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モブの植木鉢小説館

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1話 発情期

時は西暦3890年。
男性が生まれず全て老人となり、ひどく少なくなった世界で1人の赤子が産声をあげた。
その男こそ夏川健太。この世の人類の希望である。
当初、この男の子が生まれたとき何かの間違いであると考えられていた。
なぜならもはや男は人工授精でしか生まれず、科学の限界に達したのか大抵が小学生に上がるまでに死んでしまっていたからだ。
そう、自然妊娠で男が生まれることなど奇跡同然だったのだ。

世界は狂喜し、この男の子を祝福をした。
そして男女分け隔てなく大事に育てられ、成長していくことに決まった。
そう、天然もの種馬として……。

これはそんな世界に生まれてしまった健太の物語である。












「健太、水泳キャップ持った?」
「あっ、忘れてた」

5年生の夏。
大輪のひまわりが家の庭で誇らしげに咲く朝。
僕はお母さんに忘れ物がないか聞かれていた。
お母さんは黒髪ロングでいつも微笑んでる優しい人だ。
なんでも僕を産んだことで聖母と呼ばれているんだって。

僕は自分の部屋から慌てて水泳キャップをとってくると、お母さんは僕の頭を撫でてくれて
気を付けてねと言って家から送り出してくれた。

今日は初めてのプール授業だし、ドキドキするよ。
いい天気だし、頑張らなくっちゃ。



教室に着くと、僕はクラスメイトのみんなと挨拶をした。
みんなは僕と違いスカートって服を着ているんだけど、僕がお母さんにねだってスカートを履こうとしたら怒られた。
よくわかんないけど、僕はスカートが似合わないからだそうだ。お母さんが言うなら仕方ないよね。

「健太おはよう、今日は水泳の授業楽しみだね」
「うん、泳ぐのって初めてだから楽しみ」

まず挨拶に来たのは僕の親友の長谷川まりなちゃん。
みんなまりなちゃんって言ってるから僕もそう言っている。
短い濃い茶髪を後ろでくくって少し垂らすポニーテールって髪型にしていて、性格も明るい。
僕は学校ではいつも行動を一緒にしている。

「忘れ物してない?」
「お母さんみたいなこと言わないで。朝同じこと言われたよ」
「健太は忘れ物多いからね」

クスっとまりなちゃんが笑うと、僕は腹が立ってまりなちゃんの肩を叩く。
まりなちゃんは笑いながら、ごめんと言うので僕はもうっと言って許してあげた。
いつも僕をからかうんだから……。

そうやっていつものように僕がお喋りをしていると、僕たちの話に加わってくる人がいる。


僕とまりなちゃんがその子に顔を向けると、話に加わってきたのは、東山千早ちゃんだった。
この子はお母さんみたいな綺麗な黒髪を、背中まで伸ばした子ですごく優しい子だ。
みんなから千早ちゃんって呼ばれてるので、僕も千早ちゃんって呼んでいる。

「千早ちゃんどうしたの。何か変だよ?」
「うん、私泳げなくて……」

いつもと違って少し気分が沈んだような千早ちゃん。
少し俯き加減で、元気がない。

僕はまりなちゃんと顔を見合わせると、元気が出るように励ます。

「僕だって泳ぐの初めてだよ。だから一緒だよ」
「けど健太は運動神経いいし……。きっとすぐ泳げるようになるよ。私はどんくさいし……」

話しているうちに千早ちゃんはどんどん目に涙を浮かべてしまう。
1人だけ泳げないと思ってるのか、今にも泣いてしまいそう。
僕は困ってしまってまりなちゃんの腕を肘で押すと、まりなちゃんが慌ててフォローに入った。

「大丈夫。わたしと健太で泳げるまで練習に付き合うから、だから元気だして」
「うん、ありがとう。まりなちゃん、健太」

やっと笑顔を見せた千早ちゃん。僕とまりなちゃんはホッとする。
そうやって3人で喋ってるうちにチャイムが鳴り、僕たちは授業を受けた。


4時間目、体育の時間──。

ついに水泳の時間がやってきた。
僕はまりなちゃんとやっぱり少し落ち込んでいる千早ちゃんを宥めて一緒にプールの更衣室に行く。
いったい泳ぐってどんな感じなんだろ。テレビでしか見たことないからよく分からないけど、すごく楽しそうなのを覚えてる。
僕はウキウキしながらみんなと一緒に更衣室に入り、奥のロッカーに行くと、まりなちゃんと千早ちゃんとで着替えを始める。
んしょんしょと服を脱ぎロッカーから取り出した水着を履いてみて驚いた。

