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8話 開き直り

一家団欒と言っていいほど和やかな坂城家の夕食の後。
僕ら留学4人組は和室の大広間で寛いでいた。
ちょっと緊張したけど、とりあえず無事一日が終わってよかった。
地元の子しか入れないって高校だったから不安だったけど、見知らぬ僕らへの視線を除けば今のところは特に問題なさそうだった。
リラックスしながら、食後に出されたお茶を和室の長机の前で座って飲んでいると、可愛らしい妹みたいな日奈ちゃんがやってきた。

「転校初日でしたけど、どうでした?」
「みんな温かく迎えてくれたから問題なかったよ」

代表して僕が答える。

「そうですか。それならよかったです。ちょっと心配してたんですよ」
「ははは、日奈ちゃんは心配性だな」

達也が笑いながら日奈ちゃんの隣に座った。
こいつの下心が透けて見える。頼むから変なことしないでくれよ。

「それより俺としては剣道部の話しが訊きたいね。風香どうだったんだよ」

剣道部の入部を止められた達也が、内情を探るべく麦茶を飲んでいた風香に尋ねた。

「……んー、ちょっと変わったところあったけど、楽しかったかな」
「なんだ、煮え切れない答えだな。変わったところってどんなとこだよ」
「変わったところったら、変わったところよ!」
「なに、いきなりキレてるんだよ……」

風香の態度の急変に、達也がドンびいたように腰を浮かして少し距離をとった。

「まあまあ、剣道部で上手くいったってことでいいでしょ」

結衣が苦笑いしながら言うと、達也が仕方なさそうに姿勢を正して座りなおす。
剣道部の内情を知るチャンスを逃したってのが丸わかりだ。
ちょっと不貞腐れてるから、よくわかる。

事情を知る僕と結衣が苦笑いしていると、日奈ちゃんがこちらを見た。

「みなさんは部活しないんですか?」
「ああ僕たちは、今のところそんな予定ないかな」

学校で達也と話し合ったことをそのまま伝える。

「みなさんが部活に入ってくれれば、学校のみんな喜ぶと思ってくれたんですが」

少し声を落として日奈ちゃんが言うと僕たちは顔を見合わせた。そういえば日奈ちゃんは生徒会の一員だった。
学校の事も考えて言ってるんだろうか。確かに留学生が何もすることのない田舎で部活にすら入らないってのは、感じ悪いかもしれないけど。
なんて言い訳しようか考えていると、僕が言葉を発するより先に達也が口を開いた。

「仕方ないな。ここは俺が剣道部に……」
「絶対ダメだからねっ!!」

達也がいかにも嫌々そうな演技を見せると、突如風香が猛然と反対して立ちあがった。

「なんだよ。そこまで嫌がらなくてもいいだろ……」
「うるさい。あんたが来たら剣道部が汚れるから絶対来ないでよ」
「風香てめぇ!」

あんまりな物言いに、達也まで立ちあがるとそのまま睨みつける。

「ちょっと、どうしたのよ風香。さすがに言いすぎよ」

結衣が戸惑ったように風香を宥める。

「結衣は黙ってて。達也が剣道に興味ないの知ってるから。来たら絶交だからね!」

過剰すぎる反応。僕と結衣は思わず顔を見合わせる。
これはいつもの達也の冗談だ。
なぜそこまで興奮するんだろうか。何か剣道部であったのだろうか。困惑を隠せない。

「何か剣道部であったのか?」
「どうせ天狗状態で乗り込んだ風香様が、ボコボコにされたんだろうよ」

風香に激しく拒絶された達也が、憎まれ口をたたく。

「・・・・・・・お風呂入ってくる」

言い返すこともなく、風香はさっさと部屋から出て行った。
やっぱり何かあったのだろうか。
名門中の名門って話だし。

虫の居所が悪かったのだろう。

僕たちは今夜はそっとしておくことにした。







風呂に入り、寝床に入った風香は自己嫌悪に陥っていた。
確かに言いすぎだった。だけど、どうしても知られたくなったし、ほんのひと欠片も興味も持たれたくなかったから。

(だいたいあいつが変なこと言うから)

達也が刺激するようなことを言わなければよかった話。
いつもは聞き流せても今回はそうはいかない。冗談でも剣道部に来られたら全てを知られることになる。
そしたらなんて言われるか。

風香の頭に最悪の想像が浮かび、それを慌てて打ち消す。
そして今日の剣道部の出来事を思い返した。



『胸を見られたくらいで、剣先が乱れるようではまだまだだ』



渚の言った一言。
それはまるで自分に向けて言われたようで、落ち込んでしまう。

(渚さん、ガッカリしたかな)

みんなと向かい合っていた渚には全員の素振りがよく見える。自分が胸を見られるのを気にして集中できなかったのも知っていておかしくない。
風香は、渚先輩は剣道家ではなく剣士でありたいと思ってるのだろうと、今日の練習と言動から感じ取っていた。
男女関係なく剣士として一番を目指す。肌を見せたからといって、勝負中に隠しているようでは話にならない。
剣道だからそんなの関係ないと切って捨てれば簡単なのだろうが、渚はそれに納得しないのだろう。
あの孤高で美しい風香の憧れた剣士渚は、きっと竹刀だけでなく真剣を持っていても一番になりたいのだ。
そしてそれを踏まえたうえで、剣道部のみんなは渚先輩についていってるのだ。

