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2 <超能力研究会>

僕は放課後、職員室に書類を提出し、部設立の許可をもらった。

ここまでは順調だ。
もっとも、部としての人数は5人いないと駄目だったので、ぎりぎりだったんだけど。

「なぁ、JB。ここまではいいんだと思うんだけど、おまえはどう思う?」
僕は住宅街を歩きながら、隣でいるであろう姿を消したJBに話しかける。

「そうだね、ここまでは順調だと思うよ。部を設立するなんて考えたじゃないか」

ドロンと姿を現したJB。やっぱりこいつは化け猫だ。

「これでも色々考えたからね。ところで、JB。僕の性欲増大の能力ってどこまで強いんだ?」
「それは僕にも分からないよ。能力には個人差があるからね。気分が少し高揚するくらいの人もいれば、それこそ獣のように異性に襲いかかるくらいの場合もあるんじゃないかな」
「そうか、それは迂闊に使えないな」

溜息をつく。

「でも夏雄、そこまで心配しなくていいと思うよ。僕には相手から見えなくする結界能力があるからね。いざとなれば君の姿を隠して逃がしてあげるよ」
「おまえにはそんな能力があるのか」

「そうさ。僕がなぜ自分の姿を隠したり現したりできると思う? この力のおかげだよ」

なるほどなと頷き、僕は一軒家の家に帰る。

家族は両親を入れて3人家族。両親は、共働きなので夜遅くじゃないと帰ってこない。
今までは晩飯を作るのがめんどくさいと思っていたが、こういう状況になってからはJBとゆっくり喋れるので助かる。

僕は部屋の机に鞄を置くと、リビングのソファーに座ってテレビをつける。

「JB、明日学校で、さっそく性欲増大の力を使うからよろしく頼むぞ。使う前に結界を張ってくれ」
「わかったよ、夏雄。僕に任せておいてよ」

初めてニンマリ笑ったJB。
思った以上に不気味だ。

こうして夜は更けていった。



次の日の朝、僕は学校に行く前にシャワーを浴びる。
今日、いよいよあの壬生谷さんとえっちするのだ。身体を綺麗にしておいた方がいいだろう。
念入りにちんぽを洗って、身支度を整える。

「JBいくぞ、早くしろ」

毛づくろいをしているJBに声をかけ、玄関で靴を履く。

「ちょっと焦らないでよ。すぐ前足を舐め終わるから」

「いいから、こい」

少し遅刻気味なので、JBの首根っこを掴んで外に出る。
今日はいい天気だ。






キーンコーンカーンコーン。

授業が終わり、放課後を告げる鐘が鳴る。
僕は、教室で帰り支度を済ませた、壬生谷さん、早季、誠斗、渉を拾って部室に向かう。

あてがわれたのは旧校舎の8畳ほどの和室。
今まで使われていなかったせいなのか、部屋中、とても埃だらけだ。

「これは部活どころか、先に掃除しないといけないわね」

壬生谷さんが腰に手を当てて部屋を眺めると、近くのロッカーから箒を数本持ってきた。

「ええ、俺たちもやるのかよー」

隣のクラスの渉がうんざりしたように箒を受け取った。
彼は、誠斗の中学時代からの友人で、話によると性格は誠斗同様軽く、しょっちゅう女の子に声をかけてナンパしているということだ。
かなり鬼畜だという噂をきいたことがあるが、真意は定かではない。


「ごちゃごちゃ言わない。ほら身体を動かす!」

早季が僕に箒を押し付けてくる。
僕も箒を受け取りながら、あまりの部屋の汚さに、今日は無理かなとがっかりしていた。

「JB、なんとかならないのか?」

小声で姿を消しているJBに言うが、返ってきた返事は
「無理だね」の一言だった。

仕方なく僕は、窓を開けて埃を外に逃がすと、畳を掃除しにかかる。
5人いるんだから掃除は早く終わるんだと思うけど、誠斗と渉がさっきから箒で遊んでばかりでちっともはかどらない。
しかも、早季は細かい汚れも気になるらしく、窓まで拭くと言ってるのだから、うんざりだ。

