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4──予期せぬ初陣──

……というわけでやってきました。守山城。
清州からそのまま東に行くこと数時間。三河に近い有名な城らしい。

ここに来れば何か分かるでしょ。って感じでぶらぶら来てしまったのだが、これからいったいどうすればいいのか皆目見当もつかない。
ここはもう槍之助に……、いや、彩月に頼るしかない。

「ねぇ彩月、これからどうしたらいいかな? 様子を探ってこいって言われても何したらいいかよくわかんないよ」
「う~ん。とりあえずそこらへんの足軽に聞けばいいんじゃないの?」

彩月が軽い感じで視線を斜めにずらすと、何人かの足軽が城下町を歩いている。

「よし!おらが訊いてきてやるべ!」

腕まくりをし、僕が止める間もなく槍之助は走り出す。とらぶるを起こさなきゃいいけど。

そして穏やかに話すこと数分、突如、槍之助が地団駄を踏んで顔を真っ赤にして戻ってきた。

「いったいどうした?」
「どうしたもこうしたもねぇべ!あいつら礼儀を知らないべっ!!」

いや、おまえも知らないだろ!と内心突っ込みを入れつつ、何があったか訳を聞く。

すると槍之助は、簡潔に実に分かりやすい一言をのべた。

「おまえのような馬鹿な田舎者に話すことはない!って言われたっぺ!!」

「あははははは、その通りじゃないか!」

彩月が腹を抱えて笑い、それを見た槍之助がタコみたいに真っ赤になった顔で、彩月に掴みかかる。

「おい、やめろって、ここまで来て揉め事を起こすなよ」

いつものように喧嘩になりそうだった2人に注意すると、
僕はため息をついて歩き出す。ただでさえ気が重い任務なのに、いきなりこれでは先が思いやられる。
明らかに僕は部下の人選を間違えたよ。

僕は、内心愚痴をぶつぶつ言いながら、道行く街の人々に目をやる。
最前線の城にしては、戦間近の雰囲気を感じない。清州と変わらないくらいだ。
ここの人たちが戦に慣れているのか、それとも不穏な気配の噂が流れていないのか、どっちなのだろうかは、僕にはまったく判断がつかない。
街の人に色々三河の話を訊いてみてもいいんだけど、さすがに街の人の話を聞いて帰ってきました。では怒られるだろう。

街の人に話を訊くのは当然としても、やっぱり噂の真意を確かめるべく、そこらへんの足軽に話しを訊くことにしよう。
本当は城でえらい人に会えればいいんだけど、無理だろうしね。

僕は槍之助と彩月を伴って、目についた団子屋さんに入る。
そこで、僕は団子を注文しながら、店員のお姉さんに、近頃の三河の様子について何か知っていることはないか訊く。

するとお姉さんは、注文を3人分したせいか、気前よく知ってることを教えてくれた。
それによると、三河で不穏な動きがあるのは確かで、尾張の国境の城にぞくぞくと兵やら兵糧が集められてるらしかった。
ちなみにこの情報をもたらしてくれたのが顔なじみの三河からの商人らしいので、その情報には信憑性が高いとのことだった。

