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モブの植木鉢小説館

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4 二日目その2

「まったか?」
「遅い。」
3階に着いた俺を待っていたのは、階段の手すりにもたれていた川村の不満そうな一言だった。
「悪い。ちょっと色々あって遅れた。」
「まっ、いいけど。じゃあ、どこでする?」
案外さっぱりした様子の川村に胸を撫で下ろす。

「じゃあ、そこの教室でいいか?」

そう言って、階段傍の教室を指でさす。
3階は現在のところ使われてないため、空き教室がいくらでもある。
なので、まわりを気にする必要がない。えっちするなら基本3階ならどこでもOKだということだ。

一応説明すると、この苺山学園は職員室のある中央校舎を中心に、4つの校舎がそれを囲むように東西南北に建っている。
そして1年には5クラスしかないため、それぞれの校舎に一つずつ配置されている。
つまり、中央校舎に1年1組、東校舎に俺の1年2組、さらに西、南、北と男子1名ずつを振り分けた345クラスが存在するということだ。
まさに無駄遣いにもほどがあると言っていい配置の仕方だろう。

俺は、前を歩く川村のスレンダーな身体を見ながら、初めてのえっちに胸を高鳴らせていた。



「何もないわね。」
「そ、そうだな……。」

教室に入ってみると、使われていないせいなのかガランとしており机や椅子など本来ある備品が一切ない。
あるのは磨かれたばかりと思えるほどの綺麗な緑色の床と真っ白なカーテンだけであった。

「さてと」

川村が教室の半ばまで来ると、スカートに手を入れ白いパンツをおろす。

色気も何もあったもんじゃないほどのあっさり感。期待で胸を膨らませている俺とは対照的な態度。
ムードもへったくれもない状況に俺は戸惑う。これじゃあ、緊張していた俺が馬鹿みたいじゃないか。一気に脱力した俺をよそに川村がパンツを床に放って、どんな体位でする?と聞いてくる。


「ああ、それじゃあ……」
床で、と答えそうになり、頭を振って考えを改める。

床で寝ころんでやるのは、なんとなく嫌だ。
ただでさえ雰囲気が事務的なのに床の上でやったら表情も見える分、よけいに作業的になりそうだ。
初エッチがこれだとあまりにさみしい。
俺は川村の顔を見つめると、教室のドアが閉まってるかもう一度確かめ、言う。

「壁に手をついてお尻をこっちに突き出してくれるか?」

こうなったら自分の好きな立ちバックでしようと、川村に黒板横の壁に手をつくよう頼んで、俺もズボンとパンツを脱ぎ捨てる。
女の子の前でズボンとパンツを脱ぐのは勇気がいったが、こうなったらなるようになれだ。
俺は壁に手をつき後ろを向いている川村の腰をよりしっかり後ろに突き出させると、そのまま制服のスカートを腰まで捲くりあげた。


(これが生おまんこか)

目の前にある少し開いた貝のような膣口を見て、俺は思わず唾を飲み込む。
夢にまでみた女の子の大事な場所。子作りするために必要な大事な場所。

ここに俺がちんぽを入れて射精するのだ。


「恥ずかしいから早くして……」

まじまじと俺に見られるのが恥ずかしかったのか、川村が顔を赤らめて言う。
先ほどまでの作業感など微塵も感じさせないほどの恥じらい。
俺はそのギャップに激しく興奮し、耐えきれないようにくびれた腰を少し乱暴に掴んで、勃起したちんぽを膣口に近づけていく。

本来なら先に愛撫するのだろうが、そんな余裕など童貞の俺にはない。
頭は沸騰し、ドクンドクンと心音が痛いほど耳を打つ。
少しでも早く入れようと焦り、何度か膣口に亀頭が触れては離れるを繰り返す。
それが、川村にはいい刺激になっているらしく、お尻をモジモジと軽く左右に動かしている。

「じらさないで。」
「ちょっと待って」

焦りながらも、なんとか入れようと割れ目を指で左右に拡げる。

よし、これなら!

勃起したちんぽがようやく膣の入り口にハマり、くちゅりと音を立てて入っていく……。

(は、入ったぁ!!)