(やっぱり渚さんはすごい……)

改めて渚の凄さを風香は思い知り、感動する。
女子の中で一番を目指していた自分とは目標が違う。スポーツの枠組みに嵌ってた自分では、到底かなわない剣士。
きっと試合中は何があろうと動揺しないに違いない。

風香は天井を見ながらふぅと溜息をつくと、もう一つ頭に残ってることについても頭を悩ませる。

劇的な出来事が多かったけど、そのなかでも最後に見た沢山のおちんちんが目に焼き付いて離れない。
あんなの忘れなきゃいけないのに、太さや長さがばらばらだったおちんちんが記憶から全く消えないのだ。
勃起してなかったからとかの問題ではない。女の子としての問題だ。顔が赤くなるのを感じ風香はぶんぶん頭を横に振る。

話からして、男子部員も雑念を捨てる為、チェックされていたらしい。
勃起していたらきっと罰を与えられていた。当たり前のように何気なくチェックが行われ、心の準備が出来てなかった風香が流されるように見てしまった。それだけのことだ。
全部、自分のミスだ。

「ここの剣道部普通じゃなかったのにね」

やめる選択肢はまったく思い浮かばない。
みんなに理由を察せられるし、何よりもあの強くなろうとする和樹の手伝いをすると約束してしまった。
ここで逃げるなんて出来ない。出来るはずがないのだ。剣道家の自分の為にも。

(明日から頑張らなくっちゃ……)

風香の意識はそう決意すると、力を失ったように溶けていった。



登校二日目──。
僕らは風香を除いて朝食を食べていた。
日奈ちゃんの話しだと、風香は朝練があるからと、朝の6時には家を出て行ったらしい。
転入二日目だというのに忙しいことだ。でも風香はこのためにこの学校に来たわけだから、そのことについて何か言うのは野暮ってもんだろう。
のんびり組の僕らは、昨日より若干緊張がほぐしながら雑談し、朝食を終えると8時には家を出る。
達也が途中で忘れ物に気づいて、慌てて家に引き返したことを除けば全て予定通りだ。

「ふふっ、達也さんっておっちょこちょいなんですね」
「そうだね」

達也が消えた登校時間。日奈ちゃんが上品に口に手を当てて笑うと、結衣が微笑みながら同意した。

「あいつは、抜けてるとこあるからね」
「浩太くんも人の事言えないと思うけど?」
「そっかな?」

僕が首を傾げると、結衣が声に出して笑った。

「浩太くんの場合は、抜けてるって言うより鈍感かも」
「鈍感? 僕が?」
「うん」

心当たりがない僕は、思い当たるようなことを思い返す。
特に何もなかったと思うけど。
結衣の顔を見ると何かあるようだ。

「例えば?」
「それは自分で気づいてくれると嬉しいな」

結衣は少し顔を赤らめそっぽを向いた。

「むぅ、教えてくれ」
「だめ」

意地悪なやりとりを見ていた日奈ちゃんがクスクス笑う。

「なるほど、そういうことなんですね。それは浩太さんが気づかないと」
「日奈ちゃんまで……」

僕に気づかなかった事を日奈ちゃんは気づいたのだろうか。
僕が教えを乞うように見つめるとニコニコした。

「日奈ちゃん、後でお菓子を買ってあげるから、教えてほしいんだけど」
「それは魅力的な提案ですね」
「お、お菓子に釣られちゃ駄目だよ!」
「ふふっ、さぁどうしましょ」

僕らをみる日奈ちゃんは、小悪魔的な笑みだ。
結構日奈ちゃんは腹黒いのかもしれない。

「と、とにかく学校に早く行きましょ。遅刻するわ」
「あっ、待って」

強引に話を打ち切った結衣が早足で歩き出した。
う~ん、何が鈍感なのか気になるけど、達也は待たなくていいんだろうか。












数時間前。
朝練の風香は、昨日の事などなかったように元気よく部室に入った。
クヨクヨするのは自分らしくない、と自分に言い聞かせ、元気よく挨拶をしてまわる。
部員のみんなは挨拶を返してくれたが、風香の目にはみんなが少し気を遣ってる風に見えた。

(やっぱり昨日の事を気にしてるよね……)

どこか違和感のある挨拶。笑顔なのだが、一歩引いてるように見える。
所詮、自分は都会から来た短期留学生。お客さん扱いなのかと、感じ取ってしまう。
隣で着替える美沙ですら自分を守ろうとする気配がするのだから少しショックを受ける。

今のままでは仲間になれない。
このままだと、お客さん扱いで終わってしまう。

もし風香が朝の素振りで上半身裸にならなくても、渚は自分を注意しないのではないかと、そんな気にすら思える。

(やっぱりだめだよね。これじゃあ)

