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モブの植木鉢小説館

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24話──現実──

「信也、大丈夫か?」
「ああ……」

山田がよろよろと、床に座り込んだ信也の前でしゃがみこむ。

「出血がひどいな。すぐに治療しないと」
「それなら大丈夫だ。出血で派手に見えるが、そこまで傷は深くない。それより優斗を見てくれ。あいつピクリともしないんだ」
「わかった」

山田は信也を床に寝かせると、すぐに壁の横で仰向けに近い恰好で倒れている優斗の元へ向かう。

「優斗?」

山田の声に何の反応も示さない優斗。
まさかと思い、胸に顔を当てると、ちゃんと心臓は動いている。
どうやら気絶しているらしい。

山田はホッと息を吐くと、信也と同じようにきちんと仰向けに寝かせて、信也の元に戻った。

「優斗は気絶しているだけだ。それより他の部員たちはどこにいった?」
「あいつらなら、仲間を助け起こして逃げて行ったよ。おまえらの血みどろの殴り合いを見てびびってたからな。もう戻って来ないと思う」
「そうか」

山田が鼻血を拭きながら、信也の予備の武器を入れた鞄から包帯を取り出し、それを信也の身体に巻こうとする。
だが、信也はそれを押しとどめて上半身を起こした。

「包帯くらいは自分で巻ける。それより真紀ちゃんを助けに行ってやれ。おまえを待っている」

でも……と言いかけて山田は頷く。

そうだ。目的を忘れてはいけない。
ここで自分が真紀を助けなければ、全てが無駄になるのだ。

山田は立ち上がると、床でグッタリしている翔の元に向かう。

殺してはいない。
だが、イケメンだった面影も、もはやない。
歯は折れ、鼻血を出し、顔が腫れ上がって真っ赤になっている。

誰もこの男が翔だとは気づかないだろう。

山田は翔のズボンのポケットを漁り、隣の部屋の鍵を取ると
後ろを振り返って包帯を巻く信也の姿を確かめ、1人で隣の部屋の鍵を開けた。




考えてみたらおかしいと気づくべきだったのかもしれない。
これだけ大きな物音や大声を出して戦っていたのに、隣の部屋から誰も出てこなかったのを。

山田が入った部屋は誰もいない映画館のような暗いシアタールーム。

その巨大なスクリーンに、複数のウエディングドレスを着た少女と全裸の少年の交わりが映っている。

「真紀っ! それにティアナちゃんと千夏ちゃん!」

布団の上で四つん這いになっていたのは予想外にも真紀たち少女3人。

その少女たちは、たくましい身体をした男たちに腰をぱんぱん!と叩きつけられている。

「ま、真紀……」

呆然と山田が目を見開きスクリーンの前で立ち尽くす。

この部屋は行き止まりだ。
他にどこにも通じる場所はない。
つまり真紀はこのVIPルームにはいないのだ。

「あっ、あん、あっ、ぁんっ」

まるでリアルで見ているような激しい交尾を見せつけられ山田は絶句する。
真紀の乳首が抓られて形を醜く変え、お尻が絶えず男に突かれてバウンドする。
荒い息遣いがスピーカーを通じて大音量で山田に届けられ、そのあまりの生々しさに山田は持っていた木刀をカランと絨毯に落とした。

「どうだ。俺の子を産みたいか! 真紀俺の子を産みたいかっ!」
「産みたいっ! 産みたいです。早く真紀を孕ませて!孕ませて───!!」

汗だくになり、わき目も振らず子作りに没頭する真紀と見知らぬ男。
真紀の表情は今まで見たことのないような淫欲に溺れた顔をしており、はぁはぁと舌を出して種付けをねだっている。


嘘だ……。
あんなのは真紀じゃない。

山田は夢遊病者のようにスクリーン前で呟く。


しかし現実は巨大なスクリーンにあますことなく映され続ける。


両手を馬の手綱ように後ろに引っ張られて、犬のように交尾する真紀。
ウエディングドレスからはみ出たおっぱいが激しくぶるんぶるんと揺れて、喘ぎ声が大きく響く。
肌に浮かぶ汗が、場の熱気を伝え、真紀の後ろで腰を振る男がニタニタと口元を歪めながら「絶対に孕ませてやるからなぁ~」と何度も呟いている。
パンパン!という尻肉の音が絶えず背後を流れるBGMのように耳に残り、男の腰の振りが機関銃のように速くなり始めた。










