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32話 対決

宿舎に戻って見た光景は一生忘れることはないだろう。
宿舎の一室で見たのは、全裸の陸上部員の山。
そしてその身体の上に圧し掛かり腰を振る隼人。

一瞬、その光景に惚け、知らず知らずのうちに見続けてしまう。

「くっ! もう出るぞっ!しっかり胎で胤を受け止めろっ!」
「はい~!」

コーチの叱咤と部員の嬌声の混じった声。
隼人は部員のおっぱいを鷲掴みにし、腰を恐ろしいほど速めて、最後を迎える。

「で、でるっ!」
「あっ、あぁ……ぁ」

隼人が腰をびくびくさせて、自分の身体の下で痙攣する部員の股の奥に白い液を注ぎ込む。
それは見ている者にも圧巻な光景で、とてもそれを止めるとか、声をかけて中断させることなんてはできはしない。
現に僕も意表を突かれたせいで、それを止めるとか思いつかなくて、何度も腰を小刻みに突き入れ中に出しているのを見ると、今まで味わった悔しさとか怒りを一瞬だが忘れさせてしまった。

「終わったのか?」

僕が帰ってきたのに気づいたのか、隼人は中に注ぎ込んでいた部員を捨て僕の方に身体を向ける。

「う、うん」

惚けた意識を戻し、僕は慌てて隼人に返事をする。
だがその声は当初あった勢いや決意はなく、どう見ても腐抜けた草食動物のそれだ。
隼人はそのなんともいえない間の抜けた返事を聞くと、ぷっと笑い、傍にいた千夏を抱き寄せ乳房を鷲掴みにし、指先で固くなった乳首をコリコリ弄る。

「健太はそこで50回連続腕立て伏せ。失敗したら最初からだぞ」
「あ、ああ・・・」

抗うことができず、僕はその場に座るとそのまま腕立て伏せをしようとしてしまう。
なぜそうしようと思ったのかわからない。
場の空気が僕の意志をそう仕向けたとしか言いようがない。
そう、無言の圧力というか、そんな空気があったのだ。
全裸の部員たちが織り成す異様な光景と、部屋に籠る臭気が僕の強い意志を掻き消してしまっていたのだ。

「そんなことする必要ないよ、健太!」
「み、美奈」

そんな空気を壊すように、新たな意志を持った声で部屋の隅にいた一人の少女が立ちあがった。
僕は、呆然と美奈に視線を向け、口を半開きにする。

「そんなことする必要ないって言ってるの。立って健太」
「あ、ああ」

僕はゆっくりと立ち上がる。

「……なんの真似だ。コーチである俺の命令は絶対だぞ?」
「わたしは認めてないし、健太も認めてない!」
「おまえが認めてなくても、部長である千夏が認めている。そうだな千夏?」

隼人が千夏の乳房を揉みしだくと、千夏は慌ててコクコクと頷いた。

「千夏はあんたに騙されていうことを聞いてるだけ! 健太はあんたに勝った、あんたはこっから出てけ!」
「なんだと……」

真向から否定され、痛いところを突かれたのか少し剣呑な空気になる。
そう、隼人は健太に負けた。
本来なら隼人はこんなこと出来はしないのだ。
信頼厚い千夏の指示でいつのまにやら流されるようにこんなことになってしまったが、言われてみれば確かにおかしい。
今更ながらに、催眠術が解けるような小さな針が部員たちの頭に突き刺さり、冷静な思考を刺激しはじめた。

「確かに」

と小さな声が部員たちの間から漏れ、それがざわめきとなって部屋に満ちる。
この部屋に入って初めて練習に参加した部員のひとりが、意を決したように疑問の声をあげた。

「そうです、おかしいですよ! 健太さんはこんなこと望んでないし隼人さんの言うことを聞く必要はありません!そもそも健太さんが勝った場合、隼人さんは千夏先輩のおまんこにおちんぽみるくを出せないはずじゃなかったですか!」

