「カニを探してくる!」
「走って怪我するなよ!」
昼食後、少し部屋で休憩したのち、僕らはまたこの川にやってきた。
よほどこの川で遊びたかったらしく美奈は大はしゃぎだ。
川原で石をひっくり返して、沢蟹を見つけると、興奮したように探す探すの大合唱だ。
そのあたりの石を片っ端からひっくり返し、いないとわかると、上流の方に探しに行くと言って、大岩の上で流れる川を見ていた僕を置いて歩き出す。
(まったく・・・)
幼い子供のように目を輝かせる美奈を止めることも出来ず、しばらくしたら戻ってくるだろうと、僕は再び穏やかに流れる川を見つめ魚を探す。
もう釣り道具は持って来てないが、泳いでる魚を見ているだけで心が落ち着く。
なんというか余計な事を考えずに済むのだ。
何匹かが固まってゆらゆら泳いでるのを見てると、まるで自分が幼子に戻った気分になる。
キラキラと陽の光が反射する川面がまぶしく、僕は肩の力を抜いて視線を空に向けた。
(青いなぁ)
どこまでも広がる青空。
人の悩みなどちっぽけだと言わんばかりで、頭上に広がっている。
大岩の上で大の字になると、ふぅと深呼吸をして目を静かに閉じ、川のせせらぎに耳を傾ける。
せっかく勝ったのにどうしてこうなった。
あの勝負に意味はあったのだろうか。
さっきまで考えないようにしていた、食堂での隼人と千夏先輩の姿が思い浮かべる。
親しそうにしていた2人。
あの姿を見ていると、幼馴染だったまりなちゃんの姿とだぶる。
かつて僕の隣にはまりなちゃんがいた。いつも一緒でなにするにしても一緒で、ずっと友達だと思ってた子。
それが隼人という存在に奪われ、なぜか妊娠して赤ちゃんを産むことになってしまった。
保健室のベッドで互いの名を呼びながら、隼人がまりなちゃんのおまんこを激しく突いていたのを思い出す。
目の前で交わされる僕を無視した会話。
僕に見られてるのにも関わらず、ふたりだけの世界を作り上げ、ついにはまりなちゃんの心から僕を完全に排除した。
あの光景が脳裏に過り、僕は思わず起き上がり激しく荒い息を吐いた。
また繰り返されるのか?
千夏先輩と星空を見上げた晩を思い出し、川面を見つめる。
あの綺麗な思い出が、隼人の手によってまた壊されるのかと思うと、僕は否定するように小石を川に投げた。
◇
「カニどこかな~?」
わたしは健太を置いて上流にカニを探しに来ていた。
上流に来るまでに何匹か捕まえたけど、どれも一匹目に捕まえたやつより大きくない。
もっと大きいのがいるはず!と石をひっくりかえしまくってるのだ。
「う~ん、これも小さいなぁ」
しゃがみこんで石をひっくり返して、何匹目かのカニがチョコチョコ歩いてるのを見つけると、ツンツン突いて逃がしてあげる。
小さいのは捕まえたらかわいそう。もっと大きいのを捕まえたい。そうすればきっと健太も褒めてくれるはず。
いつのまにかどんどん上流に来て、健太との距離が離れているのが感覚的にわかる。
あとちょっとだけ、あとちょっと大きいのを捕まえたら戻る、と夢中になって探してると、上流からパシャパシャと水が跳ねる音が聞こえてきて顔をそっちを向けた。
「なんだろ?」
鳥か何かが水面で水浴びしてるような音。
不規則にバシャバシャしてて、とても気になる。
わたしは鳥を驚かせないように、そっと近づいた。
(あっ……)
緩やかに流れる川。
そのまんなかで裸のふたりが抱き合って、水面を揺らしながら変な動きをしている。
それはとても奇妙な動きで、少なくとも川に遊びにきてあんなことしてる人たちなんか見たことがない。
距離があったので目を凝らしてみると、ふたりの顔に見覚えがあった。
(隼人と千夏……?)