僕は、隣で団子にぱくついている槍之助と彩月をよそに、お姉さんに礼を言うと、お茶をズズっと飲む。

いきなり重要そうな情報を手に入れて僕は運がいい。
あとはそこらへんの旅人が寄りそうな店に出入りして裏付けをとって、ついでに2、3人の足軽に話を訊けば十分だろう。

そうすれば僕の役目も終わり。
清州に帰れる。

行く前は、もっと前線近くまで出向かなきゃいけないと思ってたからラッキーだ。

僕はお茶を飲み終えると、とおの昔に自分の団子を食べ終わり、僕の団子まで勝手に食べてしまった2人を軽く睨んで店を出る。

意外に初任務は楽に終わりそうだ。





……っと楽には行かなかった。

なんと道を歩いている足軽に話を訊いてる時に、とんでもないことが起こったのだ。


──三河の山名が動く。

そんな急報が守山の街に駆け巡ったのだ。
たちまちてんやわんやのパニックになる守山の城下町。

数か月ぶりの山名の進軍に、街の人々も冷静ではいられないようだ。

「直樹どうすっべ? 当然オラたちもこのまま守山の連中と一緒に突撃だべな!」

街の人々が慌てて僕らの横を駆け抜けていくのを横目に見ながら、
槍之助が興奮したように目を剥いて言うが、僕としては戦場に行きたくないので当然パスしたい。
だけど、このまま戻ったら正則が「なぜ突撃しなかったっ!」とか言わないか心配だ。あいつ槍之助と一緒で脳みそが筋肉で出来てそうだからな。髭面だし。

うんうん唸りながら彩月を見ると、彩月もまた、珍しく何やら考え込んでいるようだ。
こいつもどっちかというと、考えるより行動のタイプだと思ってたので意外だ。

「どうした彩月、何か考え事か?」

もしかしたら反対意見でも言ってくれるのだと期待して見つめたのだが、

「いや、あたしも守山の連中と一緒に行動するべきだと思う。清州にはすでに早馬が行ってるだろうし、徒歩のあたしたちが帰っても無駄足になるか、清州から出陣してれば、すれちがいになる可能性が高いよ」

と、正論を述べられました……。

こいつ普段から槍之助といがみあってるくせに、なんでこんな時にこんな言わなくていいことを言うのかね。
黙ってれば後輩タイプって感じで可愛いのに、これでは僕は、反論できないではないか。

心の中で苦虫を潰しながら、僕は仕方なく決断を下す。

守山の兵と行動を共にする。ただし、荷駄隊(補給部隊)として安全なところでゆっくりとね。




──1561年8月。

山名家当主、山名重蔵(齢72)に率いられた5000の兵が尾張に押し寄せた。

元々山名家は、将軍今川家の後ろ盾を務めるほどの力のある大名だったのだが、
応仁の乱以降、力を失い、こうして三河に転封(国替え)されてしまったらしかった。

しかし未だその野心は衰えず、こうして京への上洛途上にある、尾張に何度も攻めてくるということを繰り返している。
今回の侵攻もその一つであり、規模としては、なかなかのものらしい。
いやはや、僕が最前線にいるのに迷惑な話だ。

僕らは守山城に行くと、近くにいた足軽に取り次いでもらって、この城の与力武将、前田利歌に会わせてもらう。
彼女は、名前の通り女性で、あの有名な前田利家の親戚らしいから、びっくりだ。

「其の方、清州から来たそうだな。今は見ての通り忙しい、用件があるなら速やかに申せ」

20代後半のキリリとした顔の利歌が、すでに戦支度を終えて、平伏する僕らの前に立つ。
僕は顔を上げ、自分たちがなぜこの守山にやってきたかを伝えると、部隊に加えてくれるように頼む。
もちろん、一兵でも欲しいのだから、その願いは快く承諾され、僕らはそのまま前田利歌の部隊に配属されることになった。

ここまでは僕の計算通り。
あとは、槍之助と彩月を騙して荷駄隊に紛れ込むだけだ。

今は無理でも、戦いが始まれば
「荷駄隊が襲われる可能性がある」とかなんとか言えば、簡単にいくだろう。

そう僕は心の中でほくそ笑む。

少しばかりはしゃいでいるこいつらには悪いけど、僕は死にたくないんでね。


「直樹、早く行こう。槍之助はもう行っちゃったよ」
「……わかった。すぐ行く」

利歌の部隊が出撃し、僕らもそれに紛れ込んで戦場に赴くのだった。





その日の夕方。
僕らの部隊は、他の部隊と共に国境らしき方向に向けて進軍し、ある山の中腹で身をひそめた。どうやら待ち伏せするつもりらしい。
下っ端であるがゆえ、状況がさっぱり分からないのがもどかしい。ここがどこの山なのか、全体としてどんな作戦をしようとしているのかもよく分からないのだ。
やっぱ足軽は辛い。

