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23話 長距離走

晩御飯を食べたあと、僕は勝負に備える為と、美奈に言って布団で寝ていた。
そして深夜になったのでお風呂に入るために起きだす。
深夜11時。この時間なら大浴場に誰もいないだろう。

隣のベッドですでに寝ている美奈を起こさないようにして風呂の用意をして部屋を出る。
ここで美奈は風呂に入ったのかということが頭に過ったが、入ってると信じて部屋を出た。
まあ、入ってなくても朝一番に入らせれば問題ないだろう。


薄暗い廊下を進み、大浴場ののれんをくぐると、服を脱いでお風呂に入る。
予想通り誰もいなくて、身体を洗い湯船につかった。

(明日、隼人と勝負だ)

寝ながら考えていたことを改めて決意する。
勝負を挑むなら合宿が終わるまでに挑まないといけないというのもあったが、やはり日にちが経つと疲労が蓄積される。
勝負するならなるべく元気なうちがいい。
決意するとやはりというかプレッシャーが心に圧し掛かるのが分かる。
あの千夏先輩に勝ったのだ。僕が勝てる保証はどこにもない。
むしろ部員の人は僕が負けると思ってるかもしれない。

弱気になりそうな心を叱咤するため、湯船のお湯を顔に叩きつけるようにして気合を入れる。
やる前から諦めてたら勝負にならない。

そうして目を瞑って湯船でじっとしていると、更衣室がガタゴトと音がし、曇りガラス戸に人影が見えたので慌てる。
こんな時間に誰だ。
もう深夜なのに。

なぜか後ろめたくなり、僕は大浴場の端にある柱の陰に隠れる。
別に悪いことをしているわけじゃないのに、隠れたくなる本能というやつだ。
でも、おちんちんを見られたくないという事はあったかもしれないが……。

ガラッと浴場のドアが開き、湯煙のなかを誰かが入ってくる。
柱の陰からそっと覗いてみると、2人のようだった。
僕が目を凝らすと、それは信じられないことに千夏先輩と隼人だ。

唖然として目を見開くと、2人は僕に気付かないままシャワーの前に行く……。
千夏先輩はタオルで身体を隠してなくて、見たこともないような美しい肌を晒したままだ。
本来ならなぜ隼人と一緒にいるんだと考えるところだろうが、千夏先輩の形のいいおっぱいが頭を占めて真っ白だ。
あれが憧れの千夏先輩のおっぱい、お尻なんだと、あっというまにおちんちんが大きくなる。

僕の頭は千夏先輩が身体を動かすたびに動き、隣で身体を洗う隼人には目がいかない。
ボディソープの泡が千夏先輩の身体を包み、風呂椅子に座った桃みたいなお尻に視線が移動する。
腰がよくくびれていてお尻の曲線が滑らかで本当に桃みたい。あのお尻を掴んで後ろから挿入したらどんなに気持ちいいだろう。
この合宿に来て疲れからおちんぽみるくを出すことが出来なかった僕はどうしようもない胸の高まりをドクンドクンと覚える。

(ああ、出したい。でも隼人がいるし……)

隼人がいなければずっと出してないこともあって、我慢できずに千夏先輩にお願いにいったのは間違いない。
それほどの高揚と胸の高鳴りを覚えているのだ。もうおちんちんも限界に近い。
そう、出したくて仕方がない。

僕のそんな思いをよそに、千夏先輩は身体を洗い終えると、一人で湯船に近づいてくる。
やはり気づいていない。足先からゆっくり入り、抱きしめたくなるような身体を湯船に沈めていく。
素直に声をかければいいのに、なぜか声をかけれない。

「誰もいない風呂に二人で入るのはいいな」

隼人が千夏先輩の隣に入ってきた。
ここで始めてなぜ一緒に来たのかとようやく思いがいったが、見つからないことを優先して身を固くする。
いったい僕が知らない間に何があったのか。
まさかと思うけど……。

