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20 ズレ

午後16時半。
ついにアイテム販売の時間がやってきた。
牛坂が来なかったのが気になるが、見に来たら欲しくなると思ったからこなかったのかもしれないと結論付ける。
もっとも俺に言わせればその判断は誤りだ。
誰がアイテムを持っているのか確認するとしないでは大きく違う。
いかにあいつが単細胞といえど顔を出すべきだったのだ。
あの猛牛がアイテムを持ったところで、豚に真珠になりかねないところが笑えるが。


購買部に新たなおばちゃん販売員が現れ、俺たちにアイテム販売が始まることを告げる。

先頭に立った海森がさっそくといった風にアイテムを購入した。

「すいません。上書き薬をください。」
「あいよ。20ポイントだね。」

海森は領収書と茶封筒に入ったアイテムを受け取る。
中身は見えない。
どうやら他の人間にどのような物か見せない配慮のようだ。


続けて俺は前に進み出る。しかし買う物は海森に買われて既に売り切れている。
このままでは何も購入するものがない。
どうしようか迷う。
このまま何か買うべきか買わざるべきかを。
俺が何を購入するのか興味深そうに見守ってる面々の前で、桜が俺の耳元でそっと囁いた。

「校外チケットを買いましょう。10ポイントと安いし何かの役に立つかもしれないわ。」

俺は分かったと軽く頷くと、おばちゃん店員に話しかける。

「校外チケットください。」
「あいよ。10ポイントね。」

すでに商品を入れてある紙袋と一緒に領収書を貰う。
これで取りあえずはアイテムを入手した。使いどころは分からないが、桜ならなんとかするだろうとホッとする。

俺はそのまま脇にどき、次の玲奈に道を譲る。
果たして玲奈は何を買うのか。

「隠された情報をください」

これはある意味予想通りか。
桜は博打みたいな事を言っていたが、情報の大切さは誰でもわかる。
もっとも30ポイントを消費するので、1位だから出来る冒険ってやつかもしれないが。

「残念だけど、お嬢ちゃんには売ることはできないよ。本人を連れてきな」

おばちゃんがそっけなく言う。
考えてみたら当然だ。お金じゃ買えない物なんだしな。
だが、玲奈はそれを予想してたように一枚の紙をポケットから取り出した。

「私はご主人様より委任状を預かってきております。売ってください。」
「見せてみな」

おばちゃんがひったくるようにして玲奈から委任状を奪う。
そして軽く目を通したあと、口を開いた。

「ちゃんと署名と判も押してあるね。なら売ってやるよ。隠された情報だったね。ほい」
「ありがとうございます。30ポイントですね」

玲奈は紙袋を大事そうに受け取り領収書を確かめると、そのまま廊下の向こうへ歩いていく。
俺はそれを見届け、チラリと最後に仲山と海森を見た後、教室に帰るのだった。








「なぁ桜。上書き薬を海森が手に入れたけど大丈夫かな?」

俺は教室に帰ると、掃除が終わり暇そうに俺たちの帰りを待っていた奈々を加えて
アイテム購入後の話し合いを始めた。
特に上書き薬は、俺たちの仲を引き裂く可能性があるので真剣である。

「……そうね。まだはっきりとは言えないけど、今はまだ大丈夫だと思うわ。ただ、私と奈々はこれから校内では一人で行動するのはやめたほうがいいわね。迂闊に一人になれば狙われる可能性があるし。」

桜は腕を組んで答える。
海森に取られただけマシだといえるか。
秋川や牛坂に取られるほうが最悪だし。

「でも勇太くんは他のアイテムは買えたんでしょう? 良かったじゃない」
「まあそうなんだど、一番欲しいものじゃなかったからな。」

奈々の問いに俺は苦笑いして、紙袋から『校外チケット』を取り出す。
これがあれば、校外で女の子を襲っても1人だけなら違反にはならない。
だけど俺には使い道がまだ分からない。所有物を1名増やすだけなんて意味があるのか?
桜が欲しいと言ったから勢いで買ってしまったんだけど。

なんにせよこれでまた順位に変動があったはずだ。
今の状況を確認してみよう。


───アイテム購入後。

1位 1年1組仲山楓太 84ポイント アイテム なし
2位 1年3組牛坂雄二 61ポイント アイテム なし
3位 1年5組秋川慎矢 54ポイント アイテム 隠された情報
4位 1年4組海森 縁  52ポイント アイテム 上書き薬
5位 1年2組芝山勇太 48ポイント アイテム 校外チケット


