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モブの植木鉢小説館

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30話 権力者とドブネズミ

僕はあいつを殺す方法を考えていた。
川原の石を使って殺すか、それとも先ほど調理したときに使っていた包丁で殺すかを。

目の前で色葉さんの乳房がぶるんぶるん激しく揺れ、お尻の肉が波打つ。
クライマックスが近いようで、ぱんぱん!と激しい音が聞こえてくる。

そう、許されない。秋川先生、いや秋川は僕のお嫁さんになるはずだった色葉さんを汚した。
その身体に汚らしい手を這わし、何度も下種な子種を色葉さんの子宮に放った。
バックで今も色葉さんを犯す秋川は許されてはいけないのだ。


僕はテントの入り口から離れると、テントから見えない位置で手ごろな石を探す。
頭をかち割るには小さい石では駄目だ。ある程度重くて、僕でも高い位置に持ち上げられる石でなくてはならない。
川岸をウロウロしながら、手頃だと思える石を持ち上げるが、やはり重くて駄目だ。
片手で持ちあげられる石は一撃で殺せるか分からないし、殺せなかった場合のリスクが大きい。
かといって両手で持ち上げる石は移動するのも一苦労だろう。

じゃあ、包丁で……と考えたが、初めてここで感情を制御することに成功する。

今ここでやるのは得策じゃない。僕が捕まっちゃう。
ここは他の方法でやるしかない。

そもそも僕が秋川を殺せば一番得するのは芝山先輩だ。
ばれたら僕は捕まるし、秋川はもうこの世にいない。
必然的に芝山先輩が色葉さんを手に入れることになる。
そんなの駄目だ。そんなの許されない。そんなの許しちゃいけない。絶対に。

それを防ぐには……。

僕はテントからの嬌声を耳に入れないよう思考する。


そうだ、芝山先輩を焚きつけてあの人に秋川を殺させればいい。
色葉さんが秋川に犯されたと聞けば、先輩は殺意を抱くだろう。
事の詳細に教えてやれば、激情を抑えられる訳がない。
そうしよう。

僕は持ち上げていた石を川原に捨てると、この苦痛の時間をなんとか乗り切った。



夕方の帰り道。すっかり打ち解けたふたりが先生を真ん中に山道を歩く。
僕は最後尾で、重いテントをかついで恨めし気に3人の背中を見る。
身体での話し合いが成功したとでも言うのだろうか。
あんまり話すことがなかった色葉さんと先生が親しげに話しながら笑顔を見せている。

ジーパン越しのムッチリしたお尻が揺れ、僕は朝はあのお尻を撫でながら来たのにと、愚痴をこぼす。
今は先生が色葉さんのお尻を触りまくりだ。

もうここまで来ると、色葉さんまで先生に取られた気がする。
実際先生は好みじゃないと言いつつ、テントの中で色葉さんを抱きまくった。
何を考えてるか分かったものじゃない。

誰一人として会話を交わさずに山をおりると、そこで先生が解散宣言をする。

僕はそのまま家に帰ろうとしたが、色葉さんと美羽さんは先生に腰を抱きしめられ帰れない。
ふたりの耳元で何やら囁いてるが、何を言ってるかはおおよそ予想ができる。
多分これから先生の家で続きをしようと思ってるんだろう。泊まりは無理だろうが、まだ夜までに時間がある。
晩御飯を作らせ、種付けしまくるに違いない。
赤ちゃんが出来ようがこの人も関係ないのだ。避妊とか考えたこともないだろう。

僕も人の事言えないが、今はどうするか考える。
色葉さんを誘って一緒に帰ってもいいが、もし万が一にも僕より先生を取ったら立ち直れそうにない。
誘うのにもかなり勇気がいる。