悪い想像が頭に浮かび、それを振り払うように無心で2人の様子を窺った。

「……別に私はなんとも思わないけど」
「そう言わないで下さいよ。もう知らない仲ってわけじゃないんだし」
「変な言い方やめて。私は隼人と他人よ」

馴れ馴れしく千夏先輩の肩に手を廻そうとした隼人の手から千夏先輩は逃れる。
仲が悪いのは確か見たいだけど、何か弱みを握られてるって感じだ。
やっぱり記事に書かれることが原因だろうか。千夏先輩は隼人に変な記事を書かないでってお願いしてるのかもしれない。

バシャバシャと湯船が波打ち、千夏先輩が少し距離をとろうとしたところで、隼人が言った。

「千夏先輩、吸い出してください」
「またなの……」

クエッションマークを浮かべる僕。
千夏先輩がうんざりしているので、ロクなことではないのだろうが、吸い出すとかなんのことなのか。
僕が考えている間に、隼人が風呂のヘリに座り千夏先輩が隼人の下半身に近づいて行く。

僕は嫌な予感を感じながら見守っていると、まさかと思った瞬間、それは起こった。

風呂のヘリに座った隼人が股を開くと、千夏先輩が股の間に入り込み隼人のおちんちんを手で握って舐めはじめたのだ。

ああ、この光景は見たことがある──。
以前B組でまりなちゃんが隼人のおちんちんを舐めていた光景だ。
あの時は何も感じなかったが、今は喪失感と気分の悪さを感じる。

憧れの先輩だからだろうか。
それとも隼人に不快感を持っているからだろうか。
多分どっちもだろう。
隼人と友達づきあいしてまりなちゃんが疎遠になった。
僕にとって1番だったまりなちゃんが、僕をなんとも思わなくなった。
そして今度は僕の憧れの千夏先輩が隼人のおちんぽみるくを口で吸い出そうとしている。
僕はしてもらおうと思わないが、やはり千夏先輩と隼人の身体が触れあってると不快に感じる。

はやく離れればいいのに……と思っていると、千夏先輩の頭が上下に動き始める。
隼人の太もものせいで見にくいが、おちんちんを咥えているのが分かる。
見たくない気持ちと見たい気持ちが交差し、迷いながらも見続ける。

湯煙があたりを漂うなか、静寂に満ちた浴槽のなかで、2人の行為は続いていく。
徐々に頭の動きが速くなっていたと思うとゆっくりになったり、一回おちんちんを口から出したと思うと、手でしごきながら隼人の顔を窺ったりしている。
そうしてそれを数分繰り返したのち、やがて隼人がおちんちんを咥え頭を振る千夏先輩の頭を両側からもち、自分からそれを動かしていく。
まるで筒を動かすように千夏先輩の頭を操作し、ゆっくりだが上下に振っていく。

千夏先輩は抵抗しない。
自分の頭を勝手に動かされてるのにだ。
そして何度か動かしているときについに隼人の腰がビクンとし、千夏先輩の頭がグッと深く沈められ根元まで咥えさせられた。

……きっと出してるんだと思う。
千夏先輩の頭が微かに震え、隼人は気持ちよさそうな顔で小刻みに千夏先輩の頭を物のように上下に振っている。
風呂のへりに座った隼人の股間に千夏先輩の頭があって、物みたいに扱われていることに気分の悪さを強く感じ始めるが、ここまで来て止めに入る気は……ない。

今まで止めずに何をやってたんだって話になるし、もう出し終わったんだからすぐ終わるだろう。
千夏先輩は頭を解放されると、おちんちんを口から吐きだし口元を拭う。
そして隼人に何事かを促されると、再びおちんちんを持って丁寧に先っちょから舐めはじめた。