川でゆらゆら動いてたのはよく知る二人だった。
千夏はこちら側に背を向けているが、水面に波紋を作りながら、身体をゆっくり上下させてるのは間違いなく千夏だ。
千夏は隼人の首に両手をまわし、時折甘えるように抱き着いてはうっとりした横顔をこちらに見せて熱い吐息を吐いている。
(えっ……と)
私はなぜか隠れなきゃという思いが頭を占め、あわてて近くにあった大岩の陰に隠れると、そっと顔だけ出して千夏たちの様子をじっと見守った。
千夏たちは、私に気づいた様子もなく川の中で抱き合い、身体をゆらゆら動かし続けていた。
それは私が嫌いなダンスをするような優雅な動きで、一定のリズムを保ちながら千夏の身体だけが絶えず上下に揺れている。
じっと見守ってると、水面から時折千夏の膝が見え隠れし、また水面に隠れている。
たぶん千夏は隼人に両足を持ち上げられ、隼人が千夏の身体をグラグラ動かしてるみたい。
私にはなぜ千夏がそんなことされてるのかわからず、首をかしげていると、やがてリズムが変わり千夏の身体がズンズンと突き上げられるように激しく動き始めた。
(千夏?)
突き上げられるたびにバシャバシャと水面が跳ね、今まで聞いたことのないような変な声を出す千夏。
辛いような苦しいような気持ちよさそうな声。
千夏とはずっと一緒だったけど、あんな声聞いたことない。
まるで千夏の形をした何かが千夏の中に入ってるみたい。
いつしか魅入られたように私は、じっと二人を見続ける。
隼人は動きが激しくなるにつれ、歯を食いしばるようにして顔を真っ赤にし、
千夏はたまらず隼人にしがみついて儚い声を出した。
「あっ、あっ、あっ、あっ!」
距離があるのにも関わらず、千夏の変な声がはっきり聞こえ、私の下半身がムズムズしだして太ももでこすり合わせる。
なんだろ、すごく心がモヤモヤして変な気分。あそこが熱を持ったみたい。
擦り合わせると気持ちよくなってきて、この感情を持て余していると、
二人の身体の動きがどんどん速くなって、突然ふたりの動きがゆったりになった。
どくんっ!
例えるなら、ピーン!と同時に二人の身体がカミナリが落ちたように硬直し、ビリビリ痺れたみたい。
隼人は大きな口を開け上半身ごと後ろに逸らし、千夏もポニーテールの先っちょが背後の水面につくくらい後ろに逸らして身体を震わせ続ける。
その時間は数秒くらいだったが、私には数十分くらいの時間に感じ、千夏は隼人の胸に顔を預けて「はぁはぁ」荒い息を吐くと、私まで一緒に「はぁはぁ」させられた。
私はこれはいったいなんなの!?と胸に手を当て呼吸を整えてると、
二人はなぜか唇どうしをくっつけると、ゆっくりと水面に身体を沈めていく。そして首まで水がつかると、楽しそうに泳ぎ始める。
つい最近までいがみ合ってた姿はそこになく、まるで子犬がじゃれあうように互いを見つめながら千夏を先頭に隼人が追いかけるようにして上流に向かって泳いでいく。
その姿は優雅で、まるで絵本で見た人魚と漁師さんみたいだ。
上流に泳いでいくのでここからじゃ見えにくくなり、私は岩陰から出て、音を立てないようそっと後をつけていく。
二人の泳ぎはやがて千夏を隼人が捕まえようとするものになり、千夏は笑いながら隼人に捕まらないように上流に向かって逃げていく。
だけど泳げるような深みがなくなり、すぐに千夏は隼人に後ろから抱きすくめるようにして捕まえられると、隼人は近くにあった川岸の大岩に千夏を連れて行って両手を付かせると、乱暴にお尻をクイっと後ろに突き出させた。
「あっ!!」
以前私がチアガール部で見た光景。
隼人が千夏のお尻の後ろに立つと、荒々しく千夏のお尻の肉を両手で開き、おちんちんをおまんこの中にずぶずぶ沈めていく。
それは隼人にとっては当たり前のようであり、千夏も後ろを向いて怒るどころか、前の大岩の方を向いて隼人がおちんちんを入れやすいようにお尻の高さまで調整している。
(なんなの~これ)
隼人が鋭い突きを千夏のお尻に叩きつけるたびに、千夏のお尻が弾け、乳房がぶるん!と揺れる。
チアガール部で見た時も隼人が同じことを他の子にしてた。
私が見てたら怒られて喧嘩になったけど、まさか千夏も同じこと隼人としてるなんて!
隼人の突きに、黙ってお尻を差し出す千夏。
ひょっとしてあれがおちんちんからおちんぽみるくを出させる行為なのかな?
