2ntブログ

モブの植木鉢小説館

NTR小説置き場

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

6話 出撃

「お手柄だぞ、葵兵長」
「はっ、ありがとうございます!」

管制室に何事もなかったように戻った私は、たまたま宙域の索敵範囲を広くしてみたという偶然を装った調査で、あの霧崎翔一郎の情報の裏をとって報告した。
普段から索敵範囲を最大限にしていないのは精度の問題もあるが、クリスタルリングのメインコンピューターに負担をかけるからで、情報量が多ければ処理するのも大変。そういう事である。
しかし得られた情報は重要。よりによって襲撃は今日ということを除けば、上司への印象は上々だった。
問題は、それほど時間的に猶予がなく襲撃は7時間後とあって、報告がもたらされた管制室は一時収拾がつかないほどだったが、キャプテンの冷静な対応と小田少尉の指示によって動揺は収まり、
私は発見した当事者ということで、キャプテンの前に小田少尉と並んで立ち、これからの対応について意見を聞かれていた。

「ふむ、葵兵長は、高速駆逐艦ネプチューンで奇襲をかけるべきと、そう考えているのだな?」
「はい。ネプチューンは旧型の戦艦を遥かにしのぐ性能と武装があり、不意打ちからの主砲の一撃離脱を行えば敵の戦意を挫くことが期待できます」
「可愛い顔に似合わずなかなか過激な意見だな。小田少尉はどうおもう?」

キャプテンは私に向けていた視線を、小田少尉に移し意見を求める。

「冥王星から援軍が来るまでにはまだ時間が掛かります。計算上、海賊エリアハールが先に到着するのであればその作戦は有効かと思われます。ここから1時間半ほどの距離にあるエリアBの2エリア東方171、28の小惑星帯に隠れて待ち伏せすれば敵の索敵からも逃れることができるでしょう」
「うむ」

キャプテンが鷹揚に頷くと、オペレーターに治安課へ繋ぐよう指示を出す。
するとブンと静かな機械音がなり、管制室のメインスクリーンが治安課の内部を映し出した。

「ステーションの状況はどうだ?」
「特に問題ありません。概ね、いつも通りです」

金髪の20代後半の男性士官が報告する。たしかあれは永山少尉だ。以前、陽菜がこっそり教えてくれたことがある。出世欲が強くて、彗星の如く現れた小田少尉を一方的にライバル視しているとか。

「そうか。ならばそちらの方は一任する。治安を乱すもの、怪しげな動きをするものは誰であろうと拘束し、事が終わるまで牢に放り込んでおけ」
「はっ!」

スクリーンの永山少尉が敬礼し、そのままスクリーンが星の海へ切り替わる。
海賊エリアハールがここ、クリスタルリングに到着するまであと7時間。
冥王星最大の衛星カロンに浮かぶ『カロン・ステーション』から高速戦艦『プルート・ノア』と護衛艦数隻が到着するのは約8時間。
発見が早かったのにも関わらずカロンからの援軍が遅いのは、こちらが伝えた情報の信憑性を疑っていたらしい。
いかに海賊が好き放題やってるとはいえ、宇宙ステーションを襲うはずがない。そう考えていたようだ。

だが、つい10分ほど前に偵察衛星から送られてきた映像から、戦艦1隻を中心した巡洋艦1、駆逐艦5の編成とその進路が確認されると慌てて援軍を決定した。
知っての通り、ここは太陽系の辺境で商船の往来も少ない。船を襲うには効率が悪いし当たりはずれのある商船を襲うにはリスクがある。なのに映像に映っていたのは、まるで護衛付きの貴重品を積んだ大型商船を襲うような艦隊。しかもその進路がまっすぐクリスタルリングに向かってるとなれば、その信憑性も一気に増す、というわけだ。判断が遅くて文句も言いたいところがあるが、前代未聞の出来事故仕方ないところもあるだろう。受け入れるしかない。

(こちらの戦力は戦艦級の戦力を持つネプチューンと駆逐艦3隻。かなり不安ね)

いかに辺境で、宇宙海賊が現れない宙域だったとしても頼りない戦力。
クリスタルリングの防衛システムがあったとしても、艦隊戦で敗れればそうは持ちこたえれない。
勝てないまでも負けないように戦闘を引き延ばし、援軍の到着を待つのが基本戦術。海賊としては短時間で一気に私たちを叩き潰し、援軍が来る前に略奪を済ませて離脱を図りたいところだろう。

慌ただしく同僚が仕事をしているなか、私と小田少尉はキャプテンの前に立ち続ける。
出来たら私もネプチューンに乗って戦闘に参加したいのだけれど、欲張りすぎかしら?

「小田少尉」
「はっ!」

黙して考え込んでいたキャプテンがようやく口を開いた。

「高速駆逐艦ネプチューンで海賊エリアハールに奇襲を加え、その場に足止め、または進攻を遅らせよ」
「了解しました!」








「高速駆逐艦ネプチューン。発進する」
「了解、ゲート解放確認。ネプチューン発進」

20分後──。
小田少尉が艦長席に座り、私がオペレーターとして席に座った高速駆逐艦ネプチューンは、再びクリスタルリングを発進しようとしていた。
小田少尉が迎撃命令を受けると、隣で話を聞いていた私はすぐに任務に志願しオペレーターとして乗り込んだ。
この作戦が採用された以上、ただ、黙って作戦の成否を待つなんて性に合わない。自分も関わってからこそ、その結果を受け入れることが出来る。自分の中でそう結論付けていたからだ。
しかし、尉官でも新参である小田少尉がネプチューンで迎撃に出るとは、他の士官の嫉妬を買わなければいいけれど。今はそんなことを考えても仕方ないか。

「航路設定、目標、エリアBの2エリア東方171、28、小惑星帯。到着まで1時間31分44秒……」
「ご苦労、レーダーで監視を怠るな」
「了解」

重要な任務であるためか、張り詰めた空気が漂う艦橋。
敵との距離はまだあるが、何が起こってもおかしくないのが宇宙なのである。小さな見落としも許されない。
クリスタルリング最大の戦力である、このネプチューンを出した以上、この作戦の成否はある意味、これからの戦いの行方に関わっている。

「艦長、隕石群に到着しました」
「よし、小惑星帯に突入。艦のスピードを落とせ」

ネプチューンがスピードを落としていく。

「よし、あの大型隕石に船体を固定する。できるな?」
「はい」

操縦桿を握っていた男性クルーが返事をする。

「アンカー発射」

こうしてネプチューンは隕石群の中に身を潜めることに成功した。










─────


「えええ! 葵とヤっちゃったの!?」
「ああ、ちょっと話し合いの途中にな。たっぷり濃いのを出させてもらったぜ」
「馬鹿馬鹿っ!なんでそんなことしちゃうのよ」

クリスタルリングにある陽菜の自室。そこで霧崎翔一郎は陽菜と会っていた。
葵と陽菜に会わないという話はしたが約束はしてないし、葵が上手く提供した情報を活用したから別に会っても問題ないだろうとの判断からだ。

「もう、どうして君はいつもそう駄目なことばっかし」
「そうなのか? 別に問題ないと思ったがな」

陽菜のベッドに寝そべった俺は、窓際に座る陽菜に視線を向け欠伸をした。

「問題大ありだよ! 私はそんなことさせる為に紹介したんじゃないからね」

ぷんぷん怒る陽菜。
彼女と出会ったのは、月面基地で過ごした学生時代。偶然隣の席だった明るく無垢な彼女に、それはもう色々教え込んで可愛がってやったものだ。

「陽菜、交尾しようぜ」
「やだよ!」

校舎裏やトイレなどありとあらゆる場所で交尾した記憶。それを思い出して俺は口元を歪めて笑った。
あの頃に比べてもその可愛らしさは薄れてはいない。むしろより磨きがかかったくらいだ。
俺はそのくびれた腰や成長した胸に視線をやり舌なめずりをする。

「逃げなくていいの? もうすぐエリアハールが来るんでしょ」
「そうだな」

俺は起き上がると、ベッド脇にあった冷蔵庫から持ち主の許可を得ずしてジュースを取る。

安全な航路を探している途中、独自のネットワークでたまたま仕入れた情報。
エリアハールは木星周辺を拠点とする強者の部類にはいる海賊団だが、宇宙ステーションを襲うのは俺の目からしてもやりすぎだ。
仮に成功したとしても宇宙軍による海賊狩りや俺のような小物の悪党を取り締まる動きはより激しさを増し、こちらとしてもたまったものではない。
だから情報を流してやったのだが、どうやら迎撃に関しては上手くいきそうだ。
先ほどからステーションに流れる放送。人の流れからしても上層部が万全の体制を取ろうとしているのがわかる。ステーションから民間人の脱出を促さないことからもそれは明らかだ。
なら、俺も逃げだすほどでもないってことだ。

「陽菜を置いては逃げれないんだよ。わかるだろ?」
「また、そんなこと言って。交尾はさせてあげないからね」

陽菜に近づこうとする俺に、胸を手で隠して警戒の色をみせる。

「そんなつれないこというなよ。俺はこんなにも陽菜を愛してるんだぜ?」
「もう、近づかないで!」

息がかかりそうなほど俺はそばに行くと、陽菜の肩に手を伸ばす。
陽菜は逃れようと俺から距離をとった。

「なぜ逃げる?」
「交尾しようとするからだよ!」
「そんなことしないさ」

俺は笑う。

「ほんとに?」
「ああ、俺がこれからするのは、陽菜のおまんこを使ったオナニーだからな!」

その瞬間、俺は野生の獣のように素早く動いて陽菜を捕まえると、ベッドに突き飛ばして服を脱ぎはじめた。

「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っ! 同じことじゃないか!」
「俺の勝手なオナニーだからな。学生時代もよく経験しただろ? 思い出せよ。学生時代、俺がオナニーしたいって言ったら四つん這いになって便器のように身動きもせず俺のちんぽを受け入れていた毎日を」

あっ!と羞恥に顔を染め始める陽菜。

「あ、あれは、まだ何も知らなかった私を騙してただけじゃ……」
「でも気持ちよかっただろ?」

性の事について何も知らなかった陽菜。
友人である俺の頼みを、それで楽になるならと笑顔で引き受けていた毎日。
スカートを腰までたくしあげてお尻を丸出しにし、よく校舎裏や夕方の教室で1日3回は交尾をしたなぁ。

「またふたりでオナニーしようぜ。俺はお前のおまんこで、おまえは俺のチンポを使ってオナニーするんだ」
「もう、一回だけだからね……」

すっかり全裸になった俺の姿を見て諦めたのだろう。すぐに自分でタイトスカートとパンツを脱いで、お尻を突きだす四つん這いになった。

「いい子だ」
「もう、するなら早くして。仕事サボってるのがばれたら大目玉なんだからね!」

ひくひくしてるおまんこ。言葉とは裏腹に俺と交尾したくてたまらないようだ。
ちょっと触ったら、すぐに愛液が溢れ出してきた。

「早くっ!」
「わかった、わかった」

お尻を軽く振った陽菜のお尻を掴み、俺は学生時代のように挿入した。

窓の外を、青い船体を輝かせながらネプチューンが飛び出していった。









─────


「そろそろ時間か……」

敵の索敵を恐れて必要最低限の機能を残して停止していたネプチューンの艦内で、何かを思考するように目を瞑っていた小田少尉がポツリと呟いた。
少し俯いていた小田少尉は顔を上げると、穏やかな口調で私に尋ねる。

「敵の位置はどうなっている?」
「敵艦隊いまだに進行速度を緩めず、こちらの主砲射程に入るまで10分です」
「そうか、まだ気づかれてはいないようだな」

安堵したように小田少尉が言い、私も内心同意する。
敵であるエリアハールに気づかれてはこの奇襲作戦は失敗する。巡航速度を緩めていないということは、まだこちらに気づいていないことを示しているのだ。
このままいけば、少なくとも先制攻撃はとれるに違いない。

「敵射程まで5分……」
「フック開放。ネプチューン主砲発射用意」

隕石と船体を固定していたフックが外れ、ついに小田少尉から主砲の発射準備が告げられた。
緊迫感漂う船内。この一撃が事実上、これからの戦闘に大いに影響する。外れでもしたら敵の戦力を減らすチャンスを失うのだ。

「目標、エリアハール巡洋艦」
「照準、巡洋艦に固定」

レーダーに映る敵船影はいまだ速度を衰えさせず、無防備にこちらの射程範囲に入ろうとしている。

「発射」

意外にも淡々と命令は告げられた。
ネプチューンの主砲から眩い光線が宙を切り裂き、エリアハール艦隊を襲う。

「命中。撃沈を確認しました。敵艦隊、さらに移動中」

車は急に止まれない。当然こちらの存在に気づき攻撃してくるだろうが、横っ腹の船体をこちらに向けてくるには若干の猶予がある。
不意打ち一撃離脱の作戦だったが、まだ余裕があると小田少尉は見たようだ。落ち着いた声で、さらなる目標に狙いをつける。

「続けて、敵艦隊右後方の駆逐艦を攻撃」
「照準固定完了。発射します」

再び主砲が発射され、まばゆい光が敵駆逐艦の船体を貫く。
敵主力の戦艦を狙わなかったのは、バリアが張ってあるためだ。
射程ギリギリからだとバリアを破壊できても一撃で撃沈できるか怪しい。それよりも攻撃力が高く、移動が速い巡洋艦や駆逐艦から狙ったほうがいいというわけだ。
しかしさすがは地球軍最新鋭の高速駆逐艦。戦艦の主砲に匹敵する一撃を連射と言ってもいいほどの時間で撃てるとは。
射程もこちらが上だし1対1だと負ける気はしない。

「よし、離脱する。右舷回頭、小惑星帯から全力で離脱せよ」
「はっ、右舷回頭エンジン噴射」

高速駆逐艦の名に恥じぬように、ネプチューンは敵の攻撃が来る前に敵の射程から外れる。

「こっから時間を稼ぐぞ。エリアハールの背後に回り込め」





















                                <<  >>
  1. 2018/06/25(月) 15:25:01|
  2. 小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<10話 開発された身体 | ホーム | 7話 デートの約束>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://garagara20.blog.2nt.com/tb.php/305-333d3e83
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

モブGR

Author:モブGR
ntr属性なのに超純愛ゲーをやって自己嫌悪になった男。リハビリのために小説を書いてます。
ほぼ賢者モードで書いてるので期待しないでください。

カテゴリ

はじめに (1)
小説 (249)
雑記 (1)

リンク

このブログをリンクに追加する

最新記事

カウンター