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3 二日目

学園生活2日目。火曜日


チュンチュンと聞こえるスズメの鳴き声で目が覚める。自然が多くこの辺りに何もないせいなのか、鳥の鳴き声がよく聞こえる。
昨日は早く寝たせいなのか頭がやけにクリアだ。

俺は欠伸をしながら部屋を出ると、リビングを見渡す。
どうやら奈々は食後の後かたずけをした後、ちゃんと帰ったようだ。食卓や台所が綺麗になっている。

「さぁ飯にするかな」
チラリと壁に掛けられた時計で時間を確認すると、台所に向かう。
まだ7時なのでかなり余裕があるだろう。



台所にあった鍋に昨日のシチューがあったのでそれを温めて食べる。
かなり作ってあった為に、今日の晩御飯もシチューでいけそうだ。大好物なので問題ないが、ちょっとこのままでは晩御飯にしても食べ切れそうにない。
「うーん、シチューは弁当に持っていけそうにないし、どうすっかな」
学校に行くために身だしなみを整えながら考える。
「まぁ、奈々がまた来た時に食べさせたらいいか。」
深く考えずにそう決めると制服に着替え、気合いを入れる。
なにせ今日からえっちをしていかないと留年か退学してしまう可能性が高いのだ。
一週間以内にえっちをしないといけない人数は校則(ルール)によると最低でも15人。
昨日、無駄に過ごしてしまったので残りは6日。今日は少なくとも3人抱く気でいかないときつい。
なんとか拝み倒してでも、クラスの女の子にお願いしなきゃいけない。



「勇太、起きてる?」
丁度7時半になった頃だろう。
制服に身を包んだ奈々がひょっこりとドアを開けてウチに入ってきた。

「おいおい、ノックくらいしろよ。ぶっそうだろ」
「大丈夫だよ。ちゃんとカギを開けてから入ってきたから」

悪びれもせずに奈々がポケットからカギを取り出す。
どうやらスペアを作ってあったらしい。

「……まぁいいか。それより飯食ったからそろそろ学校に行ってくる」
「えっ、もう行くの? まだ7時半だよ」
「ああ、ちょっと用事があるからな。奈々はシチューを温めてあるからそれを食べてから来てくれ」
「えっ?えっ?ちょっと、ちょっと待って、勇太!」

俺は学生鞄を持って足早に寮を出る。
やはりというか朝早いせいか外を歩く人影は皆無であった。
暫く歩きだして、後ろを振り返ったところ、奈々がついて来ている気配がなくてホっとする。

実のところ、これほど朝早くに寮を出たのは訳がある。
それは、もちろんえっちのことである。授業の合間にクラスメイトに頼むのは、他人の目があるのでどうしてもきつい。なので朝早くに部活の練習や何かで教室に来ている生徒に頼もうと言う訳だ。


自然と足早になるのを自覚しながら、どうか上手く行きますようにと何度も心の中で祈る。

こんなゲームに参加することになってホント最悪だ。





「………」

教室に着くと、3人ほどのクラスメイトがいた。他に人がいないということから、この時間に来ているのは3人だけのようだ。
俺は、内心で安堵の息を吐きながら、さりげなく自分の席に座る。
後は、なんとかしてクラスメイトの一人を連れだし、頼み込むだけだ。


チッチッチッチッチッチッ……。

やはりというかなんというか、色々な事が頭によぎって行動に移せぬため、時間だけが静かに過ぎて行く。
7時41分。
まだ生徒が大量に登校してくるまでには余裕がある。
とはいえ、あんまりモタモタしてると、他の生徒や奈々がやってくるだろう。
ジリジリと焦る気持ちが湧き上がるのを自覚しながら、俺は3人のクラスメイトに視線をやる。
クラスメイトのうち2人は、ヒソヒソと顔を突き合わせて何かを喋っており、もう1人は机でノートに何かを書き込んでいるようだ。
声をかけるなら1人のほうだろう。俺は意を決して、席から立ち上がる。
椅子を引く時、ガタリと思わぬ音が出たが、幸いにしてクラスメイトたちは気にした様子はない。
俺は、心臓の音が高鳴るのを感じながら、ノートに何かを書き込んでいる女の子に近づいた。

