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7──サンプル──

8月12日 午前1時21分 研究所 医療検査室  細川弘毅


「どうですか信也坊ちゃん、お楽しみいただけてますか?」
「うん、なかなかいい締りだよ。可愛いし上物じゃないか。それに母乳も出るし最高だよ」

医療検査室、検査で使うその白いベッドの上で、遥は中学生の信也という男に犯されていた。

「あっ、ふあっ…あっ、あっ、あんっ!」

目の前の藤乃宮遥という少女、いやサンプルが、白い裸体を晒して正常位で喘いでいる。
発情しているこのサンプルには自分が犯されているという認識はないだろう。自分から腰を振っていることから明らかだ。

天目財閥次期当主になる予定の信也を研究所に呼び寄せたのは先ほど、
所長が帰宅した後だ。
天目財閥総帥の孫というだけのクソガキにこうやって媚を売るのは面倒だが、ご機嫌をとっておけば俺の出世も安泰だ。すでに言質もとってあるし未来は明るい。

目の前の信也が、サンプルの両足を自分の肩に乗せて腰を振るのを、俺は冷めた目で観察し続ける。
妊娠しているサンプルには、事前に注射器を通して生体チップを送り込んである。
目の前のガキ共の交わりでデータをとるためだ。

その傍では俺の信頼できる側近が、モニターで監視している。

「……どうだ。何か変化はあったか?」
「今のところ、脳波、心拍数、血圧ともに異常なしですね。サンプルの状態は安定しています」
「そうか、引き続き頼む。妊娠した貴重なサンプルだからな。できるだけデータを取りたい」
「わかりました」

この研究所のデータでは、もはや満足できない。
なぜなら投薬実験できるのは、もう余命いくばくもない患者たちだけだからだ。
性欲などほとんど残っておらず、命さえ燃えつきそうな者に投薬したところで、取れるデータは知れたもの。
健康な若いサンプルに投薬してこそ、こちらの欲しいデータが取れるというものだ。

その点、あの桐沢真由美という学生はよくやってくれた。
俺の思い通りに動き、こちらの欲しいサンプルを望まぬ形とはいえ、提供してくれたのだからな。

俺は、含み笑いを噛み殺しながら、目の前で交わるふたりを見守る。


麗子はクソだ。
自分と同期でありながら、俺より先に汚い手で所長になり俺を見下した。
奴は、健康体への実験を強行に反対し、いつまでたっても研究を進ませてくれなかった。
このタイプαを作り出したのは俺の功績が大きい。だが奴は副作用が強いと、俺の功績をほとんど認めなかった。どうしようもないビッチだ。

だから奴が俺より優秀だということはありえない。
ありえないのだ。
絶対に。



「あぁーー!!イクうううううぅぅぅぅ!!」

ベッドの上でサンプル背を逸らし痙攣した。
こちらに背を向けている信也も微妙に腰を震わせながら、サンプルの乳房に吸い付いている。

普通の男なら自分も混ざりたい心境だろう。
研究者の俺にとっては、ただのアニマルだが。

「おい、数値に変化はあったか?」

ふたりが絶頂に達したのを見て、俺が側近に話しかける。

「いえ、脳波と体温、心拍数に変化はありますが、それも通常の範囲です」
「そうか。女の副作用が現れると思ったんだがな。上手くはいかないか」

男性の副作用は1日に約20回以上射精すれば、死亡するということは分かっている。だが、女性の副作用がまだ不明なのだ。
これが分からないことには、例え男性の副作用をなくしたところで、意味がない。
あとで女性の副作用がでました、では困るのだ。

タイプαの深刻な副作用、あれさえ克服できれば巨大な利益を生み出せる。
男なら1日で20数回の射精。女ならどんな不癇症でも淫乱なメスに。
世界中から注文が殺到するだろう。
だからなんとしてでも、それを発見し克服しなければならない。

俺は左手にはめた腕時計を見た。

──午前2時。
サンプルに変化がない以上、ここからふたりの交わりを見るのは時間の無駄だ。
時間が時間だけに馬鹿らしい。
最後にモニターに視線をやると、俺は信也に声をかけた。

「信也坊ちゃん、もう2時ですし終わりにしましょう。家の者も心配します」
腰をまだカクカクふっている信也。見ているだけで不愉快だ。
「ん……、もうそふな時間。じゃあ、こいふを持って帰って家で続きをやじゅよ。表に車をまわふといて、じゅぷっ」