「どうだ。俺の子を産みたいか! 真紀俺の子を産みたいかっ!」
「産みたいっ! 産みたいです。早く真紀を孕ませて!孕ませて───!!」

監督と目の前の少女がカメラの前で、子作り宣言をした。
「絶対に孕ませてやるからなぁ~」と呟く監督がいったいどのような種付けをするのか助監督は固唾を呑みこんで見守る。

監督の腰は激しく、誰の目にも射精が近いことを悟らせる。
しかし普通の射精では誰も納得はしない。
これは記念すべき女優の真紀のデビュー作の最後のシーンなのだ。
ただの射精なら新人類の視聴者を満足させないのだ。

「胤汁を出すぞっ!真紀っ!」

「えっ……」

部屋にいる誰もが驚く。

胤汁とは新人類が生涯3度程度しか出せないとされる強力な孕ませ汁である。
妊娠確率が約90%と高いが、3度以上出すと死亡確率が跳ね上がることから出すのはリスクが伴う。
胤汁を使って交尾するのは、愛するカップルがどうしても子供を欲しいときが圧倒的なのである。

だから聞き間違いかと思ったのだ。


しかし、監督は再び大きな声で部屋にいる誰にでも聞こえるように叫ぶ。

「真紀、俺の胤汁で孕ませてやる。いいなっ!」
「だ、だめ。そんなのだめ! 胤汁出されたら受精しちゃう! 赤ちゃん授かっちゃうぅ……!!」

胤汁と聞いて、逃れるようにポニーテルを左右に振って嫌がりはじめた真紀。
夢から醒めたように身体をくねらせる。

断っておくが新人類が名前も知らない男の、子を産むのは当たり前である。
性欲が非常に強くなかなか妊娠しない彼らが、セックスをスポーツ感覚でやってるためである。

だが真紀の場合は違う。
彼女は、恋を知り一時は山田しか身体を許さず、特定の誰かの子しか産みたくないと願った。
つまり普通の新人類とは少し違うのである。

確かに彼女は山田の浮気がきっかけで他の男子と身体を重ねた。
だがそれはあくまでも妊娠しないだろうという前提があってからこそのセックスである。
ティアナは大浴場で妊娠するかもと懸念したが、真紀はあれくらいで妊娠するとは思っていなかった。それほどまでに新人類の妊娠確率は低いのである。

口では孕ませてとか妊娠させてとか言っても、それは自分の欲を高めるために言ってるだけだったのだ。

それが胤汁という新人類の男が生涯3度しか出せない強力な精子で自分を確実に孕ませると言われれば、
真紀が抵抗するのも無理はないだろう。

「この、この、この──!!」

真紀を拘束するように両手首をしっかり後ろに引っ張り、お尻を突きまくるAV監督。
勃起ちんぽは、真紀にしっかり刺さり、ちょっとやそっとでは抜けない。

「ほ、本気なんですか。監督?」という助監督の視線にもまるで反応せず、
真紀との子作り交尾に没頭する。

ジュブジュブジュブ……。

ヒダがカリの部分に絡みつく。
「だめ!いや!出さないで!」と真紀が叫ぶものの、身体はその言葉とは裏腹に胤汁を欲するように真紀の尻をより卑猥にくねらせる。
監督もそれに答えるように腰を巧みに前後に振らせた。


ゴクリと唾を飲み込む部員たち。
今まで胤汁を出すシーンなど目にしたことなどない。
男優たちでさえ、腰の振りを緩め、監督と真紀の交尾を凝視している。
自分たちは今、一生で一度見れるか見れないかの神聖な新人類の胤付けを目撃しようとしているのだ。

「だすぞだすぞ。俺の胤汁で孕めよ!妊娠確率90%だぞっ!」
「あ、ああっ──!!出しちゃだめええええええ!!」

涎を垂らしながら監督は腰をさらに激しくし、真紀が身体をガクガクと揺らしながら叫ぶ。

別の部屋で山田がスクリーンに爪を立てながら「やめろぉおおおお!!」と断末魔のような叫び声をあげているのだが、
当然その声は監督たちに届くことはない。

ぶらんぶらんと揺れる乳房の動きが頂点に達したとき、真紀と監督の動きがついにシンクロして、勃起ちんぽが真紀の子宮に突き刺さった。

「でるぅうううううううぅぅぅ───!!」
「イクぅうううううううううぅ──!!

