。


夕方、退屈してたところで勇太くんがやってきた。
彼は心配そうな顔で私を気遣ってくれるので心配かけないよう笑顔で話す。

「奈々、まだ本調子じゃないんだろ。まだ少し休んでろ」
「でもお粥持って来てくれたんでしょ。私、それ食べたいな~」

彼に甘える。こういうときの勇太くんはとことん私に甘い。
大抵のわがままなら聞いてくれる。
私は調子に乗ってあ~んをしてもらう。

勇太くんは苦笑いしながらお粥をすくったスプーンを口元に運んでくれた。

彼の顔。
彼の声。
彼の仕草。

やっぱり私は勇太くんのことが大好きだ。
彼の顔をじっと見つめていたくなる。

「でも昨日の事を覚えてないってことは、ひょっとして記憶とかも飛んじゃってるのか?」
「う~ん…、朝のことは憶えてるんだけど、昼以降に何があったのか覚えてないの。気づいたらベッドで寝てて、渚ちゃんが傍にいたって感じだったから」
「渚には何か知ってないか聞いてみたのか?」
「うん、渚ちゃんは昼に私が気分が悪くなって、ずっと寝てたって言ってたから、そうなのかなって。変な夢も見てた気がするんだけど」
「変な夢?」

言われてなんだかふわふわした夢を見ていたことを思い出す。
すごく気持ち良くて楽しい夢。ずっと見ていたい夢。

でも思い出せない。
こういう楽しい夢は起きたら忘れていることが多いから残念。


私は勇太くんと沢山お喋りをし、眠るまで一緒にいてもらったのだった。



次の日の早朝。
私は勇太くんと手を繋いで寮を出た。

今日は勇太くんと初めてのえっち。
朝からドキドキが止まらない。
でも不安はない。だって相手は私の勇太くんだからだ。
私は嬉しくなって繋いだ手をぶんぶん振って子供みたいに登校する。
昨日から勇太くんはすごく優しかったし、頭痛もなく気分もいい。

学園に着くと、私は勇太くんに連れられて無人の教室に来た。

どうやらここで私は勇太くんと結ばれるらしい。
自然と赤くなる顔。すごく興奮する。

「勇太くん……」

私は勇太くんと夢にまで見た甘いキスをし、服を脱がされていく。
そしてたちまちほぼ全裸にされ、教室の床に寝転ばされる。

なんか勇太くん余裕がある。
女の子の扱いに慣れている。
やっぱり経験豊富なんだなと少し悔しい気持ちになる。

私の股が開かれ、勇太くんが中に入ってくる。
痛みを感じると思ったけど、何も感じない。小さな指が入ってきたような感触だけ。

「痛くないか……?」
「うん…、大丈夫。全然痛くないよ」

笑顔で勇太くんに顔を向ける。

「そ、そうか」

彼はそれを聞くと腰をゆっくり振りはじめた。




(これがセックス……)

勇太くんが一生懸命腰を振りはじめてから数分経った。
私の上に覆いかぶさったり、胸を揉んだりとかなり頑張ってる。

頑張ってると感じるのは、私がそれほど気持ちよくなってないせいだろうか。
膣の中におちんちんが入ってるのは分かるのだが、それは私を満足させていない。
不満が芽生えてくる。嬉しいはずなのに、あまり気持ちよくない。ふわふわしたあの夢のように気持ちよくない。

勇太くんが苦しそうに腰を振るので、彼に無理しないように言ってあげる。

「もうそろそろ出そう? 出したいときにいっぱい出してね」

彼が満足なら私も幸せだ。
例え気持ち良くなくても私は満足になるはずなのだ。

「奈々出すぞっ!」
「うん。きて……」

どびゅっ、びゅっ、びゅうぅうううううううううぅぅ──!

私の中に彼が射精した。なんとも味気のないセックスの終わり。
幸せになると思ったのに感じたのは不満と失望だけ。
彼の満足そうな顔を見てると幸せが湧いてきたが、どうしても不満が渦巻いて消えない。

それは彼にとって私が最初の相手ではないだろうからか?

荒い息を吐く彼を見上げ、私はふと考えてしまった。

違う。このおちんちんじゃないと。












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  1. 2013/05/14(火) 18:50:07|
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ntr属性なのに超純愛ゲーをやって自己嫌悪になった男。リハビリのために小説を書いてます。
ほぼ賢者モードで書いてるので期待しないでください。

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