「おはよう。何してるの?」
まずは挨拶とばかりに、ノートに何かを書き込んでいる黒髪のポニーテールの女の子に声をかける。

「ん?」

初めて俺の存在に気付いたとばかりに顔を上げ、俺をマジマジと見る名前も知らない女の子。
ちょっと気の強そうなとこがある、活発な女の子のような印象を受ける。

「おはよう。えっと、芝山くんだっけ?」

「ああ、そうだけど、えっと……」
「ああ、わたし? わたしは川村美咲、よろしくね。」

にっこり笑って友好的に接してくれる川村美咲。なかなかの美人だ。

「それでさっきの質問の答えだけど、単なる予習よ。今日から授業だからね。」
そう言って見せてくれたノートには数式が埋め尽くされるようにびっしり書かれており、頭がいいとは言えない俺は軽く目眩を憶える。

「ふ、ふーん。結構まじめなんだ」
「そうでもないよ。初日だから頑張ってるだけで」
顔が引きつらないように苦労しながら言った俺に対し、少し照れた様子で謙虚に川村が言う。

これがあの桜だったりしたら「当然のことよ。それよりあなたはどうなの?」とか嫌味を言ってくるに違いない。



「それで何か用かな? 何か用があるから声をかけてきたんでしょ?」
「ああ、いや……」
まるでこちらの話を見透かしてるような問いに、思わず口ごもる。そんなに分かりやすいだろうか。

静寂の空気が支配する教室のなか、俺の頭がグルグル回転する。
もうはっきりえっちしてほしいと言うべきだろうか、それともどこかへ誘うべきだろうかと。
冷静に考えれば人気のない場所でお願いして、そのままえっちというのが効率いいのだが、てんばってしまってそこまで頭が回らない。
そもそも、童貞の自分が「いきなりえっちしてくれ」などと言うには荷が重すぎるのだ。

俺がどうしようとまごついてるうちに、一向にはっきりしない俺に業を煮やしたのか、

川村の態度が目に見えてイライラし始める。



「あのさ、芝山くん。わたし、はっきりしない男の子が嫌いなの。
えっちしたいならえっちしたいってはっきり言う。そのほうが私もスッキリして気持ちいいから。」

「うっ、すみません……」

軽くへこむ。
クスクスと控えめな笑い声が聞こえることから、他の2人にも話を聞かれてしまっていたらしい。


ふぅ、と溜息をつく川村。
恐らく呆れてるのだろう。
というか、俺だってえっち以外の頼みならはっきり言ってるのに理不尽だ。

「それでもう一度聞くけど、わたしに何か用?」

改めてこちらに尋ねる川村さん。
もう、ここで言わなきゃ、男じゃない。

「じゃあ、はっきり言うけど俺は進級したい。だから川村、お前を抱かせてくれ」

川村としっかり目を合わせて真剣に言う。甘い雰囲気とは無縁のなか、目を逸らさない。
ここで目を逸らしたら断られると思ったからだ。


「……わかった、いいわよ」

見つめうこと数秒ほど、川村が口元を緩ませ了承した。

よかった……。
OKを貰った瞬間、一気に肩の力が抜ける。
嬉しさというより、緊張感の方が強かったせいだ。こんな感じで、これから毎回緊張を強いられるとなればかなり疲れそうだ。まるでお願いという名の告白をしている気がする。
ドカリと椅子に座った俺の傍で、いつのまにか近づいてきた2人のクラスメイトが「きゃあきゃあ」黄色い声をあげながら川村に話しかけている。
話の内容は聞かずとも分かる。どうして俺に身体を許す気になったのかということだろう。
男の数が少なくなったこの世界でも女の子は色恋沙汰が大好きだということだ。



「それでいつするの?」

ボーとしていた俺に川村が話しかけてくる。

「あ、それは。」

教室の時計で8時近いのを確認すると、今からでは無理だと判断する。


「昼休み、昼休みに3階の階段前で待ち合わせいいか?」

クラスメイトの2人が注目するなかで、俺はそう、約束を取り付ける。
これで話は終わった。

あとは昼休みになるのを待つだけだ。








「勇太、お昼食べよ♪」

昼休み。
クラスの連中がそれぞれ食事や休憩のために教室から散っていくなかで、やはりというか、弁当を二つ持った厄介な奈々が俺の前に現れる。
いつもなら全然構わないのだが、今日に限ってはまずい。約束のこともあり、一刻も早く待ち合わせの場所に行きたい。
幸いというべきか、まだ川村とのえっちの件は耳に入ってないようで、笑顔も無邪気そのものだ。
もちろん万が一耳に入れば何が起こるか分からないため、このまま知らずにいてほしいものである。くわばらくわばら。