僕らは木の陰に隠れながら、固唾を呑んでその時を待つ。
隣の彩月が、息を殺して僕に寄り添うように横にいるもんだから、少しドキドキしてしまった。

「おい、いいかよく聞け。突撃って言われてもすぐに飛び出すなよ。僕が行けって言うまで待つんだ、いいな?」

小さく押さえた声で彩月と槍之助に言う僕。
タイミングさえ間違わなければ、戦場の混乱に紛れて2人を後方にまで連れ出せる。
少々目が血走ってる槍之助が不安だが、彩月はちゃんと僕の言う事を聞いてくれるだろう。念のために言うけど、ちゃんと槍之助には言ったんだから、死んでも僕の責任じゃないぞ、絶対に。

僕は再び前を向くと、他の足軽と同じように山中に作られた道に視線をやる。
ここに敵が通れば、いよいよ血で血を洗う合戦の始まりだ。


そして待つこと数時間。
ついに目の前の道を、山名の旗を掲げた部隊が通りはじめた。


「突撃っ!!」

なんの迷いもなく、後方からあの利歌の凛々しい声が響き渡る。
それを受けて一斉にまわりの足軽たちが、目の前の敵めがけて突っ込んでいく。

「お、おいっ!」

やはりというかなんというか、頭に血が昇っているらしい槍之助も、僕が言ったことを忘れて飛びこんでいく。
あいつは、にわとり頭か!

僕は軽く舌打ちすると、隣にいるであろう彩月の方を向く。

「槍之助っ! あんただけには負けないよっ!!」

「あ、あれっ!?」

ああ、なんてこった。振り向いた瞬間、槍之助に釣られて彩月まで飛び込んでしまうとは。これは計算外だ。これならもっとちゃんと言い含めておくべきだった。
後悔先に立たず、目の前の道では、すでに大乱戦が行われている。
先ほどまで静かだった山中は、嘘のように兵士たちの怒号で溢れかえり、次々と命の花が散っていく。
あるものは胸を槍で突き刺され、またある者は、首を刀で撥ねられる。
吐きそうなほどのリアルな殺し合いに、僕は呆然と立ちすくむ。

「ぼさっとしてんじゃねぇぞっ!!」

後ろから来た足軽が、僕を突き飛ばしてそのまま山中を走る。
向かう先は当然、山名の兵隊どもだ。見れば僕のようにぼさっと立っている者は一人もおらず、皆、敵兵と戦っている。

僕は取り残された気分になり、泣きそうになったが、震える手で必死に槍を掴み、戦況を見守る。

怖い。どうしても怖い。なんでみんなあんなに簡単に人殺しができるんだ。
理解できない。どうしても。

僕と同じ初陣のはずの槍之助が、奇声を発しながら、敵の足軽の胸を槍で突き刺している。
街で見かければとても人を殺せるような顔をしていない彩月が、2人の足軽相手に勇ましく戦っている。
あまりにも現実感に乏しい光景。

思えばここに来るまでの心の持ちようから、僕と違っていた。

必死に手柄を立てようとしていた槍之助と彩月。
死にたくないと、いつも逃げることばかり考えていた僕。

例え、三人の中で槍が一番うまくとも、覚悟というものがなければ、それはただの宝の持ち腐れにしかならない。
僕は槍之助を弱いと馬鹿にしていたが、本当に弱いのは僕だったのだ。

ギリギリと歯ぎしりしながら、僕は目の前の光景から視線を逸らさない。

覚悟を決めろ。
このままでいいのか。
例えここで隠れて生き残っても、この先やっていけるのか。
短いながらとはいえ、付き合いのあった槍之助や彩月を見捨てて自分だけ隠れていていいのか。

グルグルと頭に叱咤するような声が響き、僕はついに一歩を踏み出した!

「う……、う、うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」

雄叫びを上げ、僕は彩月が相手している二人の足軽の前に躍り出る。

「直樹っ!?」

彩月の驚いた声が僕の耳に届くが、僕は槍を振り回して、高々と名乗りをあげる!