イチャイチャするように2人の身体を抱き寄せ触りまくる先生。
あらためて殺意が湧き上がる。

早いとこ芝山先輩に先生を殺してもらって2人とも消えてもらおう。
あとは僕がちゃんと色葉さんをいただき責任をもって孕ませます。なんなら美羽さんも。


僕は大人しくこの場を立ち去る。

今から家に帰らず、芝山先輩の家に行こう。
色々な話を誇張して生々しく伝え、意識を秋川殺害へと誘導するのだ。














遠山家──。

そこは村を束ねる村長の家であり、花梨の家でもある。
この村は代々遠山の家が村長を務め、他の2家である静木と風見で主な村の方針を決め、村の揉め事に関しても裁判のように判定を下してきた。
秋川を呼び戻すことを決めたのもこの3家であり、第一候補である色葉を秋川に嫁がせようとしている元凶だ。仮に色葉と結ばれなくても必ず私か美羽を嫁がせようとするだろう。
伝承を無理やりかなえようとしている狂気の3家だ。

まるで地獄の門のような遠山家の門構えを見て、私は知らず知らずに唾を飲み込む。
ここからが勝負どころだ。

「さて行くかの……」

私の隣にいた笹井さんが遠山家の呼び鈴を鳴らし、屋敷の中に招かれる。
私なら門前払いだったが、笹井さんは数十年ぶりに村に帰って来たと言うし、あの笹井だから中に入ることを許されたのだろう。
夕日が顔を山に隠そうとする中、いよいよ長老のひとりである遠山と対決しようとしていた。




屋敷の大広間に通されると、私たちはそこで待たされ、当主が来るのを待った。
現当主は花梨の祖父の遠山正良であり、60代後半気難しい男だと聞いている。
遠くからは見たことがあってもこうやって改まって会うのは初めてだ。

「久しぶりだな。笹井さん。何しに村に帰って来た?」

暫くして白髪混じりの精悍な男が現れ、大広間の上座にドカリと座ると、こちらを睨みつけながら私の隣に座る笹井さんに言う。
この男が正良。村を束ねる村長だ。間近で見ると60代には見えずもっと若く見える。
そして友好的にも見えない。

「おまえさんに聞きたいことがあってやってきた。秋川の男を呼び戻し、伝承を叶えようとしているのは本当か?」
「……誰に聞いた?」

ジロリと私を見る村長。
答えは知ってるのだろう。あえて聞いている。

「誰でもよかろう。それよりワシの質問に答えよ。本当なのか?」
「答える必要はないな。あんたはもう村の人間じゃない。よそものだ」

煙を巻く村長。やはりまともに取り合う気はないよだ。
態度も先ほどからふてぶてしい。

だけどそれに負けては話にならないと、私は初めて口を開いた。

「なら私には教えてくれますね、答えてください」
「ふん。芹沢の娘か。子供に話すことはない、帰れ」
「そんなこと言わないでください。私には聞く権利があると思います。芹沢神社の娘として」

毅然とした態度で訊きながら、内心で今更聞いてどうすると思うところもある。
色葉や美羽は秋川の毒牙にかかり、自分や花梨までも餌食になった。
今自分が止めようとしても無駄なんじゃないかと、もう一人の自分が頭の中で問いかける。
だけど、私はまだ結婚はしていないと反論する。秋川と結婚しても幸せになれっこない、きっと浮気するだろう。それは間違いない。そしてそこをつけばなんとかなるかもしれないと希望を見出す。
村の男連中は妻にちょっかい出されるかもしれないと内心恐れているはずだ。

秋川を村の外へ追放する──。
それができれば、もうこんなことは終わりだ……。

私が村長の顔から視線を逸らさず、睨むように見続けていると、村長は僅かに顔を顰めて不機嫌そうに口を開いた。

「……いいだろう。おまえも候補者の1人だ。答えてやる。伝承を叶えるため秋川を呼び戻したのは本当だ」

分かっていたが、それは本当だった。
私も候補者のひとりと言うことは伝承のままだろう。

『男神と女神が交わるとき、村に繁栄が約束されん』

それが伝承だが、神の名を与えられた色葉は第一候補ではあるが、絶対というわけではない。
芹沢の血筋である私か美羽でもぶっちゃけいいのだ。
もっとも長老たちは秋川と色葉を出来るだけくっつけようとするだろうが。