「すまん!ちょっと用事があるから!」

俺は賢者のようなにこやかな笑みを浮かべていそいそと席から立ち上がり、教室から出て行こうとする。が、案の定、待ったとばかりに奈々が不審な目を俺に向け立ち塞がる。
その目はどこに行くの?と伝えている。


「いやいやちょっと、うん。あれだ。ほら、学校を見回ろうと思って!」

嘘臭い笑顔を浮かべながら、俺は自然とにやける。
実のところ落ち着いてみれば、授業中、川村とのえっちのことばかり考えていて、気分が浮足立っていたのだ。

だが、奈々はにやけている俺を見て、なにかの確信を得たかのようにして頬を膨らませる。


「わたしも一緒に見回りに行く!」

力強い奈々の宣言。それを見た俺は慌てる。

「いやいや、奈々さん、それはちょっと……」
「どういうこと、わたしがついていったらまずいの!?」
「いや、そういうわけじゃないけど」

すごい剣幕の奈々に俺はたじろぐ。
とはいえ、一緒についてこられたらたまらない。ここはなんとかして引きはがさないと。
「むー」とこちらを睨む奈々をなだめながら、俺は教室を見回し対処法を考える。

と、そこでなんとかしてくれそうな女が視界に入り、すぐに声をかけた。


「おい桜!」

丁度机で弁当を広げていた桜だったが、俺の声でこちらに振りかえった。

「なにかしら?」

相変わらずの淡々とした声。だがその冷静さが今の俺には必要だ。

「すまん。ちょっと奈々を見ててくれないか」
「あら、なぜかしら? 一緒に連れて行ってあげればいいのに。きっと楽しいわよ」

人の悪い笑みを浮かべ、俺に言う桜は、きっと俺の用事を知っているのだろう。相変わらず嫌な女だ。

「そんなこと言わないでくれ。あとで何か奢るから!」

刻一刻とこうしている間にも時間が過ぎるので焦る。
すでに教室に川村がいないことから3階でもう待っているのかもしれない。
あいつは結構短気っぽいので、待たせると怒りだして約束がなかったことにされる可能性だってある。
桜に多少の妥協をしても奈々の相手をしてもらうしかない。

「ふっ」

それを聞いた桜は、持っていた箸を置いて立ち上がると、おもむろに美しく長い黒髪をなびかせ奈々に近づく。

「な、なに、桜ちゃん。いくら桜ちゃんが止めても私は勇太についていくからね!」
そう言って警戒するように俺の制服の袖を奈々は掴む。
だけど桜はそれに一瞥することなく、口を開いた。

「奈々、彼を離してあげてくれる。彼はこれから他のクラスの偵察に行かなきゃ駄目なの」
「えっ!」

驚く奈々。いや、俺も内心驚いているが、いったいこれはどういうことなのか。

「奈々、分かっていると思うけど、もうゲームは始まってるのよ。昼休みに相手の様子を見に行くのは、私が彼に言ったこと。
だから行かせてあげなさい。すぐに戻ってくるから」

「うう……勇太。そうなの?」

袖を掴み上目遣いでこちらを見る奈々。
一瞬、罪悪感が湧いたが、ここで情けをかければ、さらに時間が過ぎる。

「ああ、他のクラスの様子を見てくる。だからここで飯でも食って待っていてくれ。」

「うう、そうなんだ。分かった。」

仕方なしとばかりに奈々が袖から手を離し、俺はホッとする。

「じゃあ、行ってくるから!」

はやる気持ちを押さえて、俺は教室から飛び出る。
あとで桜に何を要求されるか分からないが、それは忘れよう。
今は、えっちが全てだ!

階段で念のためにと後ろを振り返り奈々がつけてきてないか確かめると、俺は3階へと駆け上がった。









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  1. 2012/11/10(土) 10:18:50|
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ntr属性なのに超純愛ゲーをやって自己嫌悪になった男。リハビリのために小説を書いてます。
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