「足軽、南扇直樹っ!!推して参る!」


これが覚悟を決めた、

僕の真の戦人としての始まりだった。






「うおりゃあああああああああ!!」
「くっ!!」

戦いは既に僕ら立花軍の優勢となっていた。
何も知らない彼らの行軍の横っ腹を奇襲したのだから、当然といえば当然といえる。
彼らは軍を立て直すこともできずに、混乱したままその数を徐々に減らしていき、やがては一方的になり散り散りになって逃げていく。

僕は彩月と協力して、目の前の足軽二人を倒すと、無我夢中で逃げる他の敵足軽も槍で突き殺していく。
敵の命乞いや怯える姿を見ても、なんのためらいもない。頭は興奮で暴走状態になっており、叫び声をあげながら、ただ槍を振るうのみである。

「追い打ちをかけろっ! 一人も生かして三河に帰すなっ!!」

どこかで聞いたような凛とした声が耳に届き、僕は背中を向けて逃げ出した足軽を追いかける。

もう、何人殺したか分からない。
僕と彩月は、はぐれてしまった。槍之助にいたっては、あれから姿すら見かけていない。
生きているのか死んでいるのか、それすら不明だ。

僕は敵足軽に追いつくと、そのまま背中に槍を突き刺して殺す。
荒い息を吐きながら、さらに敵の姿を探し求める。

見渡せば、そこは死体の畑だった。
敵兵はあらかた掃討されており、自分のまわりで戦っている者はいない。
まだ戦える者は生き残りの山名勢を追って追撃しており、残っているのは怪我人か疲れて動けない者ばかりだ。

「さ、彩月……、そうだ。彩月と槍之助は…どこだ」

僕は、そこで始めて正気に戻ったように、二人の姿を探し求める。
だけど見渡した限りでは、その姿はない。

まさか死んでないよな……。

僕は湧き上がる不安を押さえつけて、彩月と槍之助の名を叫びながらあちこち探す。

そしてその姿を求めて道の脇の森の中に入ったとき、見てはいけない戦場の惨さの一端を見てしまった。

「いやあああぁぁぁ!!」
「おとなしくしろって! もう逃げられないんだからよ!!」

日が差し込まぬ薄暗い森の中。
僕の見える周囲のあちこちで行われている敵兵への暴行。
女足軽や女武将もいるのだから、こんなことが起きるのも想像の範囲内だったとは言え、これはあまりにも惨たらしい光景。
押し倒される女足軽、その服がビリビリと引き裂かれる。悲鳴がそこら中から聞こえ、僕の背筋が凍りつく。

僕はなるべくその光景を見ないようにして、それでもその中に彩月や槍之助がいないか探していく。彩月は女の子だから参加していないはずだが、槍之助は違う。あいつならここにいることもあり得る。
内心で、どうかここにいないように祈りながら足早に歩くが、
幸いなことに槍之助や彩月はここにおらず、そうと分かった僕は、逃げるようにしてこの場を後にした。
胸糞が悪くてどうにかなってしまいそうだ。


僕は、二人が追撃に向かったと賭け、走って追いかける。

どうか無事でいてくれ。






──奇襲からだいぶ経った。

辺りはかなり暗くなり、あちこちで散発的な戦いが起きるてるくらいで、静かなものだ。
僕は二人を探して、山道をひた走る。
途中、結構な数の足軽を追い抜くが、やはりどの顔も見覚えがない。

「どこまで行ったんだよ、あいつら。まさか、深追いしすぎてないだろうな……」

先ほどの奇襲は、この合戦の一部分にしか過ぎない。
他でもあちこちで合戦が起きてるだろうし、これからも山名との戦いは続くのだ。
つまり、ここで深追いしすぎては、まだ残っている山名の兵たちに討ち取られる可能性がある。