監督と真紀の同時イキ。
子供が出来る瞬間である。

どぴゅっ!どぴゅうぅぅうううううううぅぅぅ───!!

ついに新人類が生涯3度しか放てぬと言われる胤汁が真紀の子宮に残酷に放たれ、真紀はこの瞬間、母となった。

ぷしゅううううう──!!

真紀の美しい乳首から母乳が噴き出す。
新人類は妊娠と同時に、それを証明するがごとく母乳を噴き出すのだ。

「おお!!」
「やったっ!!」

室内から歓声があがり、真紀が孕んだことを部員たちが喜ぶ。

新人類は、妊娠したその時から母乳を出す。
旧人類とは違い、ホルモンバランスや身体の構造が多少違うというものもあるが、妊娠期間が短いというのが大きな理由である。
新人類は妊娠すると1か月くらいからお腹が目に見えて大きくなり、3か月目には立派なボテ腹になる。
そして妊娠して半年ほどで子供が生まれるのだ。

妊娠しにくいのが悩みの新人類だが、一度妊娠してしまえばあとは早いのである。


ピューといまだに止まらない真紀の母乳。
真紀の瑞々しい肢体が痙攣している。
声を震わせ「赤ちゃん出来ちゃった。翔先輩じゃなくAV監督に孕まされちゃった……」と悲しそうに言っている。

監督といえば、苦悶の表情を浮かべながら、まだ腰をお尻に深く押し付けて胤汁を出している。
真紀の手首を離さず、手綱を引き絞るように後ろに引っ張って、妊娠しているのにも関わらず、まだ妊娠させようとするようだ。

ざわつきがおさまらない室内。
カメラで一部始終をしっかり撮ったが、これほどの交尾を見せられては、千夏とティアナの交尾がどうしても劣る。

腰をふりながら、男優たちは指示を求める。

助監督はこの傑作を駄作にしないためにカンペで指示を出す。

千夏とティアナを胤汁で孕ませろと。









スクリーンに映し出された光景に山田は大きな叫び声をあげていた。
この場には真紀はいない。早く探しに行かなきゃと頭で理解していても、どうしても目の前の光景から目を離せず動けなかった。
自分の愛する真紀が他の男の、子を孕んだのを大スクリーンで見せられ、スクリーンに爪を立てて真紀の名を叫ぶも、何も変わらない。

気絶から目覚めた優斗が、怪我を負った信也に肩を貸しながら部屋に入ってきたときも、それを気づかず泣き叫んでいた。
山田も新人類でありながら愛に目覚めた男であったということなのだ。
たとえ愛する真紀が、他の男の名を呼んでいたとしても。

「山田……」

スクリーンにチラリと目をやった優斗と信也が全てを察したように小さくつぶやき唇を噛む。

自分たちは失敗した。
見れば真紀だけでなく、ティアナと千夏も撮影されている。
恐らくこの部屋ではなくどこか別の場所で撮影されているのだろう。
借りる部屋がひとつという先入観が、自分たちを失敗に追いやったのだ。

「ごめん。ティアナちゃん千夏ちゃん」

スクリーンにはティアナと千夏が筋肉質の男優たちに今まさに種付けされそうになっているシーンが映っていた。
バックで尻をズコズコ突きまくられ、嬌声をあげてイキそうになっている。

なぜここにいるのかはともかく、今からではもう間に合わない。
あと1分以内に交尾はクライマックスを迎えるだろう。
それにこのシーンはすでに撮られている可能性もある。

優斗と信也は黙ったままスクリーンを見上げる。

「おおおおお!! 俺も胤汁を出すぞっ!! 千夏ちゃん元気な子を産んでくれっ!!」
「ああああああ。イッちゃうぅうううううぅぅぅぅ──!!」

茶色のショートボブの千夏が、手首を後ろに引っ張られてエビ反りのように背を逸らした。

最後の一突きで、ぷるん♥と乳房がぷりんのように揺れる。


そして……。


どぴゅううううううぅぅぅぅうううううううぅぅぅ───!!