乳房をしゃぶりながら答えた信也。
何を言ってるんだ。こいつは?
冗談ではない。この貴重なサンプルを持っていかれてたまるか。

「申し訳ありません。この娘は明日、村山所長の検査を受ける予定なので」


「村山?」

乳房から唾液を撒き散らしながら口を離した信也。
その顔は不機嫌そのものだ。

「あいつ、まだ処分できないの? さっさと追い出しちゃいなよ。邪魔なんだよ」
「申し訳ありません。まだ所長にはこの研究所にいてもらわないと」

まだサンプルがいるというのに軽はずみな言動をした信也に内心で腹を立てる。
サンプルの表情は性への快楽で蕩けきっているから大丈夫だと思うが危険なのは変わりない。
なにせここにいる4人の人間のうち、麗子が一番信用しそうなのがこのサンプルなのだから俺が危惧するのも当然だ。
まぁそれだけ俺を筆頭とする男たちの信頼がないわけだがな。

白衣のポケットに手を突っ込み、ニコニコと作り笑いを浮かべる。

それに麗子を失脚させるのは早い。
奴はまだ使い道がある。

先日作り出された、新薬『タイプγ』

あれの完成には、奴の力がまだ必要なのだ。

「ふ~ん、まぁいいか。一番あいつを嫌っているお前がそういうなら、何か考えがあるんだろ。今日は大人しく帰るとするよ。でもまたこいつで遊ばせてくれるんだろ?」
「はい。それはもちろんです。タイミングを見てお呼び出し致しますので、楽しみにしていてください」

着替え終えた信也を車まで送り、側近に命じてサンプルを隔離室へ帰す。
昼からは別の検査をすることにしよう。










8月12日 午前9時5分 研究所 地下5階 廊下  村山麗子


早朝、私は朝日の光が入らぬ地下5階の通路を靴音を鳴らして歩いていた。
白衣を身にまとい、先ほど口に含んだコーヒーの後味を感じながら、昨晩の考えを思い返している。

細川が持ってきた報告そのものが偽りの可能性。
つまり、藤乃宮遥と死んだ春山啓介だけが、タイプαを摂取したと報告してきたが、犠牲者はそれだけにとどまらないのではないか?という可能性についてだ。

藤乃宮遥がタイプα摂取者であることは間違いないだろう。
そんな嘘をついたところで、私自らが検査をすればすぐに発覚するし、細川自身、そんなすぐばれるような嘘をつくとは思えない。

となると、優先すべきことは雅彦の検査だが、再び学園とタイプαの行方についても調査が必要だろう。

桐沢の昨日の態度から何か隠しているのは確かだが、確たる証拠はない。
とはいえ、タイプαを持っている可能性が高いのは、やはり桐沢とその周辺だ。そうでなければ、雅彦に害を与えるのは難しい。
なぜなら学園外では雅彦にSPがつくからだ。そうなれば雅彦に接触するのは厳しくなる。

「念のため、桐沢の検査もしておくか……」

隔離室で出会った時の理知的な様子から薬を摂取してるとは考えにくいが、万が一ということもある。
このまま奴が白を切り続ければ、自白剤を使ってタイプαの隠し場所と誰に使ったのかを吐かせなければいけない。時間的猶予はあまりないからだ。
もし、誰に使ったのか分からなければ、桐沢周辺の人間を全て密かに検査しなければならない。数人ならば隠密に事が運ぶかもしれないが、数十人となれば問題だ。学園にもそのことが知られるだろうし会長の耳にもはいる。植物研究所がなぜそんな検査をするのだと疑われてしまう。

このことが島外なら別の病院に密かに依頼するなり、血液採取できたのだろうが、あいにくとこの島にある病院は全て天目財閥傘下にある。他の医療関係者を使うのは難しい。
島外から呼び寄せるにしても、港の出入り口に天目財閥の目が光っているので厳しいのだ。大人たちの入島許可を規制しているのが逆にあだとなっている。


私は桐沢のいる監禁室のカギを開け、中にいる少女に挨拶をした。

「おはよう。よく寝れたかな桐沢くん。今日こそ、タイプαをどこに隠したか喋ってもらうよ」



「何度訊いても答えは一緒ですわ、村山さん。ワタクシにはなんのことだかわかりません」

「………………」

ベッドと椅子だけという、6畳ほどの部屋で尋問を始めて1時間。
私と桐沢の押し問答は続いていた。

私が何を訊いても彼女は何の事か分からないと言う。
下手に出ても駄目、脅しつけても駄目。
桐沢は私が実力行使できないと思ってるのか余裕綽綽だ。
もし、本当に何も知らないなら気の毒なことだと思うが、やはり実力に訴えたほうが早いだろう。なにせ細川の報告書に虚偽の疑いがある以上、事は一刻を争う。