もし他の奴が所有物を増やしたり妊娠させてないとしたら、こうなってるはずだ。
牛坂が2位になってしまったが、仲山を除いた連中も俺のポイント近くまで落ちてきていい感じになっている。
万が一牛坂を落とせなくても他の奴を落とせるのが視野に入ってきたからだ。

それにしても仲山は強い。アイテムを購入してないからとはいえ、ちょっと追いつける気がしない。
まだ、時間があるのだから焦らなくてもいいが、牛坂のポイントは集計のたびに落ちるようにしておきたいところだろう。


「とりあえず奈々と桜は単独行動をしないってことを気を付けてあとはいつも通りでいいか?」

俺は机に肘をついて桜に訊ねる。

「ええ。アイテムを手に入れたからといって劇的に変わるわけはないでしょう。秋川以外はね。」
「あっ、そうか。あいつ『隠された情報』を手に入れたんだったな」

30ポイント消費して情報を買った秋川を思い出す。
いったい誰が高ポイントなのか興味深いところだ。
見せてほしいけど見せてくれないだろうな。当たり前だけど。

「一応茜に監視に行かせてるけど、さすがに情報を入手するのは難しいでしょうね。」
「だろうな。そんな情報絶対口外しないだろうし、対象者を狙うときは一気に行くだろうしな」

俺は期待してないというようなジェスチャーをすると、鞄を持って立ち上がった。

「もう5時になるし帰ろうぜ」












その夜。5組の寮の秋川の部屋では、秋川が顔を真っ赤にして声を震わせていた。

「なんだと。こんな情報ふざけるな……。舐めてるのか」

肉便器長の玲奈が持ち帰ってきた『隠された情報』を教室で見るのを我慢し
大急ぎで寮に帰ってきたのだが、そこに記されていた情報に秋川は発狂しそうになる。
まさかここに書かれていた人物が想像だにしていない予想外の人物だったからだ。

秋川は歯ぎしりしながらプリントを握りしめると、傍で控える玲奈に声を荒らげる。

「玲奈っ!! 貴様俺を馬鹿にしているのかっ! なぜこんな情報を持ち帰ってきた!!」
「………申し訳ありません」

明らかに理不尽な八つ当たりだが、玲奈は静かに頭を下げる。
彼女にとって、秋川はご主人様であり、自分を肉便器への道へ導いてくれた偉大なる創造主なのだ。
逆らうことは許されない。

「くそっ!! これでは30ポントを無駄にしたようなものじゃないか。くそがっ!」

部屋の物に当り散らし、ゴミ箱が秋川の蹴りによって部屋の宙に舞う。
玲奈はそれを止めることをせず、ただひたすら沈黙を守り秋川の怒りが収まるのを待つ。

そうすればきっとすぐにでも頭をすっきりさせるために自分の肉便器を使い出すだろう。

「玲奈。尻だ!尻を出せっ!」

案の定、秋川は玲奈を壁に手を付かせお尻を突き出させる。
これが秋川の感情を静める方法なのだ。彼は自分の感情をどうしようもなくコントロール出来なくなると、高確率で肉便器を使用する。
以前言っていたことだが、彼は肉便器を使うことによって心の安寧を得られるのだ。

秋川は玲奈の膣に自分のちんぽを突き刺すと、そのまま奥まで挿入し2度腰をゆっくり振ると「うっ!」とうめいて射精した。

これはある意味とんでもない早漏だが、肉便器たちにとっては悦びの瞬間である。
なぜなら早いほど自分の便器の締りがいいということに繋がるからだ。
玲奈は目を瞑ったまま声を漏らすこともなく、秋川が出しきるまで待つ。

秋川はぐっぐっと腰に力を入れ残ってる精液を出しきると、ちんぽを抜いた。

「ふぅ、玲奈。冷たいジュースを持って来てくれ」
「畏まりました」

精液が垂れるあそこを拭おうともせず、玲奈はそのままパンツを履くと台所へ向かいジュースを持ってくる。
すでに秋川の表情は穏やかだ。怒りは収まったのだろう。賢者モードというやつだ。

「……さっきはすまなかった。俺としたことが取り乱した。」
「いえ、ご主人様のお役に立てれば幸いです」

ジュースの入ったコップを受け取りながら、謝罪する秋川と澄まし顔のままで頭を軽く下げる玲奈。
肉便器に謝罪するなど秋川にとってありえない事なのだが、玲奈は肉便器長でもあり委任状を渡すほど信頼しているので謝罪したのだ。
逆に言えば、それだけ玲奈には権力があるといえる。

