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22話 ──突入──

夜の9時。ついに真紀奪還作戦が実行されようとしていた。
今回山田にとって真紀を奪還しようとするのは2回目であり、前回失敗しているぶん今回は絶対に失敗を許されなかった。
優斗と信也、そして武器をちゃんと用意しているとはいえ、相手は大人数と予想されるので危険はかなり大きいだろう。

優斗からの情報によりVIPルームの場所と、見張りがいないことを知った山田は、
鼻息荒く、優斗と信也に作戦の指示をする。

「いいか、天野を助けるのは俺の役目だ。ふたりは部屋に突入したら相手を遠慮なくボコってくれ。
決して手を抜かずにな、いいな」

「わかった。大怪我させない程度に痛めつけるよ」

山田が自ら真紀を助けると言ったのを聞いて、優斗は内心で苦笑いしながら頷く。
きっと格好よく王子様のように真紀姫を助けに行きたいのだ。さしずめ自分と信也はその従者といったところか。

「じゃあ、もう一度手順を確認するぞ。まず優斗と信也が部屋に急襲して問答無用に相手を木刀でぶちのめす。予想外のことが起きたり数が多い場合は、催涙スプレーだ。
そして相手が混乱してるうちに俺が真紀を助け出して、一気にこの宿泊所から脱出する。逃げれそうにない場合は、この部屋に立て籠もる。いいか?」

「わかった。了解だ」

3人は頷きあうと制服に着替え木刀を手に持ち部屋から出て西館に向かった。








その頃、西館3階VIPルームでは撮影の総仕上げが始まろうとしていた。
ようやく大浴場からあがり、全てが終わったと思っていたティアナたちなのだが、
晩御飯を終え2時間の休憩の後、最後の撮影をすると監督から言い渡され顔を俯かせる。

VIPルームにある12畳ほどの和室の畳に敷かれた3枚の布団。
部屋のカーテンが開け放たれ、満月の光だけが部屋を淡く照らしている。
恐らくここで自分たちはまた犯され、撮影されてしまうのだろう。

時間になり、ティアナたちは浴衣を脱ぎ捨て、ウエディングドレスを着せられる。
そのウエディングドレスは普通のと違い、スカートの裾はミニスカートのように短く、おっぱいに至っては丸見えの状態だ。
しかも下着すらつけさせてもらえない。

「今から最後の撮影、マーメイドの結婚セックスを撮る!」

監督が力強く宣言し、今まで浮かれていた部員たちも気合を入れた。
大浴場のことは大浴場。撮影になるとまた顔つきが変わるのである。
曲がりなりにも彼らはAV部の部員と言う事だ。

今度はティアナが一番左の布団で四つん這いになり、真ん中には千夏が、そして一番右の満月が見える窓際には真紀が四つん這いになった。

「時間だ。撮影を開始する」

ティアナと千夏の背後に昼間の男優が全裸でやってきて立つ。
だが真紀の後ろには、男優ではなく監督が服を脱いで立った。

「監督、ほんとにビデオ出演するつもりなんですか?」
「そ、そうだ。文句あるのか!?」

やましいとこがあるのが分かってるのか、部員の戸惑った質問に強気で答えた。
本来監督がビデオに出演するなど聞いたことがない。監督の特権を使った撮影を台無しにする行為だ。
部員達が白けた表情で視線を監督にぶつける。

「……いえ、別にないですけど、見栄えのいい男優を使わず自分を出すってことは、監督に何か特別な考えでもあるのかなって思っただけで」

先程までずっと真紀に種付けしていた監督。
並々ならぬ執着を見せるその姿は映像として確かに残す価値はあるだろう。
しかし隣の筋肉質の男優と比べればさすがに見栄えといい、性欲の強さといい、格が落ちるとしかいいようがなかった。

「それは大丈夫だ。今回のAVは今までの最高傑作にしてみせる。監督は助監督、おまえがやれ」
「は、はい」

あくまで強気な監督に現場は撮影の準備に入った。








山田たち3人組はエレベーターで3階であがると、南館から西館に入る角まで来て西館の3階の廊下の様子を窺っていた。
まわりに誰もおらず静寂なままだが、何も知らない客がこの3人組を見たら怪しいことなかった。

「優斗、おまえの話だと見張りとかいないってことだったが……」
「ああ……」

明らかにウロウロと周りを警戒するように2人の男がいったりきたり歩いている。
まるで襲撃が分かっているようだ。
あの警戒は尋常ではない。

「おまえが真紀ちゃんを助けにAV部に乗り込んだことあったから警戒してるのかもな」

信也がウロウロする男を見ながら、ポツリと言った。
確かにその可能性ならある。山田がまた真紀を取り返しに来ると向こうが考えていてもおかしくない。
しかしさっきは警戒していなかったのに、今これほど警戒しているのはおかしい。