なるべく人のいないところと、旧校舎を部室に申請したのがまずかったか。

ため息をつきながら、廊下の水道からバケツに水を入れ、ぞうきんを絞って窓を拭く。
一緒に壬生谷さんが、窓を拭いてくれるのでなんだか共同作業してるみたいで嬉しくなった。

「ちょっとそこ! 何やってるの! ここは私がやっとくから、あんたはゴミ袋を捨ててきなさいよ!」

僕が壬生谷さんにデレデレしていると、顔を真っ赤にしてやってきた早季が、僕からぞうきんを奪い取り、ゴミ袋を押し付ける。
唖然とゴミ袋を持たされ茫然とする僕。これには壬生谷さんも苦笑いしている。

「仕方ないね夏雄くん。ゴミを捨ててきなよ」
「うう、なんで……」

壬生谷さんが笑いを堪えたように口を手で押さえ、何やら意味深に言うが、僕には何がなんやらさっぱりだ。
せっかく楽しく窓を拭いていたのに、この仕打ちはあんまりすぎる。
早季は、まだ赤みを残した顔で懸命に窓を拭いてるし、誠斗たちは箒で遊んでいる。なんで僕だけこんな目に……。

僕が救いを求めるように壬生谷さんを見ると、森花さんは堪えきれないように噴き出した。

「ちょっと夏雄くん。捨てられた子犬みたいで可愛い」

真っ赤になる顔。壬生谷さんが可愛いなんて言ってくれるなんて。
どう反応していいか分からず、もじもじしていると
再び、早季の罵声が飛んだ!

「あんた、まだいたの!! 早く行ってきなさいっ!」

これまで以上に真っ赤になって僕に怒鳴った早季。
その声に僕だけでなく、誠斗たちも教室から飛び出した。
いったいなんなんだよ。


「……ったく、掃除なんて適当にやりゃあいいんだよ。早季の奴にはまいるぜ」
「そうだよな、でも早季ちゃんってさ。可愛くない? あの気の強いところとか好みだぜ」
「まじかよ、渉、おまえの女の趣味だけはわかんねぇわ。俺は断然、壬生谷さんだぜ」

焼却炉に向かう僕の前を歩いてる誠斗たちが、のんきに女の子の話をしながらゲラゲラ笑っている。
いいかげんにしろよ、おまえら。

僕は気づかれぬよう、姿を消したJBに話しかける。

「なぁJB、おまえには他に能力ないのか? 相手を無条件に従わせるとかさ。このままだと性欲増大の能力を使っても早季が妨害してきそうなんだけど」
「そんな能力ないよ。僕にできることは姿を消すことと、気に入った相手を超能力者にすることだけさ」

「そうか、そうだよな」

この役立たずめ!と、思いながらゴミ袋を持ち直す。

「でも大丈夫さ、性欲増大は快楽優先だからね。始まってしまえば妨害できないと思うよ。それは僕が保障する」
「本当か、それなら問題ない。それを聞いて安心したよ」

胸のつっかえが取れ、一気に顔が明るくなる。壬生谷さんとこれからすることを想像して、ちんぽが立った。

「さぁ走っていこうぜ。掃除もまだ残ってるしさ」

僕は、嫌そうな顔を浮かべた2人の肩を叩くと、焼却炉に向かって駆けだした。
部屋さえ綺麗になれば、僕は童貞卒業だ。



2時間後、ようやく掃除は終了した。
残念ながら時間が掛かって、外は真っ暗になっている。
今から性欲増大の能力を使っては、帰りがかなり遅くなるため、今日は諦めるしかないだろう。だけど、これでもう自分の邪魔をするものがないのだからウキウキする。
あとは今日のオナニーを我慢することくらいだ。そうすれば明日、とんでもなく気持ちよく出せるだろう。

