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19──天秤──

7月19日 月曜日 午後12時10分 2年5組 教室  藤乃宮遥



「ねぇ、遥ちゃん昨日どうして試合の応援に来てくれなかったの?ずっと待ってたのに」


「ごめんね。ちょっと昨日、急な用事が出来ちゃって……」

次の日、教室の机の前で、問い詰めるように話しかけてきた幸太くんに
私は申し訳なさそうに答えていた。

「でも夜も携帯の電源も切ってたよね?いったいどんな用事だったの?」
「え、えっと、それは……」
そうである。私は啓介くんとの賭けの後、そのままお持ち帰りされ、朝まで彼の部屋でえっちをしていたのだ。
応援どころか、私も幸太くんと同じくベッドの上で激しい運動に勤しんでいたなんてとても言えない。

そんなこともあり、なんて答えようかと悩む私。だけど幸太くんはそんな私に暇を与えないよう畳みかけてくる。

「ねぇねぇどうして? 僕にも言えないこと? 昨日の試合、お弁当を作って来てくれるって言ったからお昼を食べずに待ってたんだよ」

そんな彼の言葉を聞きながら、私はだんだんイライラしはじめる。ただでさえ昨日から朝までえっちをして寝てないせいか、睡眠不足なのである。
幸太の言葉は、まるで自分が私にとって一番大切な存在なのだとアピールしているように聞こえるのだ。
何も知らない癖に。私が隣のクラスの春山くんに朝まで抱かれてました。と言えば彼はどんなに顔をするのだろう。
だからだろうか、私は思わずそっけない態度で、
「幸太くんには関係ないでしょ。別に私の彼氏ってわけじゃないんだし」
と言い放ってしまったのだ。

たちまち凍る場の空気。私は「しまった!」と後悔したが今さら取り消すことも出来ずに、幸太くんから顔を逸らし椅子から立ち上がると教室を出る。
そうだ。確かに幸太くんは私の幼馴染だけど彼氏ってわけじゃない。何も間違ったこと言ってないんだ……。
ズキンと痛む心を抱え、
私は俯きながら歩く。

そうしてどこに行くか決めてないふらふらした足取りで自然に向かった先は、隣のクラス、春山くんの教室だった。
教室の前のドアから顔をのぞかせると、啓介くんはこちらに気付き笑顔でこちらにやってきた。

「どうしたの? 遥ちゃんからウチのクラスに来るなんて珍しいね」
「……………」

何も答えない私の様子がおかしかったのだろう。彼は私に「ちょっと歩こうか」と促し廊下を歩きだした。



やってきたのは試合の日に、彼とセックスしたあの倉庫だった。
彼は慎重に辺りを見回し、立ちすくむ私の背中を押して倉庫の中へ入れると扉を音を立てずに締めて鍵をかけた。

「……………」
「それでどうしたの?」

彼は安心させるように私に微笑みかけると、私が喋り出すまで待ってくれた。






・・・・・・・・・・


「俺ならはるかをそんな風に泣かせたりしないよ」
「啓介くん……」

黙って事情を聞いていた啓介くんが静かに言った言葉。
彼は私を真剣な眼差しで見ると、そのまま私の身体を抱き締める。

「わたしは、わたしは……」
「大丈夫、不安なんてないから」

あくまでも安心させるように私の背中を撫でて不安を取り除いてくれようとする啓介くん。
それはまるで私を支えてくれるようで心の底から安心できる。

「ねぇ……、どうして私にそこまでしてくれるの?」
ついに私の口から出た、聞いてはいけない質問。
「それは……」
わずかに言いよどんだ啓介くん。そして意を決したように私の目を見据えいた。

「好きだから。遥のことを愛しているから」

「あぁ……」


それは完全に幸太くんと啓介くんという天秤のバランスが変わった瞬間だった。
私は自分から彼の首に手をまわし熱い口づけをかわす。
キスするのを止められない。何度もちゅっちゅっ♥と小鳥がエサをついばむ様にキスを繰り返す。
自然と彼の手が私のセーラーにかかり制服を脱がしていく。
そうして私を一糸惑わぬ全裸にした啓介くんは、自分の制服の上着を脱ぎ床に敷くと私を優しく横たわらせた。

カチャカチャとベルトを緩めズボンのチャックをジーとゆっくりと下ろすと、今までに見たこともないような大きな勃起したおちんちんが顔を現わせた。
今まで啓介くんのおちんちんを何回も見てきたけど、これは特別なおちんちんだ。
このおちんちんを受け入れてしまったら私はきっと彼のモノになってしまう。そう確信が持てた。
胸の前で両手を置き処女のように震える私に、彼は覆いかぶさりながら膣口に亀頭をくちゅっ♥と押し当てた。

「いれるよ……」
「うん……」

ゆっくりと押し入れるように力を入れ私の中に沈んでいくおちんちんを見つめながら、私は自分が春山くんのモノになったのを知った。
自然に溢れる涙。幸せの涙なのか、それとも好きだった幸太への決別の涙だったのかは分からない。
ただ彼は優しく私の涙を指で拭うと、心配しないでいいよと囁きながらそのまま私の身体に抱きついてキスをする。
安心する。啓介くんは私の欲しい言葉をくれる。目を瞑りキスを返した私はそのまま彼の首に手をまわし、両足をも彼の腰にまわした。
触れ合った彼の身体から感じる体温、私の中に入ったおちんちん、啓介くんの腰にカニバサミするようにまわされた私の両足、ゆっくり動き始めた2人の腰、何もかもが愛おしく感じ自然と喘ぎ声が口から洩れた。