「ひょっとして見られたかな……」

今度は優斗が険しい顔で言う。
偵察に来ていたのを見られたならこの警戒は納得できる。
優斗がふたりに「ごめん」と言うと、山田は首を振った。

「いや、おまえの責任じゃねぇよ。こうなったのは全部俺の責任だ。おまえらまで巻き込んじまってすまん」
「なにいってるんだ、ここまで来て」

ここまで来てしおらしく頭を下げた山田に、信也は喝を入れるように語気を強くした。
そしてこのままでは近づくまでに確実に見つかると考えた信也は、作戦の練り直しを提案する。

「確かにこのままでは近づけそうにないね……。見つかったら最後、仲間を呼ばれて奇襲は失敗になるだろう」
「ならどうするんだ。このまま諦めるっていうのか? 間違いなく撮影は終わって天野はAVデビューだぞ」
「わかってる。今考えるよ……」

優斗が腕を組んで視線を落とし考える。
山田と言えば何も言わず角から視線を覗かせて、ウロウロする男たちを睨みつけたままだ。

考えること2分。ついに優斗は腕を解いて口を開いた。

「誰かが囮になって、あいつらを引き付けるしかない。そして隙を作らせ背後からやるんだ」
「具体的にはどうする?」
「俺が西館のエレベーターを使って反対側からあいつらのほうに近づく。そしてあいつらの気がこっちに向いたところで一気に近づいて襲ってくれ。
一応俺も武器を持ってるから心配しなくていい。やばかったら逃げるしね」
「わかった」

優斗と信也は、聞いてるかよく分からない山田を置いといて頷きあうと、優斗だけが別れて階段で下へ降りて行く。
信也は優斗がいなくなると、未だ睨みつけたままの山田の肩を叩いて、小さな声で言った。

「ちゃんと聞こえたな。優斗が気を惹いたら一気に行くぞ。早まるなよ」
「わかってるよ!」

少しイライラしているのか山田が、ぶっきらぼうに答えた。
先程のしおらしさがなくなったのは良かったが、この態度の急変はおかしい。

(作戦が躓いているので情緒不安定になってるのか?)

信也は、山田の態度に不安を覚えながら、優斗が上手くやることを祈るのだった。








ついに撮影は始まった。
大浴場での乱交ですっかり抵抗する気力がなくなったティアナと千夏は、自分が何のために来たのかを忘れて指示に従う。
窓から差し込む満月の光のみでの撮影なので、なんとなく神秘的な始まりとなった。

「3人ともお尻を高くあげて」

ウエディングドレスを着たティアナたちは、四つん這いになったまま言われた通り大人しくお尻を高くあげる。
監督と男優たちは、女の子のお尻の前で膝立ちになり、ウエディングドレスのスカートを捲って、お尻丸出しの格好にさせた。

「監督何を考えてるか知りませんが期待していますよ」
「おう、任せておけ」

助監督が真紀のお尻を鷲掴みしている監督に言うと、監督は自信たっぷりに答えた。


「では撮影を開始します。スタート!!」


男優たちがその合図と共に、花嫁姿の3人の美少女たちのお尻の肉を左右に開き、勃起ちんぽをズブズブ挿入していく。
愛撫などしない。ティアナたちの身体は常に発情状態にされているからだ。
よって勃起ちんぽは温かい膣肉に包まれすんなり入っていく。

ちなみに台本によると、この深夜でのセックスは、海に帰るマーメイドたちが行ずりの男にお情けを貰うというシーンらしい。
撮影に入る前にティアナたちは説明を受けたが、ティアナたちにとってはどうでもよく、溜息しか出てこなかった。


パンパン!と張りのいい尻肉の鳴る室内。
薄暗い和室の布団の上でバックで突かれるというのは風情がある。
ウエディングドレス姿というのはあってないが、月明かりで白いお尻が綺麗に照らされているのはいいものだ。

ティアナたちの淫穴が文字通り淫らな音を立てて、くちゃくちゃとマン汁を溢れださせる。
カメラで撮られるのは当たり前になってしまった。
販売やレンタルをしてしまえば、ティアナたちは立派な学生AV嬢である。
今まで以上に、学校で襲われたり輪姦される可能性が高くなるだろう。

「ふんふん!」と鼻息荒くお尻に腰を叩きつける男優たちは、みなベテラン男子生徒であり
幾人もの女子生徒をAV女優に変えてきた極悪人でもある。
ほとんどの女子生徒は始めからAV女優になろうなんてほとんど考えていない。軽い気持ちでAV部の催し物に参加したりして、ドロ沼に嵌ったものたちばかりだ。
男優の巧みなテクニックと性欲の強さに夢中になり、抜け出せなくなってしまったのだ。