それを聞いた部員たちのざわめきは、より一層大きくなる。

「ちっ」

場の空気が完全に変わったせいで、隼人は苛立ちを隠せぬまま口を開く。

「だが千夏が中にだされることを望んだんだ、問題ない」
「勝ちは勝ち! それが健太が勝ったときの約束だよ! ちゃんと約束を守って!」
「てめぇ……」

すかさずそれを否定した美奈を、怒りのこもった目で隼人は見た。
そう、この女は邪魔だった。だが、所詮は取るに足らないガキだと見逃してきたのだ。隼人からは相手にもされていなかったのだ。
だが今の美奈は隼人に立ちふさがる最大の敵である。
腐抜けになりそうだった健太と違って、この女は一歩も引く様子はない。
おかげで健太どころか部員たちもざわついて、まずい方向に向かってる。
ここでこいつを叩き潰さないと、他の部活どころか学校中に噂が広がるだろう。
隼人は千夏を放り出して立ちあがると、美奈と向き直る。

「いいか、俺のことを聞いておけば速くなるんだ。おまえも俺に従え」
「いやっ!」
「従えっ!!」

一歩前に出て、隼人は美奈を威嚇する。

美奈はそれを見て、サッと僕の後ろに隠れた。

「どけ、健太」
「……あっ」

鍛え上げられた肉体を前に惚けた返事をした僕。
強そうだ。
喧嘩になったらまず勝てそうにない。
だけど、ここでどいたら美奈はどうなるのか。
殴られるのだろうか。それとも……。

そこまで考えて、美奈が僕の背中のシャツをグッ!と掴んだのを感じた。

そうだ。
こんなことを考える必要なんてなかった。
僕はこの状況をやめさせるために戻ってきたのだ。
ここでどいたらまた、いつも通りだ。

「……いやだ」
「なに……?」

僕の言葉が意外だったのか、隼人が目を見開く。

「だから嫌だと言ったんだ。隼人、こっから出ていけ」
「ほぅ……」

一瞬驚いた様子の隼人だったが、すぐに冷静さを取り戻し、僕に向かって不敵に笑った。

「驚いたぞ、まさかお前がそんなこと言うなんてな。だが、結局決めるのは部長の千夏だ。後輩であるおまえらが何を言ったところで変わりはしない。不満があるなら退部しろ、そうだな千夏?」

隼人は座り込んでいた千夏を立たせると、そのまま抱き寄せて僕の目の前で見せつけるようにして唇を奪うと、千夏先輩は目をうっとりさせて小さな声で返事をした。

「……はい」
「千夏っ!」

美奈の怒った声。
それを聞いた隼人は、勝ち誇ったように僕らに告げる。

「そういうことだ。出ていくのはおまえらの方だったな。おい、こいつらを叩きだせ」

隼人が周りで様子を窺っていた部員たちに命令した。

「・・・・・・・」
「おい!」

だが、誰も動かず皆はじっとしている。
そう、彼女たちはもう夢から覚めたのだ。
今までの練習は千夏の指示だから従った。だが、その千夏が隼人の言うなりだと知れば話は違う。千夏の意志は隼人の意志なのだから言うことを聞く必要はない。

「もういい!」

隼人は苛立たし気に千夏を抱きかかえると、全裸のまま部屋を出ていく。
バンッ!と大きなドア音を立てて部屋から消えると、ホッとした空気が室内に流れた。

「ごめん、健太。私たちどうかしてたわ。その・・・変な空気に流されて……」
「いえ……」

謝ってきた部員たちに、僕はかぶりを振って微笑む。

「でもこれからどうするの? 部長はあんな感じになっちゃったし……」

服を着ながら僕に訊く。

「もちろん、隼人をやっつけて千夏を取り戻すんだよね!」
「……そうだな」

美奈が僕の隣に立つと、少しためらいがちに頷く。

「だけど、どうするの? わたしたちも手伝うけど、話し合いには応じなさそうよ」
「大丈夫です。実力で排除しますから」
「実力って、喧嘩のこと? そんな危ないことは……」
「そうしないとあいつを追い出せないよ!」