「しかし、この対象を抱くのは今は無理だな。そんな時が来てほしくないともいえるが。」
「そうなのですか?」
「そうだ。これは禁断の果実とも言える。今はまだ手を出せない。」

そう言うと秋川はソファーに座り、隠された情報の紙を折りたたんでポケットにしまった。

「ではご主人様。引き続き所有物を増やす方向でいきますか?」
「ああ。新品の肉便器を用意しろ。お前には期待している。俺が手塩をかけて作り上げた肉便器なのだからな」
「はい。お任せください」

ニヤリと笑う秋川とレイプ目で深々と頭を下げた玲奈。

歪な主従の間柄はこうやって作り上げられる。


男の少ない世界。
それは男女の在り方をも大きく変えているのだった。









深夜、俺は自分の部屋に奈々を呼んでえっちをしていた。
奈々が遠まわしに乗り気ではないようなことを言ったが、俺は上書き薬が他人の手に渡ったから危ないと説得し、半ば無理やり奈々を抱いている。

「……勇太くん、まだ出ないの?」
「もうちょっと待って。もうすぐ出るから」

白いベッドの上。
全裸になった俺と奈々が正常位で交わる。
それはどこかよそよしくて、互いの温度の差が第3者の目には、はっきり分かる。

勇太が懸命に腰を振り、奈々は少し冷めたような表情でそんな勇太を見つめる。
そんな2人の姿は普段仲良くしている日常とかけ離れている。

勇太も奈々のそんな態度に気付いているが、ゲームで妊娠することが好きじゃないんだろうと考えている。

冷めたセックス。
熱を感じないえっち。
作業感あふれる交わり。

どんどん彼等の関係にズレのようなものが生じていた。


「もう出そう、奈々! 中に出すぞ。」
「……ホントに中に出すの?」

拒絶感のような意志を示した奈々。
そんなに妊娠するのが嫌なのか?

だけど俺の腰は止まらない。
俺はより腰をカクカク速め、そのまま奈々の中に射精した。

どぴゅうぅううううううぅぅぅぅ……!!

奈々の中に小さいちんぽを深く差し込み精を放つ。
今まで多く交わりながら誰一人妊娠させることがなかった弱々しい精子が、緩慢な動きで奈々の奥へと泳いで行く。
恐らくだが今回も彼女を妊娠させることはできないだろう。

「はぁはぁ。どうだ、ちゃんと妊娠したかな?」
「……なかは嫌だったのに」
「えっ?」
「ううん。なんでもないよ。それよりシャワー貸してくれる? 汗かいちゃった」

奈々が俺の返事も待たずに全裸のまま洗面所に歩いていく。
取り残された俺は若干空しい思いをしながら、後始末をしていく。

どうも歯車が狂ってる。
何かが噛み合ってない。

俺は溜息をつくと、奈々がシャワーを浴びてる間にパジャマに着替えてリビングでソファーに座る。
奈々が小さな声で言った言葉。はっきり聞こえなかったが、俺に対する不満のようだった。
俺としては最初に妊娠してほしいと思ったのになぜ理解してくれないのだろうか。

俺はソファーに背を預け、洗面所から聞こえてくるシャワー音に耳を傾ける。

妊娠させたいと思ったのに、乗り気じゃなかった奈々。
説得に時間が掛かると思ったから他の所有物の子に先に手を出したが、
それでも奈々に最初に妊娠してほしいと思ったのは偽らざる気持ちだ。
奈々だって妊娠しなきゃ俺から離れる危険性があるのが分かってるだろう。

思えば、俺と最初にセックスをしたときから、少しそっけなくなった気がする。

(俺とのセックスがよくなかったからか……)

ありうる。
俺はセックスがお世辞にもうまいとは言えない。
ゲームで妊娠というのが嫌なのはわかるが、セックスが気持ち良かったらもっとしたいと思うはずだ。
それに俺のことが好きだったら……。

そこまで考えて俺はその先の言葉を打ち消した。

この先は考えたくない。
今までの奈々の態度から考えられないことだ。
もしそれが違うとしたら、俺はとんでもない勘違いをしていたことになる。

胸の動悸が少し速くなるのを感じ、気を落ち着けるように大きく深呼吸をする。


(今更気持ちを聞くなんて……できないよな)


俺は一晩中、セックスがよくなかったのか、それとも俺の事を幼馴染としてしか見てなかったのかについて悩み抜くのだった。













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  1. 2013/05/30(木) 18:16:26|
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