その頃、幸太は、なぜ遥にあんなにしつこく問い詰めたのか理解できないでいた。
いつもの自分なら、あんなに問い詰めたりしなかったはずだ。
自己嫌悪に陥り、幸太は遥が帰ってきたら謝ろうと教室で待っていたが、

結局休み時間が終わっても遥は帰ってこなかった。




「な、なかに出して!中に精液いっぱい出して愛してるって証明してえぇぇぇっ!」
どぴゅううううううううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅ………♥
信じられない量の熱い精液が、彼の先っちょから吐きだされ、私も一瞬で絶頂に達してしまう。
彼の精液は、すぐに子宮いっぱいになり溢れると膣の大部分を白く染め上げた。

「~~~っ!」
背中をエビぞりのように逸らしながら、彼の腕の中で絶えることを忘れたように喘ぐ。

「あぁ……」
首筋に舌を這わされ、私は身体を震わせながら熱い吐息を漏らす。
食べられちゃう……
全部食べられちゃう…・…
心も身体も全部啓介くんに食べられちゃう……
ふぁぁ……

幸太くんにあげるはずだったキス、処女、そして心。それらを全て啓介くんに食べられてしまう。


子宮に濃い精子がかけられる。
子宮の中にどんどん熱い精子が入っていく。

だけどおちんちんは未だに脈動し、亀頭の部分がピクピクしながら精液をいっぱいドクドク吐きだしている。

幸せな気持ちにいっぱいになりながら私は、再びイってしまう。
彼は期待に答えるように女の部分を白く染め上げてくれた。彼ならばいつまでも私を愛し続けてくれるだろう。
好き……啓介くん大好きっ!

心の中で声にならない幸せの叫びをあげ、私は意識を失った。








7月20日 火曜日 午後12時25分 2年5組 教室  近藤幸太


「ねぇねぇ、知ってる? 昨日、学校の帰りに見たんだけど、遥ちゃんと隣のクラスの春山くんが手を繋いで帰ってたって」
「やっぱりねぇ、あの2人いつも一緒だったし、もうこれで遥も言い逃れできないでしょ」
「そうね。本人は付き合ってないって言ってたけど、もうこれは完全に黒ね。教室に来たらとっちめてやるんだから!」
「なになに? ひょっとして静って春山くんを狙ってたとか?」
「ち、ちがうわよ!仲のいい私たちに黙っていた罰よ!罰!」
「ほんとかなぁ、あやしいんだけど」

きゃあきゃあとクラスで談笑しながらはしゃぐ、女子たちの盛り上がりをよそに、僕は完全に打ちのめされていた。

今日は朝から遥ちゃんと話していない。挨拶ですらだ。
なぜなら遥ちゃんは休み時間のたびに春山の教室へすぐに行ってしまうし、
教室は、朝から今女子たちが話題にしている春山と遥ちゃんのことでもちきりだったからだ。
当然、僕はこの話の輪に入ることができず、独り寂しく机に座ったまま嫌でも聞こえてくる噂話に耳を傾けている。


嘘であってほしい。
こんな噂、何かの間違いだ……。

色々な想いが頭を駆け巡り、答えを求めるように心の中の遥に問いかけるが、彼女はいつものように僕に何も言わず微笑んだままだ。


僕は、この教室の空気に耐えきれず、パンを買いに購買へ向かった。


いつもなら遥ちゃんと一緒にお弁当だったのに……。
冗談を言いながらお喋りを楽しんでいたのに……。

在りし日の思い出が頭をよぎり、思わずこみ上げるものが出てくる。
僕は、溢れそうになる涙を見られない為、購買に行くのを諦め、人気のない男子トイレの個室に入った。


「はぁ……」

思わず漏れる溜息。
涙が堰をきったように頬を流れる。


どうして。。。

どうして、こんなことに……。


いったいどこが悪かったのか。どこで歯車が噛み合わなくなったのか。

喧嘩したって、いつもすぐ仲直りできた。
すれ違いがあったって、お互い信じて共に歩むことができた。
想いだって確かにふたりの間に存在すると思っていた。


だけど今回は違う……。

僕はもう何を信じていいのかわからない。

遥ちゃんは今日も変わらず春山の元へ通いつめ、こんな噂が流れているというのにそれを否定しようともしない。
まるでその噂が事実だと。皆に宣言するように、春山と2人きりでお手製のお弁当を食べる。
誰もが2人を恋人だと認め始めている。


僕と遥ちゃんの絆が音を立てて崩れようとしている。

今までの思い出が嘘だったように、色あせていく。

何もかもが一時の夢だったように、全てが幻だったように、
想いさえ消え去ろうとしている。



こんなことで挫けちゃいけないのに。ちゃんと遥ちゃんと話し合って事実確認さえしてないのに、
必死に否定しようとも、
心が事実を受け入れようとしている。



もう、お前の手から遥という想い人は失われたのだと。







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