美奈が部員の言葉に被せるようにいうと、部員たちは仕方なさそうに黙ってしまった。

「なるべく穏やかに事を済ませるつもりです。実力行使は話し合いに応じなかったときに……」
「わかったわ、気をつけてね」

僕は頷くと、美奈と一緒に部屋を出る。
これが僕と隼人の最後の戦いだ。
もうあいつの好きにはさせない。




部屋を出た僕たちは隼人と千夏先輩の居場所を探した。
てっきり自分の部屋に戻ってるかと思ったが、隼人たちはいなかったのだ。

「どこ行ったんだろ?」
「う~ん」

宿舎の廊下を歩きながら、美奈が僕に話しかけてくる。
自分の部屋にいないとなると、行く場所に心当たりがない。
そもそも隼人がこの合宿でどういう行動をしていたのか、僕はよく知らないのだ。
これは困ったことになってしまった。

「裸だったしお風呂?」

まさかと思いつつ、美奈の意見に従ってお風呂に行ってみる。
だが、お風呂は無人で誰もいなかった。

「困った、ほんとにどこにいるかわからないぞ」

脱衣所から出た僕は、廊下で腕を組んで唸った。
部屋にもいない風呂にもいない。
さすがに全裸でトイレに行くまいと、一応覗いたがそこにもいない。
本格的に迷宮入りしてしまった。

僕は目を瞑ると、何か見落としはないか考える。
美奈がさっきから何かブツブツ言ってるが、それも無視だ。
焦る気持ちを落ち着け、自分が隼人になった気持ちで考える。
そして、あることに気づいてハッ!と目を開いた。

「美奈、隼人の部屋に行くぞ!」

駆け足になる僕と、慌てて「待って!」と追いかけてくる美奈。
もし、この悪い予想が当たってたら大変なことになる。

「やっぱり荷物がない!」

隼人の部屋に飛び込んだ僕は、部屋を見渡し大声で叫んだ。

「えっ、えっ? 帰っちゃったの?」

僕の声に驚いたのか、あたふたしながら美奈が僕の顔を見る。

「そういうことだ。なんでこんな簡単なこと気づかなかったんだろ。もう隼人にとって陸上部に用はないんだ。元々新聞部の取材で来てたんだから」
「じゃあ、千夏は?」

美奈が不安そうに僕に言う。

「隼人に連れていかれたんだろう」
「じゃあ!追いかけなきゃっ!」
「ああ、まだ間に合う!」

ふたりで歩調を合わせたように宿舎を飛び出す。
この合宿所にはバスでやってきた。学園所有の合宿所と言えど、学園から離れた山の中にあるせいだ。
簡単にタクシーとか呼べるところじゃないので、帰るにはバスしかない。
となれば、隼人たちが向かったのは、宿泊所の前にあるバス停だ!
もし先に帰られたら捏造記事を先手で出されて無茶苦茶にされる恐れがある。


「い、いない」
「待って、時間を確かめるから」

バス停に着くと、誰もいなかった。慌てる美奈を前に、僕は冷静になってバスの到着時刻を見る。
ここはど田舎なので、数時間に一本来るかどうかのはずだ。

「どう?」
「大丈夫。まだ来てないよ」

僕が、時刻表を見ながらそういうと、美奈はホッとした様子で胸をなでおろした。

「でもどこ行ったんだろ? 歩いて帰ったのかな?」
「それはないと思う。今から歩いたら結構な距離だから最悪野宿だよ」

カンカン照りの日差しを浴び、空を見上げて目を細める。

「じゃあ、ふたりはどこ?」
「それは……」

そこでバス停の裏側にある森から、途切れ途切れに変な音が聞こえてくるのに気づく。

パンパンパンパンパンッ!

「この音って……」

僕が呟く。

「あいつが千夏のお尻に腰を叩きつけてる音だ!」

美奈が鋭く答えを言った。













                                 <<  >>
  1. 2017/02/05(日) 15:47:25|
  2. 小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

うん、こっちの方は、逆転できますかな
  1. 2017/02/06(月) 16:39:22 |
  2. URL |
  3. CK #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> うん、こっちの方は、逆転できますかな

感想ありがとうございます。
最終話まであと少しなので頑張ります。
  1. 2017/03/23(木) 21:05:30 |
  2. URL |
  3. モブGR #-
  4. [ 編集 ]

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