僕は少しずつ焦りを大きくしながら、それでも走り続け、
そしてようやく先頭グループに追いついた。

「いたっ!!」

前方で、敵の後続部隊と思われる3人の足軽たちと、彩月が戦闘を行っている。その傍では、槍之助も槍を突くようにして敵兵を牽制していた。

「彩月、槍之助っ!!下がれ!!」

完全に追いついた僕が、戦闘に加わりながら大きな声で後退を促す。
このままでは死はまぬがれない。
なにせ味方が少ないのだ。
やはり突出しすぎて、孤立するような形になっている。見れば、ぞくぞくと敵の足軽がその数を増やしている。
追い打ちをかけてきた立花軍を逆に殲滅せんと、その士気は高いようだ。

「なに言ってるだっ! これからが、オラの腕の見せどこだべ!!」

明らかに疲れきっている槍之助が強がり、それでもなお、槍を突き出すが、その槍には力がない。
あっさりよけられ、逆に敵が槍を突き出してくる。

「くそっ!」

僕は咄嗟に割って入ると、その槍を捌き、今度は彩月に向かって怒鳴る。

「さつきっ、槍之助を連れて下がれっ!!これは命令だぞっ!!」

2人相手になんとか五分の戦いをしている彩月に言うが、こちらは僕の命令を実行しようにも、逃げ出す隙がないようだ。

「ちくしょう、味方は何やってんだよ……」

明らかに分が悪い戦いに、内心弱気になりながら、こちらの指揮官、利歌を横目で探すが、
どこもかしこも怒号による乱戦で、見つけるどころではない。
早く味方が来てくれ早く味方が来てくれと、必死に祈りながら、攻撃を繰り出す。

ガキンッ!!

金属音が鳴り響いて、僕の槍が相手の鎧に弾かれる。
だが運がいいことに、弾かれた穂先が、鎧の隙間から相手の身体に刺さり、苦悶の声をあげてそのまま後ずさって後退する。



勢いを増した僕は、彩月と槍之助が必死で相手している足軽を倒すべく加勢する。

「直樹っ、そっちの足軽の相手して!!」
「わかった!」

血走った目を向け、雄叫びをあげながらこちらに相対する男足軽の一人を僕は引き受け、今日、何度目になるか分からないほどのテンプレ化した攻撃を振るう。
鼓動が超特急のように早鐘を打ち、恐怖が襲ってくるよりも速く、叩きつけるようにして槍を鋭く直線に押し出す。

「がああああああああああっーーー!!」

槍が胸に深々と突き刺さり、口から血反吐を撒き散らしながらも、槍の柄を掴む敵。
未だに戦意は衰えていない。
槍を引き抜き、僕に攻撃しようと絶叫しながら刀を振り上げる。

「なおきいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃ!!」

僕の斜め後ろから槍を構えて突撃してきた槍の助が、すごい勢いで体当たりするように敵兵に止めを刺す。

すごい形相で「ふーふー」と荒い息をつく槍之助に、今回ばかりは感謝を示す。

助かった。
というより、おまえよく生き残ってたな。

僕は、返り血で真っ赤になった槍之助の肩を掴むと、すぐさま彩月の支援に向かう。
立花軍も後方から次々と到着しているが、山名軍の方が増えるほうが早い。
すでに味方は押され始め、逃げ出している者もちらほらいる。

このままぐずぐずしてると、僕らも冗談抜きに殺されるだろう。

僕と槍之助は彩月に合流すると、素早く敵足軽を倒し、一緒に撤退を始める。
さすがに槍之助も、この時ばかりはだだをこねず大人しく僕に従う。

「退却っ!!退却っ!!」

旗色が悪いと悟ったのか、部隊長の利歌の叫びが戦場に響き、味方に退却を命じる。


遅いんだよ。判断がっ!!

一斉に引き上げる味方と共に、僕は走りながら、利歌の声がしたほうを睨みつけるのだった。










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  1. 2012/10/08(月) 14:43:23|
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ntr属性なのに超純愛ゲーをやって自己嫌悪になった男。リハビリのために小説を書いてます。
ほぼ賢者モードで書いてるので期待しないでください。

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