(どうしようもないほど腐った村ね……)

私は顔を伏せると、浮かんでいるであろう自分の醜い表情を消すことに努める。
そして落ち着いたことを確信してから、顔を静かにあげ冷静に言った。

「でも秋川の男を村に置いておけば、また村人と諍いを起こすと思いますけど、どうするんですか?」
「……笹井さんと一緒に来たときに思ってたが、おまえも事件の事を知ってるんだな」
「ええ、知ってます。何もかも」

挑むように村長を見据えると、村長は舌打ちして声を少し大きくした。

「村の連中は納得している。この村を救うには仕方ないとな」
「本当にそうでしょうか?」

食い下がる。ここで引いたら秋川を追い出すのは厳しくなる。

「どういう意味だ?」

「村の人たちは長老方に逆らえないでしょう。ですが内心ではあなた方に不満を抱いているはず。なぜあの秋川を呼び戻したのだと、若い妻を持つ男たちを中心にね。
きっと今頃、自分の妻に手を出してくるかもしれないと戦々恐々としてると思いますよ」

「……」

「不満は押さえつけることが出来ません。いつかは爆発します。
また秋川が人妻にちょっかいをかけて妊娠させることになったら、長老の権威は地に落ちるでしょう」

「……よく口のまわる小娘だな」

激昂の一歩手前という感じで、村長は額に青筋を立てる。
村人でここまで逆らったのはなかなかいないって感じなのだろうか。
こんなことを言ってる自分も信じられないくらいだ。こんなこと言ったら、後でどんな目に合わされるか分かったもんじゃないのに。

「ふたりともそこまでじゃ。ワシらは喧嘩をしにきたわけではないぞ」

笹井さんが緊迫した場の空気を和らげるように私たちを止める。
そして今度は年長者らしい諭すような言葉遣いで村長に話しかける。

「なぁ、遠山の。ワシはあの悲痛な思いを二度と経験はしたくない。秋川は災いしか村に呼びこまぬ。考え直してくれんか?」
「俺が考え直したところで、静木と風見は納得はすまい。あの2人は村の繁栄を何よりも望んでいるからな」
「なら、静木と風見を呼び出してくれ。ワシが説得する」
「……本気か?」
「ああ、本気じゃ」

暫し見つめ合うふたり。
暫くすると、軽く溜息をついて村長が言った。


「あんたには借りがあるから連絡はつけよう。だがあいつらは聞く耳を持たんと思うぞ」














僕は家に帰らず、その足で芝山先輩の家を訪れていた。
すでに暗くなり始めてるが、報告に行くなら一刻も早い方がいい。
色葉さんや美羽さんが今、先生と絡み合ってると知れば、先輩は激怒して止めに行くだろう。
だが、当たり前だがそれだけでは駄目だ。芝山先輩を徹底的に憎悪させ、先生と出会った瞬間、殺してもらうくらいしないといけないのだ。

僕は暗い表情を浮かべながら、口元を歪める。

自分の中の賽は投げられた。
2人が殺し合って共倒れになるくらいが丁度いいが贅沢は言ってられない。
最低でも先生を殺させれば十分だ。あとは警察がきて先輩を捕まえるだろう。
ここからの煽りが自分の腕の見せ所だ──。

まるで卑屈なねずみが、2匹の恐竜を殺し合わせている間に、恐竜の巣の卵を食い散らかすところを想像する。

自分はねずみだ。なんの力も魅力もないどぶねずみだ。
自覚しつつ最後に勝つのは自分だとも確信する。
恐竜が滅んだあの時代を生き残ったのも、ねずみをはじめとする哺乳類なのだからだ。