掃除するように舌で綺麗綺麗に先っちょのツルツル部分を舐め、やがて舌が移動し竿の部分、そして玉が入ってる袋までもぺろんぺろんと舐めていったのだ。







次の日の朝。よく寝て体調をしっかり整えるはずの僕だったが、あまり寝つけなかった。
お風呂は見つからずになんとかやりすごしたのだが、千夏先輩のおちんちん舐めを見てしまったので胸がムカムカしていたのだ。
気分が悪い朝だと感じながらも練習するために用意を始める。
珍しく美奈が僕より早く起きて着替えはじめていたので驚いたが、それを褒める余裕はなく、僕も黙々とパジャマから体操着に着替える。
こんな気分を二度と味わわないためにも勝負を早く挑まないといけないだろう。
千夏先輩のためにも。


朝食を食べ、僕たちはグラウンドに向かう。
すでにちらほらと部員たちが集まってて思い思いに準備体操している。
千夏先輩はまだ来てないようだ。
食堂には来ていたので、もうすぐ来るだろう。

僕はまだ来ていると思わなかったが隼人の姿を探す。
が、やはり案の定、隼人は来ていなかった。練習に参加しないし、後から来るんだろう。

僕は入念にストレッチをし勝負に備える。
昨日のあれを見てから今日勝負を挑むことを決めた。
気分はまだすぐれないが、やる気は十分だ。
僕が勝てば陸上部を悪い風に書くのも、千夏先輩にあんなことをさせるのもやめさせよう。

そうして暫く待っていると、千夏先輩が、そしてさらに始まる直前に隼人がやってきた。

僕は大きく息を吸いこむと、ゆっくり吐きだし、気合を入れる。
そして千夏先輩の傍にいる隼人に近づいた。

「おはようございます。千夏先輩」
「おはよう、健太」

隼人を無視して千夏先輩とだけ挨拶を交わす。
そして隣の隼人に向き直ると、隼人の顔を見た。

「僕と勝負してくれ。リベンジだ」
「リベンジだと?」

隼人は一瞬驚いたような顔を見せる。
だが僕の真剣な顔を見ると、不敵にニヤリと笑った。

「いいだろう、だけど負けた場合は分かってるんだろうな?」
「ああ、わかってる。条件を言ってくれ」

「ま、まって! 勝負って!」

ここで千夏先輩が割り込んでくる。
僕を見てどういうこと?と目が説明を求めてくる。

「すいません、千夏先輩。もうこれ以上隼人の好き勝手にさせたくないんです。
この合宿が終われば隼人は陸上部を悪く書くでしょう。それは阻止しないといけないんです」

「それは……」

そこまで言って千夏先輩は言葉を途切れさせてしまう。
自分のふがいなさが原因でこうなってしまったのを思い出したのか、なんとか言葉を出そうとしては口を閉ざすを繰り返している。
僕は再び隼人に向き直ると、勝った時と負けたときの条件を話し合う。

「僕が勝てば陸上部の記事の内容は僕が決めさせてもらう。そして千夏先輩に一切嫌がらせをしないって誓ってもらう」
「おいおい、無茶苦茶な条件だな。記事の内容に介入するのもなんだが、要求が二つって欲張りすぎだろ……」

胸を張っていった僕に呆れた表情を見せる隼人。
だけどすぐに気を取り直したように隼人が言った。

「まあいい。ならこっちも二つ条件をださせてもらう。俺が勝てば健太、おまえが陸上部の取材に協力すること。そして千夏先輩のおまんこにおちんぽみるくを俺が満足するまで出させてもらう」
「待て千夏先輩は関係ないだろ!」
「いや、関係あるさ。陸上部の関係者だからな。この勝負に陸上部をからめるならこの条件もありだ。受ける受けないは決めていいぞ。俺はどっちでもいいからな」

僕は思わず千夏先輩に振り返り、そして俯いた千夏先輩を見て言葉を失う。
勝負に負けて僕がペナルティを受けるのはいいが、千夏先輩を巻き込むのはよくない。
ただでさえ心が弱ってる千夏先輩にこれ以上負担をかけるには……。