男優が顔を真っ赤にして千夏を孕ませた。
宙を舞う白い母乳。
弾けた乳房から絶え間なく母乳が噴きだし、千夏は「イクぅうううううう──!」と声を枯らして叫ぶ。

真紀に続いて千夏までも孕まされたのだ。







「真紀ちゃんと千夏ちゃんがママになっちゃったよ。ティアナちゃんもすぐに孕ませてあげるからね」
「あっ、あぁっ、あっ、あっ、あっ」

最後の一人ティアナを犯す男優が、真紀と千夏が横で母乳を噴き出しているのを横目で見ながら興奮して言う。
貴重な胤汁だが、あんなものを見せられては自分だけ出さないわけにはいかない。
ティアナも孕ませて最高傑作を作るのだと覚悟を決めている。

胤汁が子種袋の底からマグマのようにあがってくる。
この熱くてドロリとした胤汁を子宮に送り込めば、すぐにティアナも母乳を出して孕むだろう。
自分が父親となりティアナが母親となる。ウエディングドレスを着たティアナが大きな妊娠腹になるのを想像して、口元を歪める。

そしてティアナといえば、かろうじて残るまともな意識で真紀と千夏が妊娠したことを知った。
止められなかったことは悔やむが、自分もそれどころではない。
おちんちんに膣内を擦られ、子宮がきゅんきゅんして快楽に意識まで完全に支配されそうになっている。

自分を犯す男優が、危険な胤汁を自分の子宮に仕込もうとしているのを感じて、
ティアナはなんとか逃れようと潰れそうになる意識をフル回転させて考える。

(あれしかない……)

亀頭に子宮口を激しくノックされながらティアナは、奇跡的に逃れる方法を思いついた。
これはとても危険な方法なのだが、おちんちんには勝てそうにないティアナが必死で思いついた方法なのだ。
これに賭けるしかない。

自分の膣内で勃起ちんぽがより大きくなっている。

出しそうだ。とても危険な孕ませ汁を。

ティアナはかろうじて意識を繋ぎ止めながら、喘ぎ声をあげてその時を待つ。

ぬちゃぬちゃと膣内を出入りする勃起ちんぽが、深い突きになり忙しなくなってきた。

(出そうっ!!)

その瞬間ティアナの予想は当たった。

男優が雄叫びをあげながら、ティアナの子宮口に亀頭をしっかり押し付けたのだ。

「孕めえええええええええええええ!!」


(ここしかないっ!)


ティアナは魔法の存在がばれることを覚悟して、魔力を発動させる。
胤汁を受けてしまえば、いかにティアナといえど孕んでしまう可能性が高い。
愛する人の子ならともかく、見ず知らずの新人類の子を孕むなど死より避けねばならないのだ。

「いけええええええ!!」

どぴゅうぅぅううううううぅぅ──────!!

胤汁がついに亀頭から子宮に向けて放たれた。
その瞬間、ティアナは小さく呟く。

「性魔術発動!魔力変換!」

この魔法は男の精液を魔力に変換し、自分の胎内に吸収する魔法である。
異世界で水の巫女をやっていたティアナだからこそ使える水系統に属する魔法で、一生使うことはないだろうとも思っていた魔法でもある。
まさか異世界で使うことになるとは思わなかったが、このピンチを乗り越えるにはこの魔法以外ない。


子宮の入り口で発生した淡い光が、胤汁に触れると次々と魔力へと変換していく。
しかしこれはただの精液ではなく、胤汁である。その濃度と量は普通の精液の比ではない。

魔力にどんどん変換するものの、変換しきれずに少しずつ奥へ、卵子へと胤汁が近づいて行く。

(んっ、んんっ……だめ……このままじゃ……)

自分が母となり、赤ん坊を抱いている姿を想像し、ティアナは甲高いメスの鳴き声を放つ。
それを合図にしたように男がさらに胤汁を出す勢いを強める。

絶体絶命。

もはやこれまでかと思ったとき、奇跡は起きた。
なんと、急に建物に爆発音がなり、グラグラと揺れ始めたからである。

「な、なんだ!?」「まさか、あいつらの仕業か!?」

動揺し、子作りが中断する室内。

その隙にティアナはなんとかちんぽを膣内からヌルリと抜いて魔力変換を強める。

真紀と千夏は孕んだが、ティアナはなんとか妊娠を免れた。















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  1. 2013/09/08(日) 00:00:01|
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Author:モブGR
ntr属性なのに超純愛ゲーをやって自己嫌悪になった男。リハビリのために小説を書いてます。
ほぼ賢者モードで書いてるので期待しないでください。

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