固そうなおちんちんが千夏のおまんこに出入りするたびに、なんだか健太が可哀想って思っちゃう。
だって隼人はすごく気持ちよさそうな顔をしてて、千夏は健太がいつも使ってる小さなおトイレみたいにじっとして好き放題させてるんだよ。
健太だってしたかったろうに、あれじゃあ千夏のおまんこは隼人のおちんちん専用って言ってるようなものだよ。
私はいつからあんなことさせるまで仲良くなったんだろうとクエッションマークを頭上に浮かべてると、
速くなったり遅くなったりする隼人の腰の動きに変化が現れ始める。
隼人の腰の振りがクイクイと腰だけを振るだけのものから、ゆっくりと大きなものに変わりはじめたのだ。
それはとても力強くて、一突きごとに千夏の大きなおっぱいがぶるんと大きく前後に揺れ、千夏の身体を貫くようにガクンガクンさせる。
そしてどんどん腰の振りが激しくなり、千夏のお尻を掴む隼人の手に力が籠ったのが見えた。
(あっ、おまんこの中に出しちゃいそう!)
てっきり外に出すものとばかり思ってたおちんぽみるくが、お尻を突き出したままの千夏のおまんこの中に出されようとしている。
出るとこを見たことないからちょっと見れなくて残念かも。
おちんぽみるくはおまんこの中に出すのが当たり前なのかな?
もう千夏と隼人の行為を止める気がなく、夢中で見つめながら私はその時をじっと息を殺して待つ。
「あっ、あっ、出るっ!また熱いのが子宮に注がれちゃうっ!」
千夏の切ない声が聞こえ、千夏はつま先立ちになり、お尻をクイっと高く上げた。
「千夏ぁ!しっかり受け止めろよっ!!俺の貴重な精子だ!!光栄におもえっ!!」
隼人の腰の振りがこれ以上になく早くなり、隼人は千夏のお尻の肉をグイっと左右に開いて、おちんちんをより深く突き刺し獣のような唸り声をあげた!!
「「イクぅううううううううううううーーーーー!!」」
どぴゅっどぴゅっ!どぴゅぅううううううぅぅぅ!!どぴゅるるるるるるぅ~~~~
二人の声と身体がシンクロし、共に身体を震わせる。
なにこの二人の共同作業。隼人が出したのに、なぜ千夏も一緒になって身体を震わせてるの?
隼人はまだ出してるのか、小刻みに腰を千夏のお尻に深く押し付け、千夏は全身を震わせながら、中でおちんぽみるくを受け止めお尻をヒクヒクさせている。
5度、6度と小刻みに腰を振り終えると、隼人は千夏の背中に覆いかぶさり、背後からぶどうのように垂れ下がったおっぱいを乳しぼりのようにぎゅう!と握って千夏の肩に顔を乗せた。
「千夏……」
「隼人……」
千夏の顔が初めて後ろに向き、隼人の出した舌に自分の舌をチロチロと絡ませはじめる。
始めは恐る恐る、そして大胆に。
(千夏……)
私の見た千夏の顔は、あんなに乱暴に腰をお尻に叩きつけられたというのに、満足気なものだった。
まるで陸上で走り切ったみたいに……。
◇
ぴー
「さぁ、みんな走ってー」
今日もグラウンドで練習。グラウンドの外でホイッスルを吹く千夏先輩の合図で僕ら走る。
いつもの練習メニュー。だが今日はちょっと様子が違う。
それは千夏先輩だ。
千夏先輩は朝礼台に両手を付き、陸上パンツを足元まで下ろしてお尻を後ろに突き出している。
その後ろを同じく下半身丸出しの隼人が千夏先輩のお尻を鷲掴みにして、腰をパンパン!と叩きつけているのだ。
「み、みんながんばって!」
僕らを叱咤する千夏先輩は、青空の下、上半身を力強い突きでガクガクとブレさせながら、ホイッスルをまた吹く。
いったい、どうしてこうなったのか。僕の知らない間に何があったのか。
昨日から思ってたが、千夏先輩と隼人は仲が良くなりすぎだ。
あのまりなちゃんの悪夢が思い出されて、さっきから僕の鼓動は高く鳴りっぱなしだ。
息を切らせて走りながら横目で千夏先輩を見ると、千夏先輩はお尻を突かれながら後ろを向き、隼人と微笑みあってる。
いつのまにか体操服も胸の上まで捲りあげられ、形のいいおっぱいをぶどうの房のように垂らしながらぶらぶら揺らしている。