ついに童貞卒業!初挿入!

意外にもよく濡れていた為、すんなりとズブリと入った俺のちんぽ。
軽く息を吐いて、手を腰から川村のお尻へと持ち直す。
そして、これから腰を振る!という段階で、早くもこみ上げてくるものを感じ、焦る。


うう……やばい……。
まだ腰を動かしてないのに、もう出てしまいそう。
腰を振って射精するのがゴールなのに、挿入したら射精するのがゴールになってしまってる。
ぬるりとした生暖かい膣肉の感触と締めつけに、
俺はお尻を掴んだ手に力を入れ、歯を食いしばって必死に耐える。

「どうしたの? 早く腰を動かして」

未だじらされていると思ってる川村が、艶の含んだ声で俺に言うが、そんなことをすればあっというまに射精してしまう。
川村の白くて丸い尻を見ているだけでもやばいのだ。
先ほどまで童貞だった俺には酷というものだ。

わずか数秒の我慢が数分にも感じられ、もはや自分ではどうしようもない限界を悟った。

「くそっ!」

竿の半ばまで、自分の精液が勢いよくあがってきてるのを感じると、俺はヤケクソとばかりに腰を激しく振り始める。

「ちょ、ちょっと。あんっ!」

いきなりの激しい突きに川村が抗議の声をあげたが、瞬間、すぐにその時は訪れた。

どぴゅっどぴゅっ!どぴゅっ!

5回……。腰を振ってからわずか5回で射精する。

あっけにとられてる川村と呻き声をあげて射精をする俺。

俺の腰が、寒空の下に放り出されたようにぶるぶると震え、川村の中に全てを吐き出してゆく。
そしてその全てを出し終えると、俺はようやく「ふぅ」と息をついて彼女の尻から離れた。

「終わったぞ、ありがとう」

「………」


満足した笑顔で礼を言った俺に対し
壁から手を離し、こちらに向き直る川村の表情は無表情。いや、少し軽蔑の色が混じってる。


「……ずいぶん早いのね。教育ビデオで見たえっちとだいぶ違ってたみたいだし」
「そ、そうかな?」

自分に思い当たるところがありまくったが、とりあえずすっとぼける。

「ええ、そうよ。ちょっとしか気持ち良くなかったし、聞いてた話と全然違うわ」
「そ、それは気のせいじゃないかと……」

心にやましいことがある俺は、背中で汗をかきながら答える。
川村は、スレンダーなポニーテール美人なのだが、怒ると結構怖いっぽい。
今までのやり取りからさっぱりした感じだったのだが、こういう場合はさっぱり流してくれないらしい。

「私、結構期待してたんだけどなぁ。芝山くんとのえっち」
「うう、そうでございますか……。」
「ええ、そうよ。かなり期待してたのにがっかりね。それにあなたのソレ、ビデオで見たのよりだいぶ小さいみたいだし」

「うっ、それはよけいなお世話だ!」

俺の小さくなったちんぽを指さして言う川村に、たまらず敬語をやめて言い返す。ほっとけば言いたい放題言われそうだ。

「だいたいだな。お前は俺ばかり責めているがお前はどうなんだ。最初は別にえっちの一つや二つ軽くやらせてやってもいいっていう、そっけない態度してたくせに!」
「あ、あれは、私だって緊張してたのよ。わ、わるい!?」

「えっ、あっ、そうなのか?」

ドキドキ感を返せとばかりに言い返した俺に対し、川村は顔を真っ赤にしながら怒鳴る。
行為に及ぶ前のあっさりした感じは彼女なりの照れ隠しだったようだ。
それを聞いて俺は思わず可愛いとこもあるんだな。と思ったが、文句を言われるのとは別問題だと思い返す。

「と、とにかく俺も初めてだったんだから、多少の失敗もある!これ以上文句言うのはやめてくれ」

俺は、素早くパンツとズボンを履くと川村を残して教室を飛び出る。
出る間際に川村が俺に何か言ったようだが無視する。俺だって初えっちの理想というものがあって、色々と夢想してきたのだ。
こんなゲームに巻き込まれてなきゃ、もう少しマシなえっちになっていたに違いないはずなんだ。