ティアナたちもまた、男優のテクニックに嵌りつつある。
荒々しさと優しさを兼ね揃えたちんぽの突きは、ティアナたちを何度も軽くイカせ、喘ぎ声をあげさせる。
張りのいいお尻が男優たちの突きで弾けまくり、激しく何度も波うたせてティアナたちをより堕落させていくのだ。

監督と男優たちが、脚本通りグイっとティアナたちの両手首を掴んで後ろに引っ張った。
まるで馬の手綱のようにして、バックから責め立てる。
両手を後ろに引っ張られることにより、ティアナたちの美乳が、よりカメラの前に晒され前後にぶるんぶるん♥と揺れる。
薄桃の乳首がツンと起ってるところもまるわかりだ。

「ぁぁ……、イッちゃう。イッちゃうよぉ」

早くも千夏が身体をガクガク揺らしながら、盛大にイかされそうになっている。
その顔は恍惚として、乳房と一緒にガクンガクンと前後に揺れている。
昼間からずっと男たちに抱かれているのでイキやすくなってるのもあるかもしれない。
千夏を後ろから責めたててる男優はまだ余裕のようだ。腰を一定のスピードに保ちながら、軽い息を吐いて桃尻に叩きつけている。

(いよいよだな……)

監督を任された助監督が、腕時計を見て撮影時間を確認する。
この撮影では何度も中出しはしない。ウエディングドレスを着ていることから分かるように思い出に残るよう1回だけだ。
だから監督が任せておけと言ったことに不安を募らせる。
果たして隣で腰を振っている男優に負けないくらいの、見ていて気持ちいい種付けが出来るのかどうかを。







優斗は西館の2階からエレベーターに乗り3階に行くと、そのままVIPルームに近づいて行った。
先程角から見ていた通り、相変わらずふたりの男がウロウロとしている。
彼らは優斗を見つけると、すぐにこちらにやってきた。

「おい、おまえ! ここは立ち入り禁止だ。他へ行け!」

殺気だった様子で優斗を追い返そうとする。
どうやら自分が山田の関係者だとばれたわけではなさそうだ。しかしこの様子だと、自分たちが襲撃に来るのは分かっていたと見るのが妥当だ。
優斗はひょうひょうと「まあまあ」と言いながら、背後から忍び寄る木刀を持った山田と信也に目で合図を送る。

山田と信也は一気に距離を詰めて、見張りの頭を木刀で殴った。

「うがっ!?」

後頭部に衝撃を受け、崩れ落ちる見張り。ちょっと倒れ方がやばかったが、これくらいで死ぬなら新人類としてはこれから生きていくことはできない。
新人類は強さが尊ばれる世界。仮にここで死んでもまぬけの一言で済まされる。

合流した3人は、3030号の部屋の前に進む。
ドアの前に辿り着くと作戦通り、優斗と信也がまず前に出た。
そしてふたりは頷くと、ドアをゆっくり開ける。

鍵はかかっていない。
仮に掛かっていたとしても、音もなく鍵を開ける道具をいくつも持って来てある。

まずは少しだけドアを開け、隙間から中を覗きこむ。
中を見ると、見える範囲からは誰もいない。ただ、遠くから談笑する複数の声が聞こえてくる。どうやら部屋の奥にいるようだ。
優斗はそのままドアを開け、信也とそっと忍び込む。
もちろん木刀は握ったままだ。

そして、部員がいるであろうリビング前まで来ると、一気に中に踏み込んだ。

「おらぁ!!」

まず信也がリビングのソファーで寛いでいた部員の頭を木刀でぶん殴る。
テーブルを挟んで談笑していた部員は信也に気付かず、そのまま頭をぶん殴られてフラっとするとテーブルにドンと前のめりに倒れた。
そして続いて入ってきた優斗が木刀を振り上げる。

何が起こったのか訳が分からないといった風のメガネ部員。
目を見開いたまま優斗の一撃を食らって、ソファーに横倒しになるように倒れて頭から血を流した。

「これで2人っ!」

信也が部屋を見渡して残りの人数を確認する。
リビングにいたのは4人。つまりあと2人残っている。
そのうちの1人は信也がそのまま続けて倒したが、残り1人は気を取り直したように壁際に転がり、壁に立てかけてあった剣をとった。

「くそっ、表のやつは何やってたんだ!」

後から入ってきた山田が、奥の部屋に進んだのを見て、残った部員は怒りの声をあげる。
警戒していたのに、ここまで侵入を許してしまって悔しそうといった表情だ。
だが、次の瞬間その悔しそうな表情が愉快で嘲笑じみたものになる。

信也と優斗はそれを怪訝に思いながらも襲い掛かった。















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  1. 2013/08/17(土) 00:00:01|
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