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モブの植木鉢小説館

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2話 学校

「ふーん、ほとんど引っ越しの片づけは終わってるんだね」
「ああ、今日も朝から頑張ったからな」

家の2階にある俺の部屋に入った花梨がきょろきょろしながら興味深そうに言った。
男の部屋が珍しいのか?
ああ、そういやこの村には同世代の男がいないんだっけ。
というか、俺も自分の部屋に女の子を入れるのは初めてだった。しかもこんな可愛い少女を。

急に頬の熱があがり、俺は花梨に動揺しているところを見られたくなくて、平静を装って声を出す。

「花梨、飲み物持ってくるけど、オレンジジュースでいいか?」
「ん、いいよ。冷えたやつをいっぱいね」
「はいはい」

年上ぶって階段をトントン下りるが、心臓はどきどきだ。
家で遊ぶって言っちゃったけど、何をして遊んでいいのかわかんねぇぞ。
冷蔵庫からオレンジジュースと氷をガラスのコップに入れながら、部屋に何があったか思いだす。

漫画……。
いやテレビゲームの方がいいか。対戦ゲームがひとつしかないけど。

お盆にジュースの入ったコップを乗せて部屋に戻ると、花梨が俺のベッドの下をガサゴソといじっていた。

「……おい。何をしている?」
「いや、男の子ってえっちな本を隠してるっていうじゃない。だからどこにあるのかなーって」

あまりにもべたな展開に笑ってしまいそうになる。
漫画かアニメの話か。これは。

悪びれもせず、花梨はお盆からコップをサッと取ると、床に座ってオレンジジュースを飲む。
別におかしいところはないんだけどエロくみえる。
白いTシャツにジーパン姿の健康的なスタイルなんだが、白い喉がコクコク動くのでそう見えるだけなのかもしれない。

じっと見てたらその視線が花梨にばれそうで、俺も床に座ると、目を逸らしてジュースを飲む。
冷えたジュースは美味しい。
そしてジュースを飲み終えると、花梨は俺に色んな話を聞いてくる。
具体的には都会の話だ。
やっぱり憧れみたいなのがあるのだろうか。
俺が花梨のことについて訊いてみると、花梨は生まれたときからこの村にいるらしい。

「都会とか憧れあるのか?」
「んー、憧れはないけど気にはなるかな。この村には出て行く人ばっかりで入ってくる人はいないしさ」

過疎が進む村だというのだろうか。
過酷な村の現実の一端が見えてくるようだ。

「だから転校生が2人も来るって分かった時、村の人も喜んだんだよ。久しぶりに若い人が来るって」
「そっか……」

俺がテーブルにコップを置くと、カランとコップの中の氷が音を立てた。
なんかこんな話をしてると寂しい気持ちになるな。

「それよりさ。えっちな本どこに隠してあるの?」
「は? いや、そんなのないぞ」
「えー、男の子って隠してあったりするんでしょ。お母さんが言ってたよ。男の子は部屋に隠してるって」

こいつはいったい家でどんな会話をしてるんだ。
そう思いつつ、俺は本当にないことを伝える。
エロ画像はネットから収集するのだ。本なんかわざわざ買わない。
もちろんそこまでは言わないが。

「そうなんだ。なんかちょっとがっかり。せっかく見れると思ったのに」
「変な期待するなよ。だいたい男と家でふたりきりっだぞ。ちょっとくらい危機感を持った方がいいだろ」
「へー、お兄さん。私を襲おうとしているの?」

まるで猫のように興味深そうな態度で話に食いついてくる花梨。
いたずらっぽい顔をして、わざとらしく両手で胸を隠す。

「別に襲わん! だが一般常識として男の家に入るのは危ないと言っているんだ。特に男と2人だけのときはな」
「きゃあ、お兄さんのえっち! 変態っ!」

俺の話を無視して、悶える花梨。
俺はそれを見て呆れながらも声を荒らげる。

「いや、だから襲わないからっ!」
「えー襲わないの?」

一転、つまらなそうな顔をした花梨が、悶えるのをやめて俺に聞く。

「ふん、そうだな。おまえがこの線を越えたら襲うな」

俺はあまりにも花梨が面白くなさそうに言うので、つい床に落ちていた本で部屋の床に俺と花梨の間に境界線を作って指し示す。

「この線を越えたら、襲ってえっちなことするってこと?」
「そうだ。だから超えるなよ」
「ふ~ん」

再び楽しそうな顔になった花梨は、俺の表情を窺いながら、指で境界線を行ったり来たりする。
どうやら指で境界線を越えて、サッと引っこめる遊びがしたいらしい。
タイミングを計っている。

「………」

俺はそれを興味ないふりをしながら、横目で視線を送る。
どうせ暇だ。花梨の遊びに付き合ってやるのもいいかもしれない。
女の子と遊んだことないし、これを花梨が望んでいるならそれに合わせるのがいいだろう。
しかし子供っぽい奴だ。

そんなことを思っていると、指がサッと動き、境界線を越えて床にタッチする。
俺は素早く捕まえようと、手を伸ばすがあっというまに「きゃっ!」と言って捕まる前に引っこんだ。
そして再び、俺の顔を窺いながら境界線を行ったり来たりする。
本当に楽しそうだ。笑っている。

俺もそれが楽しくなってきて、わざと顔を逸らしたりして隙が出来たように見せかける。

バッ──!