「いいよ、その条件で……」
「千夏先輩!?」

迷ってる僕を尻目に千夏先輩が隼人に言う。
僕が思わず千夏先輩を止めようとするが、千夏先輩は大丈夫と僕に頷きながら言葉を続ける。

「別におちんちんをおまんこに入れられて、おちんぽみるく出されても問題ないわよ。
先生も推奨してるし、私もなんとも思ってない。
それより健太が陸上部や私のために勝負を挑んでくれたことが嬉しいの。それだけ思ってくれてたってことだから」

「千夏先輩……」

ジーンと胸を突く感動が駆け抜け、僕は勇気を貰う。
ここで逃げたら僕は何かを失う。ここまで言ってくれた千夏先輩のためにも僕は必ず勝つ!
勝たなければならない。

「分かった、なら勝負しよう。短距離走でいいか?」
「いや、長距離走で頼む」

僕が言うと、隼人は渋い顔をした。

「長距離走はめんどくさいんだがな。何キロ走るんだ?」
「5キロ」
「だめだ、長すぎる。もっと短くしてくれ。時間もかかるしめんどくさい」

隼人がめんどくさそうに手を振ると、僕は少し考える。
長ければ長いほど僕に有利になると思っていたけど、どうするべきか。

「1500だな。1500走もあるはず。そうだろ健太?」
「……あるけど」

1500という具体的な数字を出してきたことに嫌な予感を覚えるが、弱気になってはいけないと心に言い聞かす。

「ならそれに決定だな。それでいいだろ」
「うん……」

ここでごねたら気持ち的に負けてしまう。
だから了承する。1500も決して短い距離じゃない。むしろ自分的には得意な距離だ。
急に準備体操をし始めた隼人を見ながら、僕はどう戦うか脳内でシミュレーションするのだった。



「頑張って」
「健太勝って!」

長距離走のトラックがあるグラウンドに移動し、スタートラインに立った僕は、ここまで一緒に来てくれた千夏先輩と勝負すると知ってきた美奈に応援されて、頷く。
陸上部のみんなも勝負すると知って集まってきた。口々に僕に声援をコース外からくれる。
だけどその表情は千夏先輩でも負けてしまったせいで不安の入り混じった顔だ。
僕もその気持ちがわかる分だけあってなんともいえない。

大きく深呼吸すると手足をぶらぶらさせて、スタートの合図を待つ。
隣に立った隼人の身体はやはり大きくて、僕より身長が頭半個分くらい高い。
体の大きさでは負けてるかもしれないが、足とスタミナでは負けないつもりだ。

口を閉じ、視線を前に向けると集中する。
1500はトラックを5周もすればいいだけだ。
距離があるぶん、駆け引きが重要になる。

まずは隼人の出方を見たい。
先頭を譲ってもそれを維持して走り続けるのはプレッシャーが掛かり精神が消耗する。
短距離走とは違うのだ。

「ヨーイ!」

副部長が手をあげた。

「ドン!」

スタートラインを越える。
案の定、隼人は猛然と飛び出し先頭に立った。
僕は隼人の後について様子を窺う。

隼人も距離があるせいかペースを押さえている。
だけど僕からすればそのスピードは遅い。
僕はどうしようか一瞬、迷う。
このまま一気に抜いて僕のペースで走れば隼人はついてこれないのではないかと思ったのだ。
とはいえ、距離は1500。無理すればついてこれないペースではない。

抜くかこのまま維持するか。
僕は少し考えたのち隼人の後についていく。

トラック一周は300メートルと聞いている。
一周目は様子見をして、残り4周は僕が先頭に立てばいい。
一周までは隼人の後でプレッシャーをかけよう。

僕はトラックの半分くらいまで来ると、さっそく隼人を抜く素振りを見せる。
隼人それに反応して、僕のコースを塞ごうと身体を寄せてくる。予想通りの反応だ。
これを繰り返せばかなり消耗するだろう。

流れる景色を横目に、呼吸音を小さくし、気配を殺すように走る。
まだ大会など出たことがないのにこのような駆け引きが出来る自分に驚いたが、今はどうでもいい。


全力を出し切り、僕が勝利するのだ。












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  1. 2014/06/27(金) 00:19:01|
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