俺は階段を駆け下りながらそんなことを思うのだった。






「おかえり、勇太。どうだった?」

教室に帰った俺を待ちかまえていたのは奈々だった。俺が教室に入ると、すぐさまこちらに駆け寄って来る。

「……最悪だったかもな。」
「えっ!そうなの!大丈夫だった!?」

奈々が驚いた顔で、俺の身体をあちこち見まわしているが、俺自身はどうということはない。
問題があるとしたら最低ともいえる体験をした川村のほうだろう。

「ああ、特に問題ない。それより飯にしよう。弁当作って来てくれたんだろう?」
「う、うん。わかった。」

心配げに俺の身体を見ていた奈々が顔をあげたのを見計らって俺は自分の席へと向かう。

そこで2人で机をくっつけ弁当を広げた。

「それで、どんな様子だったの?」

他のクラスに偵察に行ったと思ってる奈々が言う。

「そうだな。簡単に言えば、俺が早いのが悪かった……のか」
「んーと、行ったのが早かったってこと?」
「そう、イったのが早かった。あれじゃあ、怒っても仕方ないかもしれないな」

「ええー!相手怒ってたんだ」
「ああ……かなり怒ってた」

「それは大変だったね……」
「ああ、大変だった」

互いに話が微妙に食い違っているとも気付かず、話題は他へと変わる。

「そういえば、ここって保健体育の授業多いよな」

時間割を見て気になっていたことを思い出して言う。
この学校の保健体育は週6時間もあったのだ。明らかにおかしい。

「うん、でもこの学校こんなだし、ありえないことじゃないかもしれないよ」
「まぁ、それはあるかもしれないな」

奈々が作って来てくれた弁当のおにぎりを食べながら頷き返す。

「それより、勇太は部活とかするの?」
「部活?」
「うん。部活」

「そういや、部活のことは考えてなかったな……」

両手を頭の後ろにまわして考える。中学の頃ならゲームやら遊ぶ時間が減るので嫌だったが、この苺山島では娯楽が乏しい。
これなら部活に入って青春生活を送るのも悪くないかもしれない。
テニス部や水泳部などに入れば、目の保養になるし、かっこいいところを見せれば女の子にキャーキャー言われる可能性だってある。

「ぐふふふ……」

沢山の可愛い女の子に囲まれてチヤホヤされる自分を想像して頬が緩む。
気分はもはや王様だ。



「……はたして、そう上手く行くかしら?」
「なっ!?」

いい気分に浸っていたところに、突然、凛とした美しい声が割り込み、俺は慌てて手で口を押さえる。
「心配しなくてもいいわ。口に出してないから」
俺の考えていることをズバリ言い当てるように言ったのは、やはりというか宿敵の桜。
いつのまにか俺の机の横に立っている。

「い、いつのまに……」

開けっぱなしの窓から入って来る心地よい風を浴びるようにして凛と立っている桜を見て、茫然と呟きを漏らす。

「さっきからよ。誰かさんは妄想に耽っていたので気付かなかったかもしれないけど」
「うっ!」

「えっ、桜ちゃんどういうこと?」

不思議そうな顔をして奈々が桜に聞き返す。
よけいな事を言わなくていいのに。どうして聞いちゃうんだろうね、この子は。


「ふふっ、こっちのことよ。それより上手くいったのかしら?」
「まぁ一応は……な」

川村とのえっちの件だと察した俺が、少し苦渋を浮かべながら水筒からお茶をコップに入れて飲む。

「なにか色々あったみたいね。まぁ想像はつくけど。分かってると思うけど1人じゃ足りないわよ。最低でも今日中に……」
「分かってる」

桜の淡々とした物言いを遮るように言葉を重ねる。
分かっている。そんなことは俺が一番、な。


「ならいいけど、じゃあ、私はちょっと用事があるから」

桜はそれだけ言うと踵を返して俺たちから離れていった。







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  1. 2012/11/15(木) 16:21:11|
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