せっかく初めてのプール授業なのに、みんなと水着が違う。
僕は上半身裸なのに他の子は上半身にも水着を着ている。僕の水着だけちがう。ひどいよお母さん。水着間違ってるよ……。

僕は泣きそうになりまりなちゃんと千早ちゃんに縋るように視線を送ると、まりなちゃんと千早ちゃんも驚いている。
口々にこんな水着初めて見たと言って、先生になんとかしてもらおうと言ってまりなちゃんが先生を連れてきてくれる。
だけど先生は僕の水着はこれでいいと言って、僕たちを急き立てるようにプールサイドに連れて行った。

プールサイドでは僕はみんなの注目の的だった。
半泣きな僕をみんなが不思議そうに見てヒソヒソ話をしている。
僕だけがおっぱいが丸出しで、下半身だけ隠している。
しかも僕だけ下半身が大きいし、他の子は下半身がぺったんこで胸が少し膨らんでいる。
何から何まで違うことだらけで、家に帰りたくなる。

せっかくのいい天気なのに、僕の心は雨空で、
さっきまで落ち込んでいた千早ちゃんが僕を一生懸命慰め、まりなちゃんがみんなから僕を守ってくれている有様だ。
僕はふたりに感謝しながら、早くこの地獄の時間が終わることを願っていた。

「準備体操はじめるから広がって」

先生の声で僕たちは広がる。
そして前に立った先生の合図で僕たちは体操を始めた。

「いちにさんしー、ごーろくひちはち……」

僕は身体を曲げみんなと一緒に体操をする。
相変わらず半泣きだけど、いつもと違う場所と恰好でやるから新鮮だと思う。
まりなちゃんにプールに入ってしまえば見られないからと慰められたので、ちょっと気持ちが楽になった。

体操が終わると先生の指導でプールに入る。
その頃になると、みんな僕の事を忘れたように「つめた~い」とか「きもちいい~」とかきゃいきゃい言いながら水をかけあっている。
僕もすっかり自分の水着のことを忘れて、まりなちゃんと千早ちゃんとで水の感触を楽しみ笑いあう。
先生が僕たちをプールサイドでバタ足をさせると、再び水着が露わになったが、背中だけしか見えないので足だけに集中して練習した。

そして息継ぎなど一通り練習が終わり、いよいよ泳ぐのかと思っていると、先生は最初の授業だからと言って残りの時間を自由時間にしてくれた。

「よかったぁ」

少し緊張していた千早ちゃんが、プールサイドを背に僕とまりなちゃんに言う。
いくらバタ足の練習をしたからと言っても泳げる自信がなかったんだろう。本当に満面の笑顔だ。
僕とまりなちゃんは微笑み、一緒に鬼ごっこをしようと提案する。
千早ちゃんは元気よく頷いてじゃんけんをする。

じゃんけんの結果。僕が鬼だ。

僕は目を瞑って20数え、その間にまりなちゃんと千早ちゃんが逃げる。
プールはどこも足がつくので千早ちゃんでも好きなところに逃げれる。
みんなのはしゃぐ声と水音でどこに逃げたのか手のひらで目隠ししている僕には分からない。

僕は数え終ると、すぐに目を開けてふたりを探す。
するとふたりは別々に逃げているらしく、まりなちゃんが反対側のプールサイドにいてこちらを窺っていた。

「いたっ!」

僕はプールサイドを蹴って潜水しながらまりなちゃんを追いかける。
途中、クラスの子たちの身体が邪魔して一度息継ぎすると、まりなちゃんは笑顔のまま飛び込み台の方に逃げていく。
僕も自然に笑顔になりながら、すぐに身体の向きを変えて歩いたりバタ足したりで追いかける。
そしてついにまりなちゃんを追い詰め、抱きしめるようにして襲い掛かった。

「まりなちゃん捕まえた!」

この期に及んでも逃げようとするまりなちゃんを背後から捕まえる。
プールの水が跳ね、まりなちゃんは捕まったのに身体をもがいて逃れようとする。
僕は必死にまりなちゃんを抱きしめた。

「まりなちゃん、ズルイよ!」
「まだ捕まってないもん!」

僕はもがくまりなちゃんの胸に手をまわし、おんぶするようにまりなちゃんの背に乗る。
むにゅむにゅと膨らみかけのおっぱいが僕の手に伝わり、まりなちゃんの柔らかいお尻がスクール水着越しに僕のおちんちんを擦る。

(あれ……?)