私は溜息をつくと、一度部屋を出て、部下の研究者の一人を呼び出した。

「桐沢に自白剤を投与しろ。タイプαの行方について喋らせるんだ」


・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・



「うっ……あぐっ、あっ、ぐっ」
「さぁいえ! タイプαはどこにある!!」

15分後。監禁室の椅子に縛り付けられた桐沢真由美が、自白剤を投与され、口から涎をだして苦しんでいた。
桐沢と質問する研究者の男の声が響く中、私は研究者の背後に立って様子を見続ける。
日本人形のような容姿を持つ彼女が苦しみに喘ぐ姿はなかなか見たくないものだが仕方がない。
本来なら意識を朦朧とさせて喋らせるタイプのを投与するのだが、今回は強力な自白剤を投与した。彼女が一筋縄でいかないと分かってるからだ。

「あがっ……りょ……う、つ…つく…え」
「寮のつくえ? 机のどこだ?」

初めて答えらしい答えが出て、私に目配せした研究者がそのまま質問を続ける。

「つくえ……ひきだ…し…に、じゅう……ぞこ……」

「もういい、そこまでだ。これ以上は限界だろう。治療室に運んで休ませてやれ。あと、桐沢の部屋に入れる女子職員を手配しろ、回収させるんだ」
「はい、わかりました」

いったい誰に薬を飲ませたのか、他にも訊きたいことがあったが、とりあえずは必要最低限の情報を引き出したことで私は所長室に一端戻る。
次は、雅彦の検査をSPの目を誤魔化して、どうにかして行わなければならない。


それにしてもやはり桐沢がタイプαを持っていたとはな。
懸念の一つが消えて胸を撫で下ろすが、まだ終わったわけではない。
雅彦のことは勿論、細川の事も気がかりだ。
これから奴が私を糾弾しないとも限らない。

まだやるべきことは多いのだ。










8月12日 午前11時33分 研究所 地下5階 治療室  細川弘毅


20畳ほどの白く広い治療室。一見すると無菌室のような清潔感が漂う空間。
そこに様々な機器と一緒に、ふたりの男が運ばれた少女を前に腕を組んでいた。

「ふーん、彼女喋っちゃったんだ」
「はい、結構頑張った方なんですけどね。一番強力な奴を打たれて、ついにゲロっちゃいましたよ」

目の前のベッドに横たわった桐沢を、俺は冷めた目で見下ろした。
身体が時折、陸に上がった魚のように痙攣し、白目を剥いて泡まで吹いている。見た目だけなら重症だろう。

「それで、我らの冷血所長さまはこいつの治療をしろと」
「みたいですね。治療して帰す気なんですかね」

俺の側近の男が薄ら笑いしながら、首をひねっている。
こいつの言いたいことは分かる。秘密を知ったこいつをこのまま帰していいのかと言いたいのだろう。
同意見だ。

「そういや、タイプγの若い個体への投薬はやったことなかったよな」
「ええ、まだ……って。まさか細川さん、この女にするつもりですか?」

「そうだ、おまえもこいつの性格を知っているだろう。俺と共犯なのだからな。こいつをこのまま治療して野放しにはできん。そうなればこいつは何をしでかすか分からんぞ。なにせ我々の予想を超える行動をすでにこいつはしているのだからな」

俺が桐沢に目を付けたのは偶然だった。
麗子と通じてる忌まわしい雅彦を調べている途中に判明した事実。
ここでバイトしている桐沢が天目雅彦を奴隷のように扱っている映研部の部長だと言う事。

受付の女を脅し、偶然を装って桐沢にタイプαを渡したのは確かだ。
奴は俺の期待通りの働きで、無事データはとれた。

だが、奴は加減をしらなかった。
奴は薬を周囲にばら撒き始め、狂ったように藤乃宮と摂取者たちを交わらせ始めたのだ。

俺はこのままだと大量の死者が出ると悟り、部下にわざとタイプαの紛失を報告させ、桐沢に目を向けさせた。
報告書には死んだ春山と藤乃宮のみが投薬された疑いありと記したが、本当のところは映研部の雅彦と男子部員数名にも疑いがあると思っている。
俺の目的は雅彦の害とデータ収集であって、無差別に被害を増やすことではない。そうなれば本当にプロジェクトが中止になる恐れがある。
それに、これが露見して所長が完全に排除されるのもまだ好ましくない。奴にはまだ使い道がある。すでに危ない橋は渡っているが、崩壊させるつもりはないのだ。

疑いがある雅彦を除く、映研部の部員は夏休み中になんとかするとして、
桐沢にはここで最後に、新薬タイプγの実験に付き合ってもらって消えてもらうのがいいだろう。


なにせアレを投薬された人間は……。


「藤乃宮遥をここに連れてこい。最後に一目合わせてやろう。もしかしたら何か反応を起こすかもしれないからな」


俺は藤乃宮と桐沢を生きてここから出すつもりはない。
秘密を知ったサンプルは、ここで最後まで俺の役に立って死んでもらうことになるのだ。










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  1. 2013/01/20(日) 12:15:15|
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