僕は家のインターホンを鳴らして、先輩が出てくるのを待つ。
もう夕方なので先輩も家にいたようだ。

だが、家から門前まで出てきた芝山先輩は、何やら怒気を浮かべていたので、内心で嫌な予感を感じた。

「……なんのようだ」
「ええと……」

どう切り出そうか迷う。なぜ怒っているのか理由が分からない。
へたに何か言い出したら殴られそうだ。
しかし、すぐに自分の目的を思いだし、言葉を続けた。

「先輩に大事なお話があるんですがいいですか」
「大事な話? そりゃいいな。俺もお前に話しがあったんだ」

なんでしょうかとは聞けない。
もう聞かなくても自分にとっては悪い話だと直観的に分かる。明らかに怒気が増している。
僕はその怒りを回避すべく、先に自分の用件から話す。

「実は色葉さんと先生のことなんです。ここでは話せない大事な事なんでどっか落ち着ける場所でいいですか?」
「……いいだろう」

先輩と一緒に歩き出す。どこに行くかは先輩が無言で先導するので分からない。
だけど山の方に行くので、誰もいないところを目指してるのだと理解する。
そうして山の中腹の畑近くにある物置前に来ると、そこで立ち止った。

「ここでいいだろう、言ってみろ」
「はい」

芝山先輩の冷たい声が僕の芯に響く。
僕はまわりを見渡し、誰もいないことを確かめると、声を潜めて話しはじめた。

「実は今日ピクニックに行ったとき、先生がついてきちゃって色葉さんと美羽さんがセクハラされてました。
それはもうねちっこいほどで、ふたりが嫌がってても胸やお尻を触られてたんです」
「……おまえもしてたんじゃないのか?」
「い、いえ、そんなわけないじゃないですか。僕は止めようとしてました。ふたりが嫌がってたので」

恐ろしいほど低くなった先輩の声に冷や汗を流しながら首を振る。

「それでピクニックが終わったあと、色葉さんと美羽さんは先生の家に無理やり連れて行かれて、
僕は心配になって後をつけました。そしてそこで僕は信じられないものをみたんです」
「な、なんだ……」

先輩の声に動揺が走る。

「色葉さんと美羽さんがフェラしてました。先生のおちんちんを。
でもそれだけじゃないんです。先生は美羽さんの口内に射精したあと、嫌がる色葉さんを押し倒して犯し始めました。
俺の子を孕めって言いながら、バックで突きまくりそして中出ししたんです。圧巻でしたよ。色葉さんが嫌がりながらも身体を震わせてイクのは……」

ガッ──!!

鋭い痛みが走る。僕の頬を先輩が殴ったからだ。
だけど僕は地面に倒れながらも言うのをやめない。

「そのあと、色葉さんは全裸にひん剥かれて本格的に犯され始めました。
乳首を吸われ、身体中のあちこち舌を這わされ、
きっと今も中出しという名の種付けをされています。いいんですか。このままほっといて?」
「そのまま止めずに逃げ帰って来たおまえがいうな……。それにお前も色葉を抱いたんじゃないのか」
「そ、そんなわけないじゃないですか。僕みたいな気が弱い奴がそんな大胆なことできるわけないですよ!」

なんとか表情に出さずに、反論することに成功する。
だが内心は動揺しまくりだ。
なぜだ。なぜ先輩はそんなことを言い出した。まさか僕のやってきたことを知ったのか!?

「確かにおまえは気が弱い。だがお前は俺を裏切った。それにな。俺は千雪さんから聞いたんだ。
おまえが色葉や美羽ちゃんを抱いたってことをな」
「そんなの出鱈目ですっ!!」

必死で否定する。まさか千雪さんがさっそくばらすとは。
あの写真をばらまかれてもいいのか!

「でも今犯されているのは事実です。そうこうしているうちに色葉さんに赤ちゃんできちゃいますよ。
もう一度いいますが、いいんですか? もし僕が色葉さんの事が好きなら殺しますね。秋川先生を……」
「仲山、おまえ……」

雰囲気が変わる。


「ここで話していても時間の無駄です。芝山先輩、先生の家に行きましょう」




















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  1. 2014/02/27(木) 00:00:01|
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