僕は自分の身体の変化に戸惑う。
柔らかいお尻におちんちんが擦れるたびに、僕のおちんちんが大きく固くなって気持ちよくなってくる。
どんどんおちんちんを擦りたくなる。

(なんだろう。なんか気持ちいい……)

僕はそのまま、まりなちゃんのお尻におちんちんを擦りつけて、湧き出てくる快楽を味わおうとする。
だけどすぐにその変化はまりなちゃんにも伝わったようだ。
驚いて動きを止めると、振り向いて僕に言う。

「どうしたの健太。水着になんかいれてない?」
「えっ……」

何を言ってるのとばかり、僕も動きを止める。
まりなちゃんは僕の手から逃れると、僕の股間に手をやる。
そしてやっぱり何か入れてるじゃないと言って、僕の水着の中に手を入れておちんちんを握った。

「あぅ!」

情けない声が僕の口から洩れた。
まりなちゃんの手が僕のおちんちんを掴んだまま軽くしごいたからだ。

「何これ……?」

対照的に手を引っ込めたまりなちゃん。
まじまじと握った手を見つめ、そして僕を凝視する。

その目は何か別の生き物を見たと言う視線で、僕は怖くなり震える。


僕はその視線に耐えきれなくなり、無言でプールから上がると「健太!まって!」という声を振り切るようにしてプールから飛び出した。

僕はいったいどうしたんだろう。
まりなちゃんがあんな目で僕を見つめるわけないのに……。


プールからあがった僕は、水着のまま保健室に駆け込んだ。
すでに頭は混乱状態で、訳もなく涙が溢れて保険室の先生に訴える。
水着のこと、おちんちんのこと、今日あったこと全てを涙声で話す。

保健室の先生はそれを黙って聞き、僕が話し終えると僕の両肩に手を置いた。

「それは私の口から話すのは簡単だけど、担任の先生も一緒にいたほうがいいわね。
先生が心配してるだろうから連絡するけどいいわね?」

僕は保健室の椅子に座ったまま、力なくコクンと頷く。

すると保健室の先生は電話でどこかに連絡し、暫くしてから水着姿の担任の先生が保健室にやってきた。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


涙を流し落ち込む健太を前に、担任と保険医は余裕の態度を見せながら内心では極度の緊張をしていた。
実は大人である彼女たちは男というのを見るのは健太が初めてである。
クラスメイトである教え子は男女の区別を知らないが、大人である自分たちは知っているのである。
セックスというのが気持ち良くて赤ちゃんが出来る行為だと知っていてもやったことは当然、ないのだ。
知識としてどのようなものであるかは熟知しているが、実際には見たこともやったこともない。

彼女たちはゴクリと生唾を飲み込みながら、純粋に悲しむ健太を見る。

上からはいずれ彼が生殖行動へのサインを示すだろうと言われていたが、
まさかいきなりこのような形で、そのサインを受け取ることになろうとは思ってもいなかったのである。
そう、これは自分の家で飼っている動物がメスを見て交尾をしようとしているのに似ている。
人類の命運がかかっていることもそうだが、自分たちの責任も重大なのだ。

しかも彼女たちは上からある命令を受けていた。
それは健太が生殖活動へのサインを出したら自分がオスだと認識させないで、沢山のメスと自然交配をさせないといけないことである。
なぜならオスの中にはまれにペアとしか交尾をしない個体がいるという話だ。
健太がそれかどうかは不明だが、もしそうだったら一人のメスとしか交尾をしなくなる。そうなれば再び人類は危機に陥る。
ストレスで精液を弱らせることなく沢山のメスと交尾させ子供を作らせる。
それが使命なのだ。

もちろん健太がサインを出した場合のシュミレーションはマニュアル化され教師たちの頭の中に入ってるので安心だが、予期せぬ出来事もあり得るので、緊張で全身が震えそうなのだ。

教師たちがしなければならないとは、本当に彼が発情期に入ってるのかを確かめ、発情期に入っていた場合、マニュアルに沿ってクラスメイトと交尾させる。
自分がオスだということを認識させないこともそうだが、交尾を交尾と認識させないとようにしないといけないのだから、失敗はできないと気を引き締める。

担任は健太に微笑みながら言った。


「夏川さん、みんなのところに戻りましょう。みんな心配してたわ。あと夏川さんは病気じゃないから大丈夫。
まりなちゃんや千早ちゃんにも説明しないといけないから、その時に先生とお話ししましょう」
















                                               >>
  1. 2014/01/30(木) 00:00:03|
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