あんなことしてるのに他の部員は何も言わないことを見ると、頭がおかしくなりそうだ。僕はいったい何のために隼人と練習して勝ったのか。どうして皆何も言わないのか?何のために僕は……。
強い風が目に入るせいか、心の奥から湧き出るやりきれない思いからか、涙目になりながら朝礼台の前を通ると、気持ちよさそうに腰を叩きつける隼人のにやけた顔が目に入って涙がこぼれそうになる。
ああ、もう何が一体どうなってるのか。
美奈も驚いて千夏先輩のほうに行こうとしたが、ランニングが終わってからにしなさいと副部長に強く言われてふてくされて走ってる。美奈も憤懣やるかたないという顔だ。
コーナーを曲がり、再び千夏先輩の傍を通ると、千夏先輩は頬を赤らめ隼人のお尻と一緒に身体をぶるぶる震わせていた。
間違いなく白いのを中に出したのだろう。理由は分からないが、とても腹が立った。
千夏先輩の中に隼人の白い液体がたっぷり出されたのだ。
千夏先輩たちを背後に、コーナーを曲がると、また腰を振りはじめたからまだまだ隼人は満足してないのがすぐにわかる。
さっきとは比べものにならないくらい腰の振りが激しいし、千夏先輩のおっぱいが激しくぶるんぶるん揺れてるから、走り終わるまでにあと最低でも3発くらい出しそう。
千夏先輩は、背を背後に逸らして、あんあんと喘ぎながら「もっと突いて~」と言ってる。
「昨日だって川でぱんぱんぱんってやってたし、もう!」
美奈が憤懣やるかたない表情で言った。
だけどそんな話初耳だ。
僕は隣で走る美奈の顔を見る。
「昨日変な気持ちになったから言わなかったけど、千夏と隼人が裸で川にいたの」
「そうなの?」
「うん」
スピードを緩めることなく美奈は頷く。
「それでわたしが隠れて見てたら、今してるようなことをずっとしてたの!」
僕はその瞬間、頭が殴られたようなショックを受けた。
付きまとっていた隼人が、千夏先輩の壁を崩して心の中に入り込んだから。僕でさえ踏み込めなかった千夏先輩の中にやすやすと侵入して、自分のしたいようにして千夏先輩の中におちんぽみるくを出しちゃったから。
ようやくランニングが終わり、動揺する感情のまま千夏先輩の元に行くと、腰をグッ!グッ!と千夏先輩のお尻に押し付け白い液を出していた隼人がちんぽをヌポッと抜いて僕に向き直る。
「健太おまえは体力作りだ。まずは追加でグラウンド30週、それが終わったら俺に報告にこい。俺の前で腕立て50回させるからな。途中で腕立てが失敗したらまた走らせるから覚悟しろよ」
「な、なに!?」
陸上部の関係者でもない隼人に、そう命令されて思わず喧嘩腰になる。
だが、朝礼台にもたれた千夏先輩が、ぽっかり開いたおまんこから白い液を小滝のように細く垂らしながら、補足した。
「今日から陸上部の特別コーチになった隼人よ。健太、彼に従って」
「えっ……」
ちょっとそっけなくなった千夏先輩に驚き、僕は言葉に詰まる。
何か言い返したいけど、驚きの方が大きくて声が出ない。隼人と一つになったこともそうだが、明らかに千夏先輩の僕に対する態度が変わっている。
「なにその言い方! 健太に対して冷たいよ!」
だが、すかさずその言葉に反応した隣の美奈が、千夏先輩に食って掛かる。
頭が沸騰して許さないって感じで、今にも飛びかかりそうだ。
昨日から相当ストレスが溜まってたみたいだ。
「美奈、ちゃんと言う事を聞いて。わたしは陸上部の部長よ」
「そんなの関係ない!健太に謝ってっ!」
とうとう飛びかかろうとした美奈は、後ろにいた陸上部員に羽交い絞めにされてしまった。
それでもなお暴れて抜けようとした美奈に、隼人が言う。
「おまえもこれから特別練習に付き合え、そしたら俺に対する見方も変わるだろうからな」
未だショックが抜けきれない僕をポツンと残して、千夏先輩たち陸上部員は美奈を引きずりながら、隼人に従うようにして去ってしまった。
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- 2016/04/17(日) 22:30:42|
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