「あー、もう、こんな時間か。じゃあまた明日な」

誠斗がいち早く部室から飛び出し帰る。
続けて、渉も僕たちに「じゃあな」と言って出て行った。
戸締りとか押し付けられるのが嫌なんだろう。逃げるようだ。

「それじゃあ、僕もこれで……」

ふたりの思惑を知り、僕もコソコソと帰ろうとするが、
「待ちなさい」
と、早季に呼び止められた。

「なに……?」
和室の窓を閉め、カーテンを閉めていた早季が僕に近づくと、案の定
僕に戸締りをして帰るように要求した。

やっぱりね。


3人で職員室に鍵をかえし、校門を出る。

「じゃあ、私、こっちだから」

帰り道が違う壬生谷さんが、僕とは別方向に歩き出した瞬間、思い出したように早季に近寄り、内緒話をするように手で丸く輪っかを作って早季の耳にかぶせた。
僕には何も聞こえなかったが、早季はそれを聞いてみるみるうちに赤くなる。
「じゃあ、今度こそ、夏雄くん、早季のことよろしく~!」
「森花っ!!」
あっというまに去っていく壬生谷さん。よろしくってどういうこと?

街灯だけが照らす、住宅街を僕と早季は歩く。
早季の家は僕の家と近いらしく、壬生谷さんのさっきの言葉の意味はこういうことだったんだなと合点する。

「……ねぇ、あんた。森花のこと好きでしょ?」
「えっ……」

いつも突っかかってくる早季にむかって何を喋っていいか分からず、ずっと無言のままで歩いていた僕に
意外にも早季の方から話しかけてきた。

「あ、いや。別にそういうわけじゃないけど……」

正直に言うと、またどやしつけられそうだったので僕は嘘をつく。

「……ふーん。ま、いいけど」

隣で歩く早季がそれを聞いて、そっけない声で明後日の方を向いた。

「………」

そうしてなんとなく気まずいまま僕たちは歩く。
そして信号を二つ超えたところで、再び早季が言った。

「じゃあ、好きな子のタイプはどんな子なわけ?」
「……はっ?」

まさかこいつの口からそんな言葉が出ると思わず、隣を振り返ると、早季は慌てて手を振った。

「別にあんたがどんな子が好きなのか興味ないけど、一応聞いとこうと思っただけよ。勘違いしないでよね!」
「あ、ああ……」

すごい慌てっぷりに思わず頷くと、早季は畳み掛けるように言葉を続ける。

「それで、どんな子が好きなの? やっぱり森花みたいに長い髪の子が好きなわけ!?」
「い、いや、別に髪の長さで好き嫌いにならないから」
「はっきりしないわね! じゃあ、いったい誰が好きなの!やっぱり森花!?」

いや、もうそれは、好きなタイプじゃなく好きな子だろ。
少し顔を赤らめた早季の剣幕に押されながら、僕はこいつが納得しそうな言葉を探す。
そして睨みつけるこいつを怯ませる、いい言葉を思いついた。

「そうだな。僕の好きな子は元気で明るくてハキハキしてる、そう、早季みたいな子だな」
「あっ……」

一瞬呆けたような顔をした早季、だが次の瞬間、暗闇でもはっきり分かるほど顔から耳まで真っ赤になり、頭から煙があがりそうなほどになる。

「ほ、ほんとでしょうね……」
「へっ……?」

「ほんとかって聞いてるのよ!! この馬鹿っ!」

僕の襟首を掴んで、僕を睨みつける早季は、今まで見たこともないほど真っ赤になっている。
僕はそれに押されて、必死で頭をカクカクする。

「そう……」

それを聞いて背を向けた早季。なんだか震えている。

「あの、渡部さん?」

「……わたし、あっちだから帰るね。ここまで送ってくれてありがとう」
「いや……俺もこっちの道だし……」

そんな言葉など聞こえなかったように早季は駆け出す。

なんなんだと、遠ざかる早季の後姿を見ていると、クルリと早季は振り返った。


「部活誘ってくれてありがとう、わたし、嬉しかったよ!」

そういうと、早季は再び後ろを向いて駆け出した。



その姿を見つめながら、これからのことを考えて、僕の心はなぜか北風の冷たい風に晒されているように、強い痛みを感じるのだった。










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  1. 2012/10/24(水) 11:56:00|
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