再び花梨の手が境界線を越えて床に伸びる。
俺はそれを待ってたように、手を伸ばし花梨の手首を捕まえかける。
が、あと一歩のところで逃れられてしまった。

「お兄さんのえっち! 私をそんなに襲いたいんだ!」
「そう思うなら、こっち側にこなければいいだろ。そしたら襲わないよ」

お互い笑いながらさらに隙を窺う。
そして花梨が突然、あっ!と言って明後日の方向を指でさして俺がその方向を向いた隙に、また床に手を付こうとした。
だけどその手は食わない。
元々乗ったふりをしたのだ。
俺は花梨の手首を捕まえ、グイっとこちらに引っ張って腕の中に抱き寄せた。

「つかまえた!」
「やん、お兄さんのスケベ!」

笑いながら揉みあう。
俺は調子に乗って花梨の身体を背後から抱きしめ、Tシャツ越しにあちこちまさぐり、
おっぱいをどさくさにまぎれて撫でるように触ったり、花梨を抱きしめて女の子のいい匂いと柔らかい身体を堪能する。
ロリッぽさはないのだが、無防備な健康美少女が懐くように俺と絡み合うのはまずい。
花梨は常に笑顔で、きゃっあきゃあと笑い、俺は勃起してくるちんぽにまずいと思い始めるが止められない。
やがてその勢いは俺を興奮させ、花梨のお尻まで触り、ついには花梨のTシャツの中へと手を導こうとする。

(まずい! このままだと俺はホントに村八分だ!)

脳内が激しい警鐘を鳴らし、電気信号を送って俺の動きを止めようとするが、
俺の右手は既にTシャツの中のお腹に届き、花梨のジーパンのボタンを外そうとしている。

だがこんなときにもまだ遊んでもらってると思っているのか、花梨は笑っている。

もう駄目だ。我慢できない。もうなるようになれっ!

そう思った時、玄関のイヤホンが鳴った。


どうやらじいちゃんが来たらしい。

じいちゃんタイミング悪すぎ。

……いや、助かったのか?





月曜日。
学校に行くと、すでに学校に来ていた花梨がこっちにやってくる。
昨日あんなことがあったため、夜、密かに後悔をしてしまったりしたのだが、花梨が何も気にしてないように笑顔を見せたのでホっとする。

「おはよう、花梨」
「おはよ、えっちなおにいさん?」

俺がうっ!と顔を顰めると花梨はにやにや笑う。
どうやら昨日の事を言ってるらしい。
俺は教室を見渡し、教室の端っこに連れて行くと、声を潜めて口止めをおこなう。

「おい花梨。昨日のことは遊びだったけど内緒だぞ」
「えー、あれを遊びで済ませるんだ。おにいさんって鬼畜~」

楽しそうに声を弾ませる花梨。
完全に俺で遊んでやがる。
俺はどうしようか悩んでいると、芹沢美人3姉妹が教室に入ってきてそちらに視線を向ける。

「おはよう。いつのまにか二人は仲良しさんだね」

芹沢3姉妹の長女、千雪さんが微笑みながら俺と花梨に近づき朝の挨拶をする。
俺はその微笑みに癒され、つい丁寧に返事を返してしまう。

「おはようございます。千雪さん。今日もいい天気ですね」

自分でもなんだこの挨拶は……。と言ってから気づいたが、千雪さんは気にした様子もなく俺に同意する。

「うん。いい天気。今日も楽しい一日になりそうだね♪」
「は、はい!」

女神のような微笑みを見て、俺は顔を赤らめて元気よく返事する。
やっぱりすごい美人だ。昨日も思ったが、都会でもこんな美人をみたことない。

あの綺麗な長い黒髪──。
制服からでも分かる形のいい大きなおっぱい──。
いやはや、昨日触った花梨とは大違いだな。

そんなことを思ってると、足を思いっきり蹴られた。
花梨がまるで俺の考えを読み取ったように、ぷんぷんして頬を膨らませている。

やっぱガキだ。こいつは。
巨乳は正義だとなぜそれがわからん。
そもそもおまえとは持つモノが違うのだ。持たざるモノよ。

俺が花梨を睨むと、花梨はそっぽを向いた。
いっちょまえに嫉妬でもしてるのか。
鼻でフッと笑うと、今度は俺の胸を殴ってきた。
からかうぶんには面白い奴だ。

その一連のやりとりを見ていたのだろう。
千雪さんがクスっと笑って、俺はデレっとしてしまう。

そんなやりとりが授業が始まるまで続いた。



お昼休み。
慣れない環境のせいか体調を崩し遅刻してきた仲山をくわえ、俺たちはお弁当を食べていた。
メンバーは、俺、花梨、仲山、そして芹沢3姉妹だ。
机を6つくっつけて向かい合うようにしておしゃべりをしながら弁当を食べている。

もっとも喋ってる人は偏っていて、主に喋っているのは俺と花梨だけだ。
というのも芹沢3姉妹のうち次女の色葉は黙々と食べているし、美羽ちゃんもこちらを窺いながら静かに食べている。
千雪さんは俺たちの話を聞いてニコニコしているし、仲山は若干顔を青ざめさせながら、俺たちの話に相槌を打つのがほとんどだからだ。

「それで昨日、おにいさんの家に行って一緒に遊んだんだよ~」

上機嫌でみんなに昨日の事を話す花梨。
余計なことを言わないだろうな。おい。
俺は隣で弁当を食べる花梨の足を机の下で小突いて余計なことを言うなよとメッセージを送る。

「花梨ちゃんは芝山くんと気が合うのね」
聞き役の千雪さんが言う。
「うん、おにいさんは面白くて遊ぶと楽しいよ」
「へー、じゃあ、家ではどんな遊びをしたの?」
「それは、えっちな……」

──モガッ!!

俺が慌てて身を乗り出して隣の花梨の口を塞ぐ。
いきなりこいつ何言い出すんだ!
さっき言うなよって言っただろうがっ!!
後で殴る。絶対殴る!

しかし時遅く、俺の斜め対面にいる色葉がギラリと目を光らせ顔を上げた。

「えっちな……?」
「いや、違うんだよっ! こいつが適当なことを言ってるだけなんだよ。
俺をからかって遊ぶみたいな!」

疑惑の目をちらつかせる色葉。
やっと俺をまともに見たと思ったらなんて目をするんだよ。
こええだろ。
雰囲気がすげー冷たいし。

「へー、そうなの」

心の奥底から冷えるような声。
嘘は許さないと言った感じで、色葉はポニーテルを軽く揺らし、花梨の顔を見る。

「あぁ、色葉ちゃんごめんっ! 今のはジョークだよ。おにいさんはからかうとリアクションが面白くってつい言っちゃった。
だからお兄さんの言うとおり、違うんだよ」
俺の手から逃れた花梨が焦っていう。

「ほんとに?」
「ほんとにほんと!」

今度は俺が答える。
これ以上、花梨に喋らしてボロを出すわけにはいかない。
場合によっては、俺の学校生活は二日目にして終わってしまう。
自分でも必死だなと思うが、なんとかここを乗り切らないと。
さすがの花梨も雰囲気に合わせて、言い訳してくれるので有難い。元々はお前の口が軽いせいだがな。

「そうなの。まあ花梨ならいつもふざけてるから、そうかもね」

色葉は納得したようだ。
普段の花梨の行いがモノを言ったようだ。感謝だな。
花梨は納得してないような顔をしているけど。知らん。

俺は再び右手のお箸を動かし始めた色葉にホッとし、今度は水筒のコップにお茶を入れて、ゆっくり飲んでる仲山に声をかけた。

「仲山はどこに住んでるんだ?」
「ぼ、ぼくですか? ぼ、ぼくは、ええと住所がまだ覚えてなくて……。あの村一番の大きな木の近くに住んでます」
「村一番の木?」

俺が首を傾げると、

「村の東の一本杉の事ね」

と、千雪さんが教えてくれた。

俺はそんな木があるんだと思いながら仲山を見ると、今度は花梨が卵焼きを食べながらいう。

「仲山くんは、あの近くに住んでるんだね。おぼえとこ」
「おぼえとこっておまえ……」

一瞬何をする気だと頭に過って、仲山を窺うと、仲山は顔を少し青ざめさせている。
花梨みたいな可愛い子にそんなこと言われても、そんな顔をするんだな。
大人しいから花梨みたいな子が苦手なのかもしれないけど。

俺は最後のおにぎりを食べ終わると、仲山のようにお茶を一杯飲んでから立ち上がった。

「ん、どこに行くの?」
「ちょっとトイレ。そうだ、おまえも付き合え」
「えー、私女の子だよ、おにいさん」
「いいから」

俺は花梨の首根っこを掴むと、教室から出て行った。
















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  1. 2013/10/30(水) 00:01:01|
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