風香は気合を入れなおすと、昨日考えてきたことを実行に移す。風香は敢えておっぱいを見せびらかすようにして部室を歩いたのだ。
憧れの渚を失望させたくない。自分もお客さんではなく、剣道部の仲間になりたい。自分は胸を見られたくらいで動揺する剣士なのではないと、渚に見せたかったのだ。
風香は吹っ切れた。やってみたらなんてことはない。むしろ清々しくて気持ちいいくらいだ。爽やか、いや爽快だ。何か解き放ったのを心で感じた。
そしてそれは確実に風香の立場をいい方向に変えた。

「なんだ新入り。おっぱい隠してるから小さいのかと思ったぞ。ちゃんと自慢できるおっぱいじゃないか」

先輩男子からのヤジ。恥ずかしくてカッ!となったが、その目に邪なものはない。
少し落ち着いてみれば、みんな微笑ましいものを見るように風香を見ている。
ほとんどが笑顔で、男女問わず邪なものはない。
そもそも男子部員は誰も女子の裸を見て勃起していないのだ。都会の男子なら獣のように舐めまわして見られたうえ、勃起させていただろう。
だから風香は口元を不敵に釣り上げると、特有の負けん気を出して言い返す。

「おっぱい自信あるからね。なんなら触ってみます? 勃起したら渚部長に言いつけますけど」
「おお、怖いこと言うねぇ」

笑い声が男女問わず漏れる。

「まぁ、俺だったらおっぱいを触ったくらいでは勃起しないけどな」
「嘘ですよ、先輩は見慣れてるだけで、ちょっと刺激を与えればすぐ勃起するの知ってますし」

先輩男子が自信たっぷりに言うと、すかさず隣の美沙が突っ込んだ。

「いや、しないしない」
「するって、ほら!」

美沙が風香の背後にまわると、後ろから色白のおっぱいを揉みしだいた。

「ちょ、ちょっと美沙!」

想定外の出来事に風香が身体をくねらせ逃れようとすると、美沙は調子にのって風香の乳首を摘まみ、母乳を出させるようにクイクイ伸ばして風香の身体を仰け反らして痺れさせた。

「風香ったらこんなに感じて……。男子に見られて興奮してるのかしら。まだ入部して二日目なのに生意気ね」

美沙が勃起した風香の桜色の乳首を指でピンとはじくと、
勃起しないと言った男子に微妙な反応が現れ、前かがみになった。

「今よ、みんな!先輩のズボンとパンツを脱がして!」
「や、やめろ!」

女子部員数人に取り囲まれ、あっというまに男子部員はズボンとパンツを下ろされていく。

「ほら勃起してるじゃない!」
「いや、これはだなぁ……」

罰悪そうに頭を掻く先輩男子。腹まで反り返った勃起ちんぽを隠そうともしない。

「何をやってるのか、馬鹿ものが……」

今まで黙って事の成り行きをみていた渚部長が、呆れた声で先輩男子と美沙を冷たい目で睨んだ。

「すいません部長」

二人は同時に渚に謝る。風香はとばっちりを受けてたまったもんじゃない。

「今すぐ着替えに戻れ」
「はい」

女子たちが先輩男子から離れていく。

「部長。その……勃起がおさまらないんですが……」
「道場に出るまでに戻しておけ」
「はい……」

バッサリ切り捨てるように言われて男子はしょげる。

「おい、美沙。おまえのせいだぞ。コレどうにかしろ!」
「ちょっと私のせいにしないでくださいよ。勃起したのは自分が変なこと言ったのが原因ですし」
「無理矢理勃起させたのはお前だ。早くしろって、このままじゃ遅れるだろうが。もし遅れたらお前も連帯責任にするからな!」
「ちょっと、ふざけないで」
「ふざけてねぇだろ!嘘をでっちあげてもお前の責任にするからな」

みんなの前で胸を揉まれた衝撃から立ち直れてない風香を残して部員たちが苦笑いしながらどんどん部室から出て行く。
壁時計を見れば部活が始まるまで、あと5分ほどだ。
美沙は風香をチラっと横目で見ると、困った顔をして焦ったように言った。

「しょ、しょうがないわ。はやくそこのシャワー室に入ってください。風香も早く着替えて先に行ってて」
「わ、わかった!」

呆然とする風香の前で、美沙と男子が部室の奥にあるビニールカーテン一枚引かれた二つしかないシャワー室の片方にはいっていく。

「時間がないから急げ!」
「手コキだからね」

手が止まった風香の前で、男子の苦悶に満ちた声がカーテン越しに聞こえてくる。

「まだ?」
「焦らされると、で、でない!」
「もぅ!」

カーテンの隙間から美沙がしゃがみこんだのが見えた。

「これで出なかったら先輩でも許さないんですからね!」
「わ、わかった」

『ジュポ、ジュポ、ちゅぱ!ちゅぱ!クポッ!クポッ!……』

「うっ!激しすぎっ!」
「ちゅぼ、ちゅ!ちゅぼっ!気を逸らさないで。ちゅぷっ!」

「おまえエロすぎっ!くっ出る!」

…………………

……ごくごくごくっ!

風香はまるで映画を見ている観客のように、目の前で起こった出来事に声を上げられないでいた。













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  1. 2018/